第23話 Chapter(章) 21

 翌日……。


 今朝、姉妹は朝食も早々に、リビングでリンクフルの練習をしている。

窓際で煙草たばこくゆらすガムは、2人にリンクしてパワーのチェックをしていた。そしてミランダはキッチンで片付け。


 「ライラ、上達してるわね。私のリンクを解けないのに、徐々にパワーを上げてくる!」

「レイラったら、私のリンクを解けなくても凄いパワーを被(かぶ)せてくる。うーん、負けないから!」


 リビング中に姉妹のパワーが感じられる。

暖炉のフォトフレームや、柱に下げてある飾り物が震え始めている。

窓際のガムの髪が揺れ始め、姉妹の髪色は変わり始めている。

壁に掛けられた彼女達の短剣のストーンも輝きを増している。

食器棚にある食器類が揺れ始めたところで、ミランダが止めに入った。


 「ストーップストップー。2人共、凄いパワーね。これ以上ここで続けたら家が崩壊しそうよ。」

「えぇ。レイラ、ライラ。上出来ですよ。もう最上級へはそう遠くないでしょう。もっと鍛練すれば、すぐに最上級のリンクを覚醒出来ますね。」

「今後のリンクフルの鍛練は外でやりましょう。家が潰れては困るもの。……さて次はシンクロよ。ガム、お願いね。」

「かしこまりましたミランダ様。今日も岩山に上がってシンクロを教授するとします。」


 バリスタン山、いつもの岩山に上がる途中のガムと姉妹。遠くにはグアムスタン山の白い雲が見えている。


 「さて、2人のシンクロを上達させるにはどうしようか……。」


 少し離れて歩いていた姉妹はガムの脳裏にリンクしていた。


 「ねぇライラ。ガムさんシンクロで悩んでる。」

「うん。私達、シンクロをどうやって上達させる?」

「そうね。お互いにシンクロして身体を操ったり?」

「もーライラー。あんたそれで服を脱がせたりするつもりでしょー。それだけはやめてよね。」

「へへ。バレてた?」


 リンクしながら話す2人。

そのまま3人はいつもの岩山に足を運んだ。

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