第25話 Chapter(章) 23
その日の晩。4人はテーブルを囲んでいた。
「……と言う訳です、ミランダ様。」
「まぁ。2人共凄いわ、ママの出る幕は無さそうね。」
「そんな事ありません。ミランダ様のパワーも2人に感じ取って欲しいのです。明日はご同行をお願いします。」
姉妹は声を揃えて、「ママ、お願い。」と懇願した。
「私からも是非お願いします、ミランダ様。」
「……。ガムのパワーを経験させたのかしら?私はそれで十分だと思うけど。」
「ガムさんはママのパワーはこの程度じゃないって。」
「私もレイラも、ママのシンクロのパワーを感じたい。そうすればもっと上達する。」
「全く余計な事を言ってくれたわねガム。……いいわ。明日は一緒に登る。たまには巨人の槍の側に向かいましょうか。」
「ありがとうございますミランダ様。彼女達の上達ぶりもなかなかのものです。是非見てあげてください。」
巨人の槍とは、いつも皆で登った岩山近くにある、その名の通り槍の形をした岩のある場所。巨人の持つ槍に例えてそう言われていた。
ミランダはキッチンに向かって手をかざしムーブを使う。
キッチンから食器や鍋をムーブで運んでくるミランダ。
ディナーの支度を始めながら言った。
「2人同時にシンクロ出来ないから、交代に見せてあげます。ママのパワーを忘れずにしっかり感じ取る事、いいわね。」
姉妹はまた声を揃えて、「ママ、ありがとう。」
「やれやれね2人共。でも良い経験になるでしょう。妖魔に負けないパワーを感じさせてあげる。」
「レイラ、ライラ。これは滅多に経験出来ない事です。しっかり身体で覚えてくださいね。」
外はもう暗くなり、星が瞬き始めている。
テーブルでは4人の団欒が始まった。
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