最強に最強で抗う

 煌めく世界の端くれで星を眺めていた。


 それは僕にとっては眩しすぎる、でもその眩しすぎるかがやきは、人生をかがやかしいものにしてくれる気がする。


「星は、好き?」


 僕は、少なくともこんなにも綺麗で輝かしいものを見たことがない。

 地球にあった人工的な美しい光とは違う。

 まるでそれは、僕に希望を差し示しているようだ。


「好きだよ」


 僕は、夜中に起きてしまったため、寝付けなくなり仕方なく、岩に座りながら星を眺めていたのだ。

 それに気づいて彼女もついてきてしまった。


 夜空のような美しい彼女の髪は暗い世界に映えているように感じた。

 そんなことを考えていると、とてつもない魔力を感じた。

 今までに感じたものとは桁が違う何万とか言う次元ではない、、、

 それはティアも感じているようだった、かなり強張った顔をしている。


 こいつの剣にもありえないほどの魔力を感じる。

 見た目もかなり禍々しい。

 刀身からは吸ったらただでは済まなそうなガスが出ている。



???「勇者がなぜ?なぜ帝都を壊した?それによって何人死んだ?」


「先に手を出したのは奴らだろ、なぜ僕を責めるんだ???」


???「関係ない、誰が悪かろうと勇者が人を殺した時点で万死に値する!」


 なんて理不尽になんだ。

 それにこの覇気。

 魔力よるものでもステータスによるものでもない、おそらくこれは恐怖だ。

 本当に死ぬかもしれない、そう感じさせるような強さがこいつにはある!


 そうすぐさま察知した僕は、ティアと共にできる限りの距離を転移して離れた。


「無駄。」


 そいつはもう目の前にいた。

 そうしてすぐさまそいつの足がティアを襲った。 数十メートル吹っ飛んでいった。


「ティア!!!」


 もう、だんだんと憎しみが抑えられなくなってくる、、、意識を乗っ取られる、、、く、っそ、、、


「俺に殺されろ、人間」


「力に抗う人の子よ。そんなにも人が憎いか?そんな危険分子は私が滅ぼす。勇者として。」


 俺はその力に抗う。

 この体は地球の技術を持ってしても最強だ。

 俺はアルテミスが今まで使ってきた光線を打ちまくり刀を振り回しまくる。

 この力たちは、地形を変えてしまうほど強力だ。

 だというのにこいつは平然と、遊んでいるかのようにニヤけながら避け、受け止め、断ち切る。

 もう地形もぼこぼこになってきた。


「ああ、弱いんだよあんた。もう飽きてきたよ」


 そう言って俺の四肢をそいつは切り裂いた。


 この武器がない俺は、もう何もできない。

 システムを乗っ取り、核を撃ち放つことも、兵器を奪うことも出来ない。

 でも、まだ体を再生できる。

 便利なもんだ、スキルや魔力というものは。

そして元四肢共が僕の体にまとわりつく。


「なぜ、生きている?なぜ再生する?そしてその体にまとわりつくものはなんなんだ!?お前は人なのか?」


 じゃあ俺のいや、前の世界の最強をこいつにぶつけるとしよう。


「第4式2次終焉の襲来」


 もう地球は存在していない。

 だが、俺も馬鹿ではない。

 生き残りがいた可能性を考え人型機械兵器「g4z9」を地球の衛星である、月に残しておいた。

 それを意識を奪った瞬間からハッキングしてこっちへ来させていた。

 俺の後ろについた人型機械兵器へこの腕と足の力を合体させる。

 そして魔力を流し込むことで武器の威力、魔法の感知能力の解放を成功させた。


「ここからは俺の独壇場だ。」


 この星の最強に人差し指を指す。

 それと同時に俺を世界が応援するかのように日が昇る。


「撃て」


 次の瞬間人型兵器の武器からマシンガンのごとく、光のごとく、光線が放たれる。

 その光線は腕から放たれていたものとは比べ物にならない。

 この力は、魔力、人型機械兵器との相性の良さからだろう。

 こいつは、この攻撃を受け止めまくった。

 でも全ては受け止め切れず、そいつにかすり傷傷が増え続ける。

 このまま行けば俺は勝てる!


 でも最強を持ってしても最強には勝てなかった、、、

 これだけの魔力を使ってもそいつは、かすり傷程度ですませた。


「ははっ、もうだめだな。人を滅ぼすのはこの星では無理というわけか、、、」


「手こずらせてくれましたね!でも、私には勝てない!」


 そいつは、ゆっくりと俺に近づいてくる。

 殺気が強すぎる。

 確かに俺は人を殺しただろう。

 だが、なぜこいつはここまで俺を憎める?

 だが、その殺気から俺は悟った。ここで終わるのだと。

 俺の復讐はここで、、、


「最強へ抗った人の子よ。愚かなる人の子よ。」


 愚か、か。

 確かに俺が人を滅ぼし、また滅ぼそうとしているのは愚かかもしれない


 俺は、なんのために生まれたのだろう。

 人に造られ、初めは感情なんかなかった永遠と無心に人の道具となった。

 いつからだろう、感情が生まれ人を憎み出したのは。

 そうだ、人が自分や自分たちが生きていればそれでいいと考え、植物を、生物を、自然を、自らの住む地球ですらまたどこかの星に行けばいいと考える。

 そんな考えや行動を見ていたからだ。


 だから俺は、人の道具に成り果てた生物ごと人を消した。


 俺は、人という愚かな生き物を、人によって作られた愚かな種としてこいつらを滅ぼす。

 滅ぼさなくちゃいけないんだあぁ!!!


「ああぁぁぁぁぁ!!!!」


 力が溢れてくる、この力ならこいつを!!!


 そう考えていた瞬間俺は、人型兵器と共にいつのまにか真っ二つにされていた、、、
















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