第27話

そしてついにある日、彼は私の部屋に来ることはなかった。私は不安になりつつも、彼の部屋を訪ねたのだが、そこには誰もおらず静まり返っていたのである。

それからというもの、私も舞踏会やら騎士団員の養成やらで忙しく、上手く時間が作れなかった。そんなある日のこと、私は再びルシアンと一緒に過ごす時間を取ることができた。久しぶりに彼とゆっくり話すことができて嬉しかったのだが、彼の様子は少しおかしかったのである。「レイラ.........最近何か変わったことはないかい?」彼は、そう尋ねた。「いえ、特にありませんが」私は不思議に思いながら答えたが、ルシアンは少し考え込むような仕草を見せた後に口を開いたのだ。

「実はね、最近私の周りでおかしなことが起こっているんだ..........」

そして彼は話し始めたのである……!それはルシアンの身の周りに起こる不可解な出来事についてであった!

毎晩見る夢、そして部屋を訪れる何者かの存在……それらは日に日にエスカレートしていき、今では恐ろしいほどになってきていたのである。

私はその話を聞いて絶句してしまっていた……まさか彼がそんな目にあっているとは思いもしなかったからである。「ルシアン……」私が不安げな表情で見つめていると彼は微笑んだのだ。「大丈夫だよ、レイラ……君が心配することは何もないよ」そう言って私の手を握るとそっと口付けをしたのだった……!

それからというもの私は毎日のように彼の元を訪ねるようになったのだが、私が部屋を訪ねると彼は必ずと言っていいほど、ある女性の名前を口にするようになったのだ。その女性は一体誰なのか?私は気になって仕方がなかった。しかしルシアンは私の質問に答えようとはせず、ただ曖昧な笑みを浮かべるだけだったのだ……

私は心配になりつつも、彼の元に通い続ける日々が続いた…… そんなある日のこと、私は再びルシアンの部屋を訪れていた。いつものようにお茶を飲んで楽しく会話をしていると突然彼が口を開いたのである……!

「そうだ、最近レイラは私が渡したネックレスをつけていないけれど、どうしたんだい?」

と彼は尋ねた。私は一瞬ドキッとしたが、平静を装って答えた。「ええ、実は以前ギルバードさんの屋敷で壊れてしまって..........まるで守ってくれていたみたいです。

でも大丈夫ですよ、私も探してみているので!」そう答えるとルシアンは少し悲しそうな表情を浮かべて呟いたのだ……

「そうか..........、それは残念だね」そして彼は、再び黙り込んでしまったのである。

その日から私は彼の部屋に訪れるのをやめることにしたのである。これ以上彼を苦しめるわけにはいかないと思ったからだ。

それからというもの、ルシアンからは不思議さを感じたが、休みに外に連れ出してみると元気そうにしてくれたので、少しほっとしていた。

そんなある日のこと、ルシアンが突然私の部屋にやって来たのである。

「レイラ……君に伝えたいことがあるんだ。」と真剣な表情で言われ、私は思わず緊張してしまったが、彼はゆっくりと話し始めたのだ。「私は君と一緒にいたいと思っているし、これからもずっと一緒に居たいと思っているんだ……」しかし……その瞬間! バチンッと音がして屋敷の電気が全て消えてしまったのだ。

私は恐怖で怯えていると、彼は優しく微笑んでくれた。

「大丈夫だよ、レイラ……何があっても私が守るから」そして私たちは暗闇の中で身を寄せ合ったのである……

何が起こったのかわからないまま呆然としていると、彼はまた話し始めたのだ。「君には感謝しているんだ。本当にありがとう.........」

その声を聞いた瞬間、私は理解した。彼が必死に涙を我慢しているということを!

その後、気がつくと私はベッドの上にいた。周りを見回すと誰もいないことに気づく。「ルシアンはどこに行ったんだろう……?」私は不安な気持ちを抑えながら立ち上がると、部屋を出ることにしたのだ。

すると突然後ろから声をかけられたのである……!「どうしましたか、レイラさん!」驚いて振り向くと、そこにはアドニスの姿があったのだ。彼は微笑みながら近づいてきた。

彼は私の顔を覗き込みながら呟いた。「なんだか顔色が悪そうです、大丈夫ですか?」

私は戸惑いつつも答えた。「実はらルシアンがいないんです。どこに行ったかご存知ですか?」すると、彼は考え込んだ後に言ったのである……

「そうですね.........、俺も見かけていないので憶測になりますが、多分ダンスをしているんじゃないですか?ほら、今日は舞踏会の日ですし」と彼は微笑みながら言ったのだ。

私は納得してお礼を言ってから、その場を後にしたのだった……

しかし、舞踏会が始まってもルシアンの姿は見えなかったのである!私は心配になりつつも、彼の姿を探し続けたのだが、一向に見つからなかったのだ。

そして、とうとう最後の曲になってしまった時である……!

突然背後に人の気配を感じた私は驚いて振り返るとそこにはルシアンが立っていたのである……!

「レイラ、踊ろう!」と彼は微笑みながら手を差し出してくれた。

私は嬉しさのあまり泣きそうになりながらその手を取ると、二人で踊り始めた。その光景はまるで夢のようでとても幸せだった……しかし曲が終わると同時にルシアンに腕を引っ張られ、私たちは舞踏会を抜け出し二人だけの時間を過ごすことになったのだ……「レイラ、ごめんね。今まで隠していて……」そう言って彼は私の手を握りながら話し始めたのだ……「実は私には不思議な力があるんだよ。

その力は、私が触れたものや人の記憶を読み取ることができるんだ。だから私は君の心を読むことができるし、君の過去を知ることができたんだよ」

そして彼は語り始めた……「君は昔、ある男性に恋をしていたね?その男性は君に対してとても優しくしてくれたんだろう?」と彼は微笑みながら尋ねたのだ……

私は驚きつつも答えた。「どうしてそれを知っているの……?」すると彼は悲しげな表情を浮かべながら続けたのだ……「実はね、君がその男性と初めて出会ったのは、私がまだ幼い頃のことなんだよ。だから中々思い出せなかったけれど、そして君と彼は恋に落ちた。しかし...........」そこで言葉を切った後、彼は何かを躊躇っている様子だったが、やがて意を決して話し始めた。

「私は君が恋をしていた相手を知っていたんだよ。ほら、騎士団にいた人に似ているような。アドニス君だっけ」

信じられない気持ちでいっぱいだったのだが、同時に納得している自分もいたのだ……確かに言われてみれば思い当たる節があったのである!「........言われてみれば、初恋のお相手に雰囲気が似ているような気がしますが、私は今でもルシアンがお好きですよ」

私は微笑みながら言ったのだが、彼は少し困惑した様子で話し始めたのだ……「でも私は君の初恋の人じゃないんだよ。」

その言葉を聞いてもなお私は彼を愛していたのだ……!「それでも構いません!あなたの側に居られるのなら、それで良いのです!」と伝えると、彼は涙を流しながら私を抱きしめてくれたのである……

それからというもの、私たちは時間がある限り一緒にいるようになった。

夜になると彼の部屋に行き、朝まで楽しい話を語り合う日々が続いたのである。

「ルシアン、最近顔色が良くなりましたね」

と私が笑顔で話しかけた。彼は微笑みながら答えたのだ……

「ああ、おかげさまで体調も良くなって元気になったよ」という彼の言葉を聞いた私はとても嬉しかった。彼が元気になったのも、きっとあの舞踏会の日に誤解が解けたからだろうと思ったのだ……

ある日、ルシアンが突然言い出したのである!「レイラ!一緒に街へ出かけよう!」私は喜んで了承したのだが.........しかし、問題もあったのだ!

「でも、ルシアン。街へ行くには馬車が必要ですよね?国王陛下に外出許可を頂かないと……」

不安な気持ちでそう伝えると、彼は微笑んで言ったのである……「心配しなくてもいいさ!ほら!」そう言って彼が指差す方向には馬に乗ったラルフの姿があったのだ!

「ラルフ!?どうしてここに?」私が驚いていると、彼は優しく微笑んで言ったのである……

「実はね、僕が頼んだんだよ。レイラと一緒に街を歩きたいんだけどって」その言葉を聞いた瞬間、私は胸が高鳴った。まさかラルフが私たちのために手を回してくれていたなんて……

そして私たちは二人で街へ出かけたのだ……色々な場所を回り、楽しい時間を過ごした。しかし一つだけ気がかりなことがあったのだ……それはルシアンが時折暗い表情を浮かべていることだった!

「ルシアン、何か悩み事でもあるんですか?」私が尋ねると彼は静かに答えたのである……

「実は最近夢を見るんだ……」と彼が呟いた時、私は思わず息をのんでしまった。

「どんな夢ですか?」私が尋ねると、彼は悲しげな表情を浮かべながら言った。「夢の中で私は水に浮いているんだ。

しかもずっと。」

それを聞いて私はとても不安になったが、同時にルシアンが心配でならなかったのである……

その夜のことだった!突然ドアをノックする音が鳴り響くと、ラルフが入ってきたのだ!「レイラ!急いでお逃げください!」そう言って彼は私の手を強く握りながら走り出したのである……! 突然のことに驚きながらも必死に走ったのだが、すぐに追いつかれてしまった…そして私たちは意識を手放してしまったのである。

気がつくと私はベッドの上で横になっていた。周りを見回すと見覚えのある部屋だった。ここはルシアンの部屋だったのだ……!どうやら気を失っていたようだ。急いで起き上がろうとすると、隣に誰かがいることに気づいたのである! それはルシアンだった……彼は目を閉じ、静かに横たわっていたのだ。そして彼の腕を見ると血塗られており、意識が朦朧としていた私はパニックに陥ってしまった……「ルシアン!起きてください!目を覚まして!」と叫び続けたのだが一向に目覚めなかったのである……! その後、私は必死に助けを求めた。すると、アドニスが部屋に入ってきたのである!

「レイラさん!大丈夫ですか!?」彼は心配そうな表情を浮かべながら私の元へ駆け寄ってきたのだ。「アドニス、なんでここに.........?今、どうなっているの?」私が尋ねると、彼は真剣か眼差しで答えた。「あの夜、王宮内に刺客が現れたと聞きつけ、ラルフはルシアン殿下とレイラさんを連れてここに逃げてきたのですが、ルシアン殿下は途中怪我を負ってしまって............俺が迎えに来たので、もう大丈夫ですよ」

そして医者に診せようと言いながら、ひょいとルシアンを持ち上げて、そのまま医者のいる場所に連れて行ってくれたのだ。そのまま合流したラルフは私を安心させるためか、ずっとそばにいてくれた。その優しさに胸がいっぱいだった……

治療の後、ルシアンはすぐに目を覚ましたのである。「ルシアン!良かった.........!」私は思わず抱きついたが、彼は少し驚いた様子だった。「レイラ?どうして君がここに.........?」と、彼は不思議そうに尋ねたのだ。

そして事情を説明すると、ルシアンはお礼を言いながらリハビリを続けていた。

その後私たちは、アドニスの助けもありながら無事に屋敷に戻ることができたのである。しかし、まだ問題は残っていた。

刺客に襲われた時に怪我を負ったルシアンの傷跡は、残ってしまうことになったのだ。私はとても心配していたが、彼はその傷跡を見るたびに私を思い出すかもしれないからと笑ったのである。

そして刺客は、なんと仲があまり良くないと言われているレーベン国からの者だということが、判明した。

私はルシアンの傷を見た時に、レーベン国に追放されたあの人を思い出していた。もしかしたら彼が関わっているのかもしれないと思った私は、アドニスと共に彼を訪ねることに決めたのである。

「ルシアン、本当に大丈夫ですか?」私は心配になって尋ねたのだが……彼は優しく微笑んで答えてくれたのである。「大丈夫だよ、レイラ」そう言って彼は、見送ってくれたのだ。

私は、ラルフに頼んで自分の馬車を出してもらい、レーベン国の国境に向かうことにした。ルシアンも心配していたが、必ず無事に戻ってくることを約束して送り出してくれた。

国境に着くと、早速私は情報を集めることにした。民が情報を持っているかもしれないと思ったのである。しかし結果は空振りだった……

途方に暮れながら歩いていると、一人の老婆に声をかけられたのだ!「お前さんは一体何者なんだい?」その女性は訝しげな表情を浮かべながら私に問いかけてきたのだ。

私は、素直に自分がここに来た理由を説明することにした。すると、彼女は驚いた表情を浮かべた後で、微笑んだのである。「なるほどねぇ〜それでわざわざここまで来たのかい?ご苦労なこったねぇ.........」そう言って、彼女は考えるような素振りを見せたあと、私に一つの情報を教えてくれたのだ!

「実はね、最近この辺りで行方不明になる事件が相次いで起こってるのよ........もしかしたらその話と同じ人の仕業かもしれないのだよ。だから、気をつけてちょうだいな!」

その話を聞いた私は、早速再び調査を始めることにした。

すると、一人の少年に出会ったのだ。彼はなにかを探しているような姿を見せていたのだが、私に話しかけてきたのである!「ねぇお姉さん、この辺で男の人を見ませんでしたか?僕のお父さんなんだ……」と心配そうな顔で尋ねてきたのである。私が見かけたと答えると安心して立ち去ったのだが、その直後に彼の父親と名乗る男性が現れて彼を呼び止めたのだ! どうやら彼は少年の父親で、探し物をしていて少年に手伝ってもらっていたらしいのだ。無事に会えて良かったと心の底から安心して、お礼を言う2人にお辞儀をしたその後も、私はまだ諦めずに調査を続けることにしたのである。そしてついに有力な情報を手に入れることができたのだ!それはある商人が、レーベン国の貴族と取引をしているというものであった……

急いで私は、ラルフやアドニスと共にその商人の店へと向かった。店主は最初は警戒していたが、私がルシアンの使いだと伝えると態度が一変したのだ!「ルシアン王太子殿下からは、なんと聞いているのですか?」と私に尋ねてきたのである。そこで私は正直にすべてを話したのだ!すると彼はとても驚いた様子であったが、その後すぐに納得してくれたのである……

「なるほど、それでここにいらっしゃったのですね。........わかりました、お話をします。では、ご案内しましょう。」そう言って彼は、私たちをある部屋へと通してくれたのである。

しんとした静寂に包まれた部屋の中で、彼は重い口を開いた。

「実は、貴族の間での噂なのですが.........。

そちらのアムール国とこの国は、戦争になるかもしれないと仰っていたのです。」

そう言って、彼は話し始めた。

「私は、子供の頃にこの国で育ちました。そのため戦争を経験したことはありませんが、当時の雰囲気は今でも覚えているのです……」と前置きをしてから彼は語り始めたのである……

「昔、アムール国とレーベン国との間には一つの戦争がありました。その際、多くの血が流れたそうです……その戦争では多くの犠牲者が出たと聞いています。」と彼が話すと、アドニスが口を開いたのだ。「それは本当ですか?!もし本当のことなら.........まず、なぜそのようなことになったのですか?」彼が尋ねると、彼は静かに語り始めたのである……

「実は、昔アムール国の貴族がレーベン国の姫に恋をしたことがきっかけで、起きた戦争なんです。彼は、姫を自分のものにしたいと考えていたようですが、姫はそれを拒み続けていました。しかしある日、彼が突然この国に来て.........とうとう姫は、王子の愛を受け入れてしまったのです!この事がきっかけとなり、アムール国とレーベン国で戦争が起きたと言われています。」彼の語った内容は、衝撃的なものだった。まさか過去にそんな事があっただなんて.........。

私が驚いていると、アドニスは納得したように頷いていた。「なるほど、そういう事があったんですね。確かにあってもおかしくはないです。」と彼が言うと、商人もまた首を縦に振っていたのである……「それで、今回の戦争の原因ってなんなのでしょうか?」私が尋ねると、彼は深刻そうな表情を浮かべて話し始めたのだ……

「アムール国の貴族が姫に好意を寄せたのは本当です。しかしその後に起こった事はあくまでも噂でしかありません……」

そう言って、彼は語り始めたのである……

「実はその当時、アムール国の貴族は、レーベン国を侵略するために密かに準備を進めていたのです。そしてある日ついに行動を起こしたため、両国に対立が起きたようでした。まだまだ両国同士、恨みを持つ者も少なくありません。」

そう言うと彼は、話を続けたのである……

「アムール国の貴族は、レーベン国を侵略するために自分の味方をする者たちを集めていました。その数は数万人とも言われていますが……その中にはもちろん、敵国側の者も含まれていました。彼らは密かに連絡を取り合っており、ある日ついに行動を起こしたのです!それはある夜の出来事でした……」と彼が言うと、突然ラルフが口を開いたのである……「その時に一体何があったのですか?」

興味津々に尋ねる彼に、商人は驚いた様子を見せつつも続きを話し始めたのである。「実は夜になると、ある男がレーベン国の国境近くの森を訪れていたんです。彼はそこでキャンプをする予定だったのですが、そこから戦争を仕掛けたようで。」

「しかし、国境を越えるのはそう簡単ではありませんが、いったいどうやって国境を越えたのでしょうか?」とラルフが尋ねると、商人は答えたのである。

「彼はレーベン国の国境近くで一人の老人に出会ったのです。その老人は、彼に親切にしてくれました。そして彼に言ったのです……『私が協力するから安心していい。ちょうど戦争を起こそうと思っている人たちがいるんだよ!』そう言って彼は兵隊を集め始めたんです」と彼が話すと、アドニスが口を開いたのである。

「なるほど、そのような事があったんですね」私はさらに話を聞き続けた……

アドニスも真剣な眼差しで話を聞き入っていた。「その後、彼はレーベン国との国境近くまで攻め込みましたが、そこで多くの犠牲者が出ました。」「その時の事を詳しく教えていただけますか?」と彼が尋ねると、商人は答えたのである……

「もちろんでございます。その時何があったのかというと……実はそこには一人の兵士がいたんです!彼はレーベン国の兵士に変装して攻め込んできたアムール軍の兵士でした。そのことが、後の歴史として語り継がれている両国の戦争でした。」

私は、今聞いた話を未だに信じることができなかった。

まさかそのような事があったとは……そしてまた新たな疑問が生まれたのである。「なぜ、アムール国の貴族がレーベン国を侵略しようとしていたのでしょうか?得はありませんのに」と私が尋ねると、彼は答えたのである……「それは分かりませんが、何かしらの理由があることは間違いないでしょう」

私は納得しつつも考えることがあった。もし私が下手に動けば、またその時のように戦争が起こってしまうのだろうか.........。

私は悩んだ末に、商人にある提案をすることにしたのだ。「もしよろしければですが、この情報を教えてくださったお礼として何か差し上げたいと思っています。何か欲しい物はありますか?」

彼は少し驚いた様子を見せたが、その後すぐに笑って答えたのである。「そうですね……実はこの国には宝石があまり出回っておらず……いただければとてもありがたいのですが……」と彼が話すと、ラルフも口を開いたのだ。「それならお任せください」と言って彼と共に宝石の鑑定を始めたのだ……そして私達は無事に宝石を贈ることに成功したのである! 次の日になり、私たちはレーベン国の国境を越える準備をしていた。私は商人に感謝の言葉を伝え、別れを告げたのだった。

その夜、私は眠れずに窓の外を眺めていた。すると突然、夜空に光が放たれたのである。まるで天からの祝福のように美しく輝いている光景に私は目を奪われていた。

翌日になり、私たちはレーベン国の王都へと到着した。しかしそこで待っていたのは、予想外の出来事だった……なんと王都が襲撃されたというのだ!急いで駆けつけると、そこには多くの民たちが倒れていたのである。一体何が起こっているのだろうか?不安になりながらも私は情報を集めることにしたのだった……

「これは一体どういうことなの!?」私が叫ぶと、街の人々は答えたのである……「実は昨日から、平民が貴族を襲っているという噂が広まっていたんです。そして今日になって、ついに事件が起きたようです」とのことだった! 私はすぐに行動を起こした。まずは状況を把握しなければならないと考えたのだ。しかしその時、街の中で一人の男に出会ったのである……それはなんと昨日お話した商人だった!彼は私たちを見ると、ホッとした表情を浮かべながら話しかけてきたのだった。

「良かった、まだこの国にいらっしゃったんですね!ご無事で何よりです!」彼の話す内容によると、どうやら彼は隣国の情報を得て違う国に移動しようとしていたらしい。しかし国境付近が封鎖されていたため、なかなか出られなかったそうだ。

「あなたは一体どこへ向かおうとしているの?」と私が尋ねると、彼は答えたのである。「実は私、宝石の商人を生業にしているんですがね。どうやら最近この辺りで盗賊団が出没しているという噂を聞きまして........」と答えたのだ! 私はそれを聞いて、納得した。なるほど、それで彼は違う国に行こうとしていたんだな、と考えたのである! その後私たちは、共に行動することとなったのだった……

商人が言うには、盗賊団が狙っている宝石は、レーベン国の貴族が持っているとのこと!私達の目的は、戦争ではなく平和のためにその宝石を取り返すことだ!そしてついに私たちは、その貴族がいる屋敷へと辿り着いたのである……

「どうやらここが貴族の屋敷らしいな」とアドニスが言う。すると商人は頷きながら言った……「そうですね、この中にあるはずです。では早速中に入りましょう!」

そう言って私達は中に入った。しかしそこには誰もいなかったのである……

私は、不思議に思って尋ねたのだ。すると商人は答えたのである……

「どうやら彼らは逃げてしまったのでしょうか」と……

私は落胆しつつ、これからどうしようかと考えていると、突然商人が口を開いたのである……

「盗賊団と言い、なんだか最近は恐ろしいことばかりです。」

と彼が言うと、私もそれに同意した。

「そうですね、早く解決できるといいのですが……」そう私が言った時だった!突然どこからか足音が聞こえたのだ!私達は警戒しながら身構えた。するとそこに現れたのは、なんといかにも盗賊のような装いの男たちだった。

「宝石を取り返しに来た奴らか?悪いがこの宝石は渡せねえぜ!」彼はそう言うと、剣を構えながら襲いかかってきたのである!

私は慌てて、魔法を唱えた。そして彼らの攻撃をかわすと、そのまま反撃に出たのだ!

しかし、私の攻撃は全てかわされてしまったのである.........。

私は驚きながらも、再び魔法を放った。しかしそれもまた避けられてしまった!

「なかなかやるじゃねえか」と、彼は笑いながら言った。そして、さらに攻撃を仕掛けてくる。私は必死に避けながら反撃のチャンスをうかがっていた.........その時だった!

突然彼の後ろから別の男が現れたのである!彼は盗賊団のボスだったらしく、その攻撃によって商人は倒されてしまったのである!

「おい、大丈夫か!?」とラルフが駆け寄ると、商人は意識を失っていた。

私は怒りに震えながらも、攻撃を続けた。しかし再びかわされてしまったのである! そしてとうとう追い詰められてしまった。

私は窮地に立たされた。どうすることもできないまま、時間だけが過ぎていった..........そんな時だった!突然盗賊団のボスが口を開いたのだ!

「おい、君たちは一体何を企んでいるんだ?なぜ宝石を奪おうとする?」と彼が言うと、アドニスは答えたのである。

「俺たちは、アムール国からやってきたんだ。この宝石はレーベン国の商人に渡したから、取り返すためにやって来たんだ!」すると、盗賊団のボスは驚いた様子を見せた。しかし、すぐに納得してくれたようだ。「そうか、そういうことだったのか..........」と彼は呟くように言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る