第21話 Chapter(章) 19

 段々と陽が傾き始めていた。


 まだ3人は座ったまま意識を探っては掴む。

「定期的にリンクの強さをコントロールする。意識を掴まれていたのがなんとなく分かってきたわ。」

「レイラはもう少し。ライラ、君は定期的にリンクの強さをコントロールするタイミングが開きすぎるね。もう少し間隔をせばめてやってごらん。意識を掴まれていたのが分かったら、リンクの強さを上げて、相手の意識に覆い被せる様に。」


 ガムの的確な説明は、姉妹の理解を深めていった。


 「今度は、相手の意識を掴んだままキープ。相手はリンクの強さを上げて振り払おうとする。それを更に振り払えない様にパワーを上げる。自分の掴まれた意識にも同じ事をする。これを繰り返して次第にリンクのパワーコントロールが身に付くんだ。強さの限界点を超える事が出来た時、リンクフルが覚醒して、更にパワーを上げられる様になってくる。2人の意識の掴み合いという感覚かな。さ、僕は2人のリンクの強さだけ感じていよう。」


 レイラとライラは離れて向き合った。


 先ずは相手に悟られない様に意識を掴む。次に定期的にリンクの強さを上げて、意識を掴まれている強さに自分のリンクを覆い被せる。

 最初はどちらかが振り払われてしまい、やり直し。

これをかなり繰り返した。


 もうかなり陽が傾いていた。3人の長い影が遠くの岩まで伸びている。


 「自分の掴まれた意識にリンクの強さを上げて振り払おうとしながら、相手の意識を掴んだままキープし続けるのが大変だろう。今日はこの辺にして山を降りようか。」


 ガイラ邸のリビングでは、姉妹がしきりにメモしている。


 「今日はリンクだけを続けてましたが、リンクのパワーは徐々に上がってますミランダ様。」

「まだ時間はかかりそうね。……2人共疲れてない?」

「大丈夫よママ。リンクのパワーはまだ上げられそう。」

「ライラはどう?疲れてないの?」

「私も大丈夫よママ。」

「では食事の支度が出来るまで、向き合って練習していなさい。ママも2人のリンクの強さを感じているから。」

「僕もそうしましょう。さ、2人共頑張って。」


 姉妹は椅子に座ったまま向き合い、リンクの掛け合いを始めた。

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