帰る途中、骨と争う。

 激戦を勝ち抜いた僕たちは、帝都を後にした。

 ドリ村へ向かう途中、また洞窟があった。


 ゴブリンどもの住処だろうと思い、中へ入って行くとそこには扉があった。

 まさか、ジェネラルゴブリンの上の存在なのだろうか、それともゴブリンではなく別の頭いい種族か?

 どちらにしてもいいレベル上げになるだろう。

 そう思った僕はその扉を開けた。


 するとそれは予想を超えるものだった。

 それは石の建造物だった。

 劣化しているはずなのに光が灯っている、魔力によって。


 そしてこの通路に広がる純粋で美しい魔力が、部屋の隅々から感じる。

 僕はそのうつくしさに魅了されながも前へ進んで行った。


 前から何かが来たのを察知した僕は元左腕を刀にして戦闘体制に入った。


「アル、こいつら生命反応がないよ」


 生命反応がない、、、?だが確かにこいつらは動いている。

 って骨人間?!とりあえず頭ぶった斬ってみた。

 普通に死んでくれた。

 よかった〜不死身とかじゃなくて。


 そして奥にも同じような奴がいたので首チョンパして上げた。

 さらに奥へ進んでいくと地下へと繋がる階段があった。


 そして降りた先は、上の階よりも通路の濃密な魔力が漂っていた。

 さらに、敵の魔力が上がっていた。


 僕は、楽しくなった。

 レベルが上がることに快感を覚えていたからだ。

 ああ、敵を倒すとレベルが上がり、僕の心の幸福のレベルも上がっていった。


 そうしてもう次10階目だぞ、階が増えるにつれて通路の魔力、敵の魔力が比例して上がっていったが、ティアを思う気持ちが強すぎて全員雑魚だけどねっ!!!

 もうレベル30まで行ったぞ!まあスキル増えないけど、、、ステータス吸収のSaも敵が弱すぎてほぼ効果ない。

 はあ、もう飽きてきた。


 10階に入った瞬間明らかに魔力の密度が上がり、さっきまでとは違い部屋になっていた。

 ボスのご登場って訳か!

 魔力が桁違いだぜ。

 だがスキル、堕天使の咆哮の前では雑魚同然だな。

 そうして首ちょっぱーんした。

 生き返りやがった、、、


 そうして姿が骨人間から骨の龍となった。

 第2形態ってやつか、でも僕の敵ではない!

 そう思っていたが、僕の刀の刃は届かなかった。

バリア?!


 だめだ、ここは地下だ。

 大技を使ってこいつを倒したとしても生き埋めになる。

 新しい技を下さい、ティアさーん。

 そう思いながらティアを鮮明にじっと見つめる。


「きた、第2式8次転送、展開完了。ティア僕につかまっててくれ」


 そうして僕が手を差し伸べると彼女は僕の手を取った。

 その瞬間その全体部屋が輝き、気付いた時には龍ごと外へ出ていた。

 この力は転移陣を設置したところにワープできる力と、魔力を混ぜて作った新な力だ。

 ここからは、僕の独壇場だ。


「第3式1次終焉たる業火刀」


 城を真っ二つにした力で、そいつを切り裂いた。

 はずなのに、バリアで防ぎやがった。

 こいつは攻撃もスピードも僕には劣っている。

 だが、バリアという圧倒なスキルのせいでちょー苦戦している。

 魔力切れを待つのもありだが、こいつは切れる気配もしねえ。

 そこで僕は、馬鹿なりに頭を働かせた。今現在使える能力、、、はっ!


「第1式2次小型光弾拳銃展開」


 それで打った球一撃で、骨の龍のバリアは砕け散ったそこへすかさず

終焉たる業火刀をそいつに振りかざした。

 すっぱーん。

 その骨やろうは、真っ二つになった。

 ティアは最近ずっと目をかっぴらいていてクソおもろいし、何よりかわええ!!!


 この銃は個体を銃弾にして撃つことができる。

 そこで地面の土に今の僕の魔力をほぼ全て流し込んで撃ち放ったというわけだ!

 やはり、前から思っていたが僕は天才なのだ!

 Xp50,000、レベルも37になった。

 上がれば上がるほど上がりにくくなってるようだな。

 スキル、Saによって骨の龍のMpを吸収できた!

 今のステータスは、、、


Hp1300 St670 Mp550 Sp 500 スキル Sa 堕天使の咆哮 アンデットキラー


 なんかMp 以外も異常に上がってると思ったらあの帝都の騎士を倒したからか、、、


 アンデットキラー?なんそれ?

ぽちー


 ダンジョンのアンデットを一定数倒した者に飲み与えられるスキル。

 アンデットに対してのみ効果的なもの。


 あの骨人間とか骨の龍とかアンデットって言うんか。

 そしてあの場所はダンジョンっていうのか、しかもそこ限定スキルってことか。

 扉がある洞窟は絶対入るようにしよう!


 そしてダンジョン攻略と龍のバリアに苦戦していつのまにか夜になっていた。


 そういや今日も何も食ってなかったな。

 そう思っているとティアも腹を鳴らした。

 気恥ずかしそうに僕を見つめる彼女、だから僕は狼2匹とぶちのめした。


 そして彼女は僕の腕を使って平然と狼を解剖する。

 そう考えていると、なんかおもろくて笑ってしまった。


「どうしたの?急に笑って」


 そう言って彼女は不思議そうに首を傾げた。


「なんでもないよ」

「ねえなんなの?」


 そう言う彼女を横目に焚き火の準備をした。


「ティアは、レベルっていくつなの?」

「私は、、、 、、、1だよ」


 なんだよ、その空白。

 でもまあ予測通りだ。

 敵を倒しているのは僕だけなのだから。

 だが、このままでは帝都の時のように離れ離れになったら彼女は死んでしまうかもしれない。


「ステータスとかスキルはどうなんだ?」


 そう僕が言うとステータスプレートを取り出した。

 僕が見せるように促すと、そそくさとしまってしまった。

 さっきからなんなんだ?


「僕に何か隠してるよな?」


「ちなみにステータスは、Hp50 St 20 Mp 70 Sp

スキルは、特になしだよ」


 そう言って彼女は僕の質問を避けるようにそう言った。


「つっよーー!!!!

僕がレベル1の時とは比べ物にならん!お前はおそらくレベル上げたらかなり強い魔法使いになれるぞ!

いや、でも僕が弱すぎた説もあるし、Saのせいで上がり幅もわからんし、基準がわからないと、、、」


「Saって何?」


「このスキルは、倒したと敵のステータスの1000分の1を吸収できるんだ」


「だから、あの短期間であれだけの力を?」


「気持ちによって1時的にステータスが上がるスキルが、一番の力の元だよ。この力があるから君を守ることができるんだ、ティア」


 彼女は、嬉しそうに僕がそう言うと恥ずかしいそうに少し顔を赤らめてくれた。

 僕はそれだけで報われる。そんな気がした。


 そして僕たちは、ティアの作った肉を食べながら綺麗な炎を見つめた。


 うう、眠い、目が、開かない、、、


 そうして僕の目に映る明かり火と煌めく彼女が見えなくなっていった、、、















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