第17話 無法地帯:関東甲信越Ⅵ
「ほらホラどうしタ?こちらに攻撃は殆ど着ていナイゾ。」
敵の数が多く、しかも頑丈なのとすばしっこいのと再生するものばかりでとてもじゃないが三人で捌くのはかなり面倒だ。
マグルが雑魚に状態異常をかけてくれているお陰で短くとも足止めができているが耐性が早くついて意味をなさなくなってきている。
グランもオーガロード特融の高火力魔法で削ってはいるものの肝心の心臓を破壊できていない。
『私も何かお手伝いを…!』
『そこで安静にしているのがお手伝いだ。』
いや、正確にはエネルギーの供給先がリーダー宇宙人であるから倒せていないのかもしれない。
「このままじゃ埒が明かないぞ。」
んなことは解ってるよ。だから今考えているのでしょうが。
まったく更年期ってのはせっかちになりがちだから恐ろしいねぇ。
……そうだ。グランは確か炎の適性が強すぎて火傷を負わないはず、なら策はある。
「次いくゾ!!」
宇宙人はサソリ兵器を走らせて鋭い脚爪で俺らをめった刺しにしようと近づいてきた。
グランはすかさずその振りかざした脚に強くしがみついて怪力で逆関節側に捻った。
「マグル。」
「
劣化した位置に火を撃ち込んで大発火させた。
後ろのキメラどもは宇宙人を助けようとしてマグルとグランにサンダーウィップや神経毒を入れようと襲ってきた。
「こっちは気にすんな。攻撃を続けてくれ。」
俺がカポエイラの蹴り技で踊るように相手の頭を蹴ったり手裏剣のように鎌を投げて戻ってくる瞬間に指先だけでつかんで調節しながら急所を狙えるように攻防しているから問題なく戦えた。
グランはサソリ兵器に二、三発腹部に撃ち込んだあとマグルと息を合わせて叩いていた。
「マグル、俺を使え!」
「コング・インファイト。」
マグルが円を描くように敵の周囲を回りながら火球を連射し、バランスを崩させ視界を防いだあとに上空へグランをカタパルトにして飛んで自由落下の勢いを乗せたゴリラの連打を叩き入れた。
「くそッ、舐めた真似ヲ…!」
目を離した宇宙人に壱星が狙って飛ばした鎌が衝突して落ちた。
自身が劣勢なことと配下全員を相手にしていた奴にやられて正気の沙汰ではいられなくなった宇宙人はそれら配下と兵器らと融合して一体の生命体へと化した。
「どうやらもっと面倒になったみたいだな。」
「だがマグル。こういう奴ほどどういう
無造作に暴れだした生命体。
威圧がすごく、エネルギー量も倍であった。けれども怯む気なんて一ミリもない。
敵は地面に刺した後ろ足や追尾してくる尻尾、伸びてくる溶解した両手。
壱星らからしてみれば厄介ではあるものの変に動くアスレチックの足場程度にしか思えていない。
更に生命体は黒い涙を流しながら口からエネルギー砲を連射してくる。
「グラン!!」
「言われなくとも―
マグルは生命体の後ろに獲りつき、蜂の巣百足という両腕を百足に変えて足先を全て蜂の針にして猛毒を打ちつづける最悪の技だ。
そのお陰で生命体は意識が朦朧とし始めたらしい。
下から駆け上がりながら鎌で斬り刻んでみたが斬り応えがなく感じる。
斬撃を重ね掛けして一本の刃として飛ばしてみると真っ二つに割れて心臓らしきものも破壊できたようなのだが再生した。
とすると下と上で心臓が二つ以上あるのかも…
こんな狭い場所で使うのは危なっかしくて使いたくなかったがやるか。
俺はグランとマグルに事情を話してこの場から離れるように伝えた。
「ナンダぁ?自分を犠牲にシテ仲間を助けようってか?」
「いや、正直本気なら俺一人でいけるね。」
「っ!!消す!!」
挑発して乱れさせて軸破壊で敵のエネルギー砲を搔き乱した。
「んじゃあ俺のターン。
ドッペルゲンガー。」
もう一体の俺が横に現れ、同時に全く違う動きで同じ思考で敵に立ち向かった。
もはや周囲を気にして避ける必要もないわけだ。
もうそんな鈍い攻撃なんて当たらねぇよ。
「「あばよ
その技が出た瞬間、生命体は再生することすら許されないほど微塵に切り裂かれ周囲の瓦礫や塵すら舞い上がらなかった。
「どう?うちのリーダーおっかないでしょ?」
「ああ。
リーダーと大体を生かし、捕獲して安置に隠れていてもらったメイドさん方を保護して無事全員帰還した。
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