第22話 Chapter(章) 20

 食事前に姉妹はリンクの掛け合い。目を閉じうつむいている姉妹。

 お互いリンクを振り払われず、かつパワーが徐々に増幅されている。


 ガムは窓際に椅子を置き、座って姉妹のパワーを感じていた。

 ミランダもガムと同じで、キッチンに居ながらパワーを感じ取っている。


 姉妹の髪の色が次第に変わり始めた。

揺らぎ始める髪。すると髪が輝きを持つ様になった。


 姉妹のパワーはかなり高い所にある様だった。それは彼女達の髪が揺らぎながら輝きを放っている事で見た目からもパワーを感じ取れた。


 キッチンからミランダが食器の乗ったトレーを運んできたが、姉妹は動じない。しかもテーブルに、ムーブで食器を並べるミランダだったが、この時も姉妹はリンクに集中している。


 ミランダとガムは顔を合わせると微笑みあった。


 ガムは姉妹の向かいのテーブルに、椅子を移動し腰掛けたが、やはりこれにも姉妹は動じない。


 ミランダがキッチンから、スープやパンのバスケットをムーブで動かして、テーブルに置いた。スープのとても良い香りが漂う。

普段なら真っ先に食事にコメントするレイラだが、これにも全く動じていない様子。


 姉妹の髪色が変わって、上下に揺らぎながら輝きを失わない。壁に掛けられた彼女達の短剣のストーンも輝き出した。


 ミランダは、姉妹のパワーに同調させながらリンクを掛けた。

「2人共、良くやったわ。素晴らしいリンクの強さね。リンクフルを覚醒したわ。もうやめてよし!」

「2人共すごいパワーでしたよ。もうリンクフルを覚醒するとは、ビックリです。」


「まだまだパワーは上げられる。ねぇママ、本当に覚醒出来たの?信じられないわ。」

「レイラのパワー、凄かったけど私もまだまだパワーは上げられるわ。リンクフルを覚醒出来たのママ?」

「2人共落ち着きなさい。今、ママの記憶をシンクロさせて2人の姿を見せてあげる。」


 ミランダは姉妹の脳裏にシンクロさせて記憶の映像を送った。

それはガムがテーブルに移動した辺りからの一部始終が姉妹に伝えられた。彼女達は驚きを隠せない。2人共他人を見ている様だった。徐々に姉妹の瞳が輝き、涙が溢れた。


 「魔術を使う自分を見るのは初めて。ライラの様子も目を閉じていたから分からなかったわ。」

「私も。目を閉じて続けてたからレイラの様子が分からないでいたわ。なんか2人共別人の様ねママ。」

「短剣のストーンも輝いてた。そのパワーは覚えてる?その強さがリンクフルの最小パワー。明日は2人共目を閉じないでやる事ね。先ずはストーンが輝き始めるパワーを覚えなさい。」

「ミランダ様のおっしゃっていた通り、上達が早い。これならシンクロもすぐに覚醒出来ますね。2人共、素晴らしいですよ。」


 「ガムさんの教え方が理解しやすいから、楽に術式に没頭出来ました。」

「いや、レイラがすぐ理解出来たのは、素質が有るから。ライラも同じだよ。さすがガイラ様とミランダ様の血筋ですね。」


 「さあさあ、スープが冷めるわ。食事にしましょう。」


 壁に掛けられた短剣のストーンの輝きは無くなり、姉妹の髪色も元に戻っていた。

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