第26話

彼はそう言いながらも、警戒しているようだ。

その後しばらく沈黙が続いたのだが、突然ギルバードさんが口を開いた。「また夜に、皆で屋敷内を探索してみよう。今晩は泊まっていけるか?」

私は頷くと、リリアナさんの方を見た。彼女も賛成のようだ。そして、ラルフが口を開いた。「なら、今晩はここに泊まらせてもらおう。よろしく頼む。」

こうして私たちは、ギルバードさんのお屋敷に泊まることになったのだった..........。


その夜、私たちは再び屋敷を探索することにしたのだが、やはり何も見つからなかった。前回と同様だと感じながら一つ一つ部屋を調べていくと、寝室のクローゼットに突っかかりがあった。

なんだろうと思い勢いよく開けて中を探すと、黒い手帳が見つかった。そこには、びっしりと文字が書かれており、その内容を読んでいくうちに背筋が凍りつくような感覚に襲われたのだ.........それは恨み言のようなものだった。「この手帳は一体?」私が呟くと、それを見たラルフが肩を揺らして口を開いた。

「..........これはなんだ、気味が悪い。とりあえずクレイヴン公爵に心当たりが無いか見せに行こう。」

私たちは、急いでギルバードさんの元へ向かったのだった.........。


ギルバードさんは、私たちの顔を見るなり驚いたような表情を浮かべていた。

「一体どうしたんだ?」彼はそう言うと、私たちに説明を求めるように視線を向けてきた。

私は恐る恐る黒い手帳を彼に手渡すと、彼は中身に目を通した。そして読み終わると同時に、口を開いた。

「これは私の筆跡ではないな.........」彼は険しい表情で呟いた後、考え込んでしまったのだ。

そんな中、突然ドアがノックされた!私たちは驚きながらも返事をすると、そこにはリリアナさんが立っていた。「あの、突然すみません。誰かこのお屋敷の鍵はかけられましたか?」顔を見合わせたが、皆ふるふると首を横に振った。

「実は、いつの間にか鍵がかけられていたみたいなんです........完全に閉められていて、外に出ようとしても開かなくて.........」リリアナさんの言葉に私たちは再び顔を見合わせた。

すると、ラルフは口を開いた。「わかった、とりあえずメイドを呼んで確認してみよう」

こうして私たちは、メイドの元へ向かうことにしたのだった。


メイドの元へ向かった私たちが事情を説明すると、彼女は困惑した表情を浮かべていた。「鍵が勝手に閉まるなんて、聞いたことがないのですが.........」そう言いながらも、鍵を探してくれることになったのだが、結局見つからずに終わってしまったのだ。その後、私たちは寝室へと向かったのだが、やはり何も見つからなかったのである。


そして次の日のこと、私たちは屋敷中を調べ尽くしたのだが、何も見つからなかった。ただ、黒い手帳だけが不気味な存在感を放っていたのだ..........。

「一体、誰がこんなことをしているんだ」ラルフは苛立ちを隠すことなく、吐き捨てるように言った。リリアナさんと私は、不安そうな表情を浮かべながら顔を見合わせたのだった。

その後、私たちはギルバードさんの元を訪れ、昨日起こった出来事について話し合うことにした。ギルバードさんは、驚きを隠せない様子で話を聞いていたのだが、やがて口を開いた。「なるほど、ではやはり私の屋敷に、何か異変が起きていると考えて間違いないようだな.........」彼は深いため息をつくと、再び話し始めた。

「とにかく君たちを無事に帰したいけれど、生憎今は鍵がかかって出られない状態だ。引き続き、屋敷内を探索してなんとか出られる手がかりを見つけ出そう。」

こうして私たちは、屋敷内の探索を再開したのである。


まず最初に入った部屋は、書斎だった。机の上には本や紙が置かれており、インクとペンが置かれていた。リリアナさんが机に近づくと、彼女はおもむろに口を開いた。「あら、このノート.........文字が書かれていますわ」リリアナさんが手に取ったのは、一冊のノートだった。

そこには『日記』という単語が、書かれていたのだ。

どうやら、これは誰かの日記のようだ。

私は思わず息を呑むと、他のページを捲ったのだが、誰が書いたものかわからなかった........。

すると、リリアナさんが口を開いた。「どうやらこの日記は、持ち主が亡くなる前につけ始めたもののようですね」

彼女は、神妙な面持ちで言った。

私はその日記を手に取ると、パラパラとめくり始めたのだ。そこには、日々の出来事や感じたことが綴られていた。

しかし、最後のページまできたとき、突然文字が消えてしまっていたのである.........これはどういうことなのだろう?私が首を傾げていると、ラルフが声をかけてきた。「どうした?何か見つけたのか?」彼の言葉に、私は慌てて首を縦に振ったのだった。

日記をラルフに預けて、私たちはその後探索を続けたのだが、特に変わったものは見つからなかった。

「結局何も見つからないまま、終わってしまったか.........」ラルフは残念そうに呟いた。

しかし、その時だった!突然部屋のドアが開き、メイドが姿を現したのだ!彼女は焦った様子で、口を開いた。「大変です、皆さん!」彼女は慌てふためいた口調で話し始めた。

「実は、先ほどからギルバード様の様態が良くなくて........とにかく来てください!」

私たちは顔を見合わせると、急いでギルバードさんのいる部屋に向かったのだった。


部屋に着くと、彼はベッドの上で横になっていた。しかし様子がおかしくて、真っ青な顔であった。 リリアナさんと私が駆け寄ろうとしたその時、ラルフが制止した。「待て、様子がおかしい。クレイヴン公爵、大丈夫ですか?」すると、ギルバードさんはゆっくりと目を開けると口を開いた。「..........すまないが、水を持ってきてくれないか?喉が渇いて仕方がない」彼は、弱々しい声でそう言ったのだ。

一体どういうことだろう?私たちは、不思議に思いながらも、水を持ってこようと立ち上がった瞬間だった!どこからか、不気味な呻き声が漏れたのだ。私たちは驚きを隠せなかったが、ラルフは冷静に口を開いた。「これは........怪異だ!」彼はそう言うと、私たちに指示を出した。「とにかく今は、クレイヴン公爵をここから連れ出すんだ!」私たちは、急いで彼を連れて屋敷から出ようとしたのだが、案の定ドアは固く閉ざされていて、開く気配はなかった.........。

リリアナさんがドアノブに手をかけて回そうとしたのだが、鍵がかかっているようでびくともしない!すると、ラルフが口を開いた。「くそっ........どうにもできないのか」彼の言葉に、私たちは呆然と立ち尽くしてしまった。

しばらくしてハッと我に返った私は、リリアナさんの方を見たのだが、彼女も同じことを考えていたらしく目が合った。

そして私たちは頷き合うと、他の出口を探すことにしたのだった。

しかし、屋敷の中を探し回ったものの、一向に見つからずにいたその時だった。

突然、本棚がガタガタと音を立てて動き出したのだ!

そしてその中から、不気味な笑みを浮かべる魔物の姿が現れたではないか!「くそ、どこまでもしつこいやつだ」ラルフは舌打ちをすると、剣を抜いた。

ラルフはそのまま魔物に切りかかったのだが、魔物はそれをひらりとかわすと、私たちに向かって襲いかかってきたのだ。

間一髪のところで避けた私は、悲鳴を上げて逃げ出してしまった.........。しかし、ラルフは逃げることなく立ち向かった! 彼の剣さばきは、まるで踊っているかのように、軽やかで美しく見えたのだった。

そしてついに、決着がついたようだ。

魔物が、その場に倒れたのだった。

その後ラルフは、安堵の表情を浮かべながらこちらに戻ってきた。「大丈夫か?」彼は心配そうに尋ねてきたが、私はただ頷くことしかできなかった。

そして落ち着いた後、私たちはギルバードさんの様子を見にいくと、すっかり元気になっていたので私たちはホッと胸を撫で下ろしたのだった。

しかし、この出来事が私たちに何をもたらすのかは、まだ分からないままであった........。

「それにしても、先ほどの魔物はなんだったんでしょう?」私が尋ねると、ギルバードさんは口を開いた。「実は、最近この屋敷には何か得体のしれないものが、住み着いているかもしれないんだ」彼は、険しい表情を浮かべていた。

リリアナさんとラルフは、信じられないといった様子で顔を見合わせた後、ギルバードさんを見た。「そんなはずはありません!仮にそうだとしても、突然どうしてでしょうか?」リリアナさんは気が動転していてそう言うと、ギルバードさんは申し訳なさそうに俯いたのだ。

そして、ゆっくりと語り始めたのだった........。

屋敷内では、不思議な物音が聞こえるという噂が流れているのだという。

それはギルバードさんだけでなく、数人のメイドも聞いたのだとか。

そんな話を聞いた私は驚いてしまったものの、ラルフとリリアナさんは落ち着いていた。

そして、リリアナさんと私は、他の部屋も見て回ることにしたのだった。

屋敷を歩いていると、突然バタンという大きな音が響いてきた!慌てて音がした部屋に向かうと、そこはギルバードさんの寝室だった。ドアを開けて、中に入る前に耳を澄ませてみると、中から唸り声のようなものが聞こえてきたのだ........私たちは息をひそめて中に入っていった途端、信じられないことが起こっていたのである!

部屋の中の本が宙に浮いてはあちこちに飛び、テーブルの上の花瓶が次々に割れているではないか! その様子を見たリリアナさんは、悲鳴を上げて後ずさった。

すると、突然部屋の中央に黒い霧のようなものが漂い始めたかと思うと、不気味な笑い声が聞こえてきたのだ! そしてそれが晴れると、そこには人型をした黒い影のような存在が現れたのだった。

私は恐怖で、足が竦んでしまった.........。

悲鳴を聞きつけたのか、その時ラルフが私たちを守るように立ちはだかり剣を構えた。リリアナさんは恐怖のあまり床に座り込んで震えている。

一体どうすればいいのだろう?

私が焦り始めたその時、ラルフが叫んだ。「リリアナ!レイラ!逃げろ!早く!」彼はそう叫ぶと黒い影に立ち向かって行った。

しかし、黒い影は次々と姿を変え続けながら襲いかかってくるため、苦戦しているようだ。

このままではまずいと思った私は、リリアナさんを連れて逃げようとしたが、足が震えて動けずその場に座り込んでしまった.........恐怖で頭が真っ白になってしまい、何も考えることができない。

どうしたら良いのだろうか?

その時、突然声が聞こえたのである。「落ち着け」低く落ち着いたその声は、耳に心地よく響いたのだった。そして次の瞬間、目の前に眩い光が現れ、黒い霧を消し去ったのだ、

呆然としていた私は我に返ると、辺りを見回した。そこには、ラルフとリリアナさんが立っているだけで、黒い影は消え去っていたのだった。

何が起こったのだろう?

そんなことを思っていると、床に欠片が飛び散ってた。

それは、ルシアンから貰った大切なネックレスで、いつの日か「君を守ってくれるだろう」と彼に言われたものだった。

まさか、このネックレスが守ってくれたのだろうか?私は感謝の祈りを捧げたのだった.........。

その後、ラルフはリリアナさんを別室に連れて行き、休ませることになった。私たちは再び書斎に戻ることになったのだが、そこで信じられないものを目にしたのだった。なんと床に散乱していたはずの本が元通りに本棚に戻っていて、割れた花瓶も修復されていたのである。

まるで、最初から何も起こっていなかったかのような出来事だった。

私が驚いていると、ラルフは言った。「おそらく、ネックレスに宿っていた精霊が、助けてくれたのだろう」

彼は微笑みながら言った。

驚きつつも私は感謝した。「ありがとう」

そして私たちは、再び書斎を調べ始めたのだが、特に変わった物は無く、平和な時間が過ぎていったのである。

その後、私たちは疲れ果てて眠ってしまったようだ。

翌朝目を覚ますとギルバードさんの姿があり「よく眠れたか?」と声を掛けてきたのだ。

私たちはお礼を言い、朝食をいただくことになった。

夏野菜と魚のカルパッチョや、エッグベネディクトなど、美味しそうな料理が並ぶ中、リリアナさんはギルバードさんに話しかけた。「ところで、あの黒い影は一体なんだったのでしょうか?」すると、ギルバードさんは口を開いた。「あれはきっと悪魔や悪霊の類だろう........恐ろしい存在だ.........」彼はそう言うと、ため息をついたのだった。

朝食を終えた私たちは、早速玄関のドアを無事に開けることができた。

そして、ギルバードさんに手を振って屋敷を後にし、馬車に乗ることになった。

馬車に揺られながら窓の外を見ると、美しい景色が広がっているではないか! 私は感動して、思わず声を上げた。「うわぁ........とても綺麗!」私が目を輝かせていると、リリアナさんも頷いていた。

そしてしばらく景色に見とれていた。

すると、突然馬車が急停車したため、私たちは驚いて顔を見合わせた。「何かあったのか?」ラルフの言葉に、私は不安になった。しかし、次の瞬間には笑顔になっていたのである。なぜなら、御者さんがドアを開けて顔を覗かせたのだ!彼は笑顔で言った。「ご心配なさらず!あなた方は、無事に戻れますから!」

私たちは驚きながらも、安堵の表情を浮かべたのだった。

その後、リリアナさんと私は御者さんにお礼を言って馬車を降りた後、王宮を見上げた。

やっと久しぶりに帰って来れたのか........と思うと、ほっと安堵のため息をついたのだった。

そして、私たちは王宮の中へ入り、ルシアンに会うために王宮内にある彼専用の庭園へと向かった。

庭園に辿り着くと、ラルフはキョロキョロと辺りを見回し始めた。「どうしたの?」私が尋ねると彼は言った。「いや、ルシアン殿下の姿が見えないなと思って.........」しばし辺りを探すと、そこには1匹の猫の姿があったのである。

ラルフは、その猫に近づいて話しかけたのだが。なんとその猫は、突然話し出したのである!!

驚愕した私は、驚きのあまり口をあんぐり開けて固まってしまった。

「やあ、ラルフじゃないか!久しぶりだね!」猫はそう言うと、ラルフに飛びついたのだ! 猫が喋るというありえない光景に、私は目を疑った...........。私が呆然と立ち尽くしていると、猫は笑いながら自己紹介をしてくれたのである。「僕は、ルシアンに仕える使い魔だよ」と彼は言ったのだ。

その猫の話す声や仕草は、まさに私の知っているルシアンにそっくりだったのである。

私は混乱しながらも、なんとか口を開いたのだった。

「不思議な猫ね..........」

猫とラルフが会話をしている中で、私は目を丸くしていたが、ルシアンにそっくりな猫とラルフの様子を見て思わず微笑んでいた。

それから私たちは、ルシアンに会うために王宮内へ向かったのだった。

しばらく待っていると、ようやく待ち望んでいた人物が現れたのである。

彼は私たちを見ると、笑顔で駆け寄ってきたのだった。「2人とも無事だったんだね!良かった!」私は嬉しくて泣きながら、彼に抱きついたのであった.........。

すると彼も涙を浮かべながら私を抱き締めてくれたのだ。

私は、安心感と喜びに包まれていた。彼の温もりを感じながら、ルシアンの元に戻ってこれたことを心から喜んだのだった。

それから私たちは王宮の大広間へと向かったのである。玉座には、国王陛下の姿があったのだ!私は感動のあまり涙が出そうになった。

しかし、彼はなぜか悲しそうな表情を浮かべていたのだった..........一体どうしたんだろう?

と不思議に思った矢先、国王陛下は口を開いた。「よくぞ戻ったな、諸君」彼の声には威厳があり、その場にいる誰もが萎縮してしまった。

私は、ドキドキしながら彼の言葉を待っていた。

そしてついに、その口が開いた瞬間である!

「クレイヴン公爵家は昔から不思議な噂が流れていてな..........」

国王陛下が話し出した直後、私とリリアナさんは息をのんで彼の話に耳を傾けたのである。一体どんな話が飛び出すのだろうか?私は、ドキドキしながら彼の話に耳を傾けた。そして、衝撃的な事実を知ることになるのだった。

「実はクレイヴン公爵家には、魔物が取り憑いているという噂があるのだ」

国王陛下の言葉に、私たちは驚愕した!まさか、あの屋敷での出来事は夢ではなかったというのか?私は恐怖に怯えながらも必、死に口を開いたのである。

「そっ、そんな噂があったのですか?」

私は震える声で言った。

すると、国王陛下は「ああ、そうだ」と静かに答えた。

私は思わず黙り込んでしまったが、ラルフは真剣な表情で国王陛下を見つめながら言ったのである。「しかし、本当のことのようです。クレイヴン公爵家の屋敷では、実際に奇妙な現象が起こっていたのです。リリアナとレイラと共に、あの屋敷に迷い込んでしまったんです」そして彼は、私たちに起きた出来事を話し始めたのだ!彼が話し終えた後、しばらく沈黙が続いたが、やがて国王陛下が口を開いたのだった。

「なるほど、それは興味深い話であるな.........」彼はそう言うと、考え込むような仕草をした。

その後、私たちに向けてこう言ったのである。

「ご苦労であった。また何かあったら、クレイヴン公爵家を助けてあげてくれ。」

また、あのようなことが起きるのだろうか?そう思うと、恐ろしくて仕方がなかった。

だが同時に、疑問も浮かんでいたのである。「でも、どうして国王陛下がそのような情報をご存じなのでしょうか?」私は尋ねると、国王陛下は答えた。「それはだな、クレイヴン公爵家の先代の当主とは仲が良かったのだ。」

どうやら国王陛下は、クレイヴン公爵家の先代と親交があったらしい。

私は納得し、「そうなんですね」と頷いた。

そして私たちは、お辞儀をして大広間を後にした。

王宮を出るとラルフが口を開いた。「まだ信じられないけど、あの屋敷での出来事は事実のようだ。でもなぜ、クレイヴン公爵家には魔物が取り憑いているのだろう?」と疑問を口にしたのだ。すると私は答えた。「先代から続いているとか?それが魔物なのかはよくわからないけどね.........」

私たちは話し合いながら、各々部屋に着いたのである。


夏も終わりに近づいた頃、私はルシアンと一緒に近くの湖に涼む為に遊びに行くことになったのである!

楽しみだなぁと思いながら、当日まで準備を進めていた。

そしてついに、その日がやってきたのである!私はルシアンと共に馬車に乗り込み、湖へと向かったのだ。「楽しみだね!湖に行くのは久しぶりだから」私はわくわくしながら、彼に話しかけた。すると彼も、微笑み返してくれたのだ。

しばらくして、私たちは目的地である湖に到着したのだが、そこには既に多くの人が集まっていて賑わっていたのである。私たちはそれぞれ着替えた後、湖畔を散策することにした。「うわぁ〜!広いね!」私は思わず、感嘆の声を上げた。周囲には色とりどりの花が咲き乱れており、美しい景色が広がっているのである。私はドキドキしながらルシアンの手をぎゅっと握りしめていた。彼は、微笑みながら言った。「そうだね、でもレイラの方が綺麗だよ」

彼がそんな言葉をかけてくれるとは思わず、驚いてしまった。恥ずかしさと嬉しさが入り交じって、顔が真っ赤になってしまった。

それから私たちはバーベキューの用意をしている場所へと向かった。そこには既に多くの人々が集まっており、賑やかに談笑していたのである。私たちは、そこで大きな肉や魚介類などを堪能しながら、楽しんでいた。

「ルシアン、このお魚美味しいよ!」私が言うと、彼は微笑み食べながら言った。「本当だね!レイラが取ってきてくれたおかげだよ」

私はますます嬉しくなり、幸せを感じていたのだ。

その後、私たちは湖のほとりで寝そべりながらのんびりしていた時だった.........!水面に何か光るものがあったのである。あれは何だろう?不思議に思っているうちに、それは段々と遠のいていって.........

「あれっ」私は思わず、声を上げてしまった。目の前にあったはずの光が、消えてしまったからである。

「レイラ、どうした?」

不思議そうに、ルシアンが尋ねた。

私は、先ほどの光が消えた方向を指さしながら答えた。「向こうに何かあったんだけど、消えちゃった..........」

すると、彼も立ち上がって確認したのだが、やはり何も見つからなかったのである。私たちは不思議に思いながらも、その場を後にしたのだった。


それから数日後の夜、私はベッドの上でゴロゴロしていると、ドアを叩く音が聞こえてきたのである。驚いてそちらを見てドアを開けると、そこにはルシアンの姿があったのだ!彼は、微笑んで言った。「こんばんは、レイラ」

私は嬉しくなり、笑顔で彼を迎え入れたのであった。

そしてしばらく会話した後、彼は突然真剣な眼差しになり、私を見つめて言った。「レイラ、君に話したいことがあるんだ」

私は緊張して息をのんだ。一体どんな話なんだろう?と思っていると、ルシアンはゆっくりと口を開いたのである..........。

「最近ゆっくりできていなかったから、こうして話せるようになって嬉しいんだ。」

私は彼の言葉に、胸が熱くなった。そしてら私も同じ気持ちだと伝えると、彼は嬉しそうに微笑んだのだ。

それから私たちは他愛もない会話を楽しんだ後、眠りについたのだった。しかし、その日から不思議なことが起こり始めたのである..........!


ある晩のこと、私はなかなか眠れずにベッドの上で寝返りを繰り返していた。その時ふと窓の外を見ると、月明かりに照らされて人影が見えるではないか!私は驚いて飛び起きたが、よくよく見てみるとそれは消えた。

気のせいだろうかと不思議に思ったが、それからというもの、同じようなことが何度も起こるようになったのである。

私は怖くなって、ルシアンに相談したのだが、彼は心配いらないと言って励ましてくれた。しかし、その後も何度も同じことが起こったため、不安な気持ちが続いていたある日のこと.........。

「レイラ、ちょっといいかな?」とルシアンが部屋を訪ねて来たのである!私は、喜んで彼を迎え入れると、彼は少し躊躇う様子を見せながら話し始めた。

「最近、君が不安がっているって聞いたから、毎晩寝る前に甘いものでも一緒に飲もうかと思ってね」「えっ?」突然のことで戸惑いながらも、彼の言葉に耳を傾けていた。

「最近忙しくて君との時間が取れなかったから、せめてものお詫びにと思って」彼はそう言ってくれたのである。私は嬉しくなり、喜んでその申し出を受けることにした。

二人でソファに座りながらミルクココアを飲んでいると次第に眠くなってくる。ウトウトし始めると、彼が優しく頭を撫でてくれたのだ。「おやすみ、レイラ」その声を最後に、私は眠りについたのだった。

それからというもの、毎晩ルシアンが私の部屋に訪れては一緒に飲み物を飲んだり、会話をしたりするようになったのである。その時間が、私にとって何よりも幸せだったのだ!

そんな日々が数ヶ月ほど続いた頃、私はあることに気づいたのである。それは、彼が毎晩訪れる時間が徐々に遅くなっているということであった。最初は10時くらいだったのが、最近では11時や12時になることもある。そしてついには、0時過ぎまで来ない日も出てきたのだ...........。

私は心配になりつつも、彼を待つことしかできなかったのだが、ある日ついに我慢できなくなって、ルシアンの部屋を訪ねることにしたのだ!ノックをすると、彼は驚いた様子でドアを開けたのである!「レイラ?どうしたんだい?」と彼は、少し戸惑った様子で尋ねた。

「最近どうされましたか?お忙しいのなら、構いませんが..........」

私は恐る恐る尋ねたが、彼は少し困ったような表情で微笑んだ。「最近仕事が立て込んでいてね、なかなか時間が取れないんだ。でも、心配しないで大丈夫だよ!僕はいつも君のことを想っているからね」そう言って、彼は私の肩に手を置いたのだ。

しかしわその手はとても冷たかったのである.........私は思わず彼の顔を見上げたのだが、その顔色は真っ青で生気を失っなているようだった。私が驚きのあまり言葉を失っていると、彼は静かに部屋へ戻って行ったのである。

それからというもの、私はルシアンのことが心配でならなかったが、どうすることもできなかった。

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