第9話 良い姉

マリーナ(一生あなたを愛します…か。)

キュール「なかなかの贈り物だな。」

ミーナ「そうね。あなたがこれをくれたのは16歳のころだったものね。」

キュール「そんなことを言われると傷つくよ。」

 そう言って父様は苦笑した

マリーナ「前世では裏切ったくせに…!」

 私が小声でそういうと母様は

ミーナ「どうしたの?嬉しい?顔が真っ赤よ。」

 と微笑んできた

マリーナ「…。はい!とっても嬉しいです!」

マリーナ(はあ…。母様も前世では私を裏切った。でも、愛されるのも悪くないと今は思ってしまう。)

 そうだ

 お茶会の時にこれを着て行こう

マリーナ「母様。私、これをエイデン皇太子と会うときに着たいです。」

ミーナ「それはいいわね‼︎ぜひそうしましょう!」

マリーナ「ミミ。部屋に戻りましょう!」

ミーナ「もう戻るの?」

 母様がそういうとフリアがこちらを見て口を開けた

フリア「そうですよ。こんなすぐに戻るなんて。」

マリーナ「私はエイデン皇太子に手紙を書くの。」

 私はフリアに向かってそう言った

マリーナ「よければそれ。みんなで食べてください。」

ミーナ「これ全部…いいの?せっかくのはちみつよ?」

マリーナ「エイデンに頼めばいくらでも。」

キュール「利用しているみたいだな。」

マリーナ「冗談ですよ。」

 と私は笑った

 するとフリア以外のその場にいた全員も笑った

 フリアはそれが気に入らないらしい

 そんな顔をしている

フリア「母様、私も席を外してもよろしいですか?」

ミーナ「あら、どうしたの?」

フリア「少し頭が痛いのです。」

キュール「医師を呼ぶか?」

フリア「いえ。部屋で安静にしておきます。」

マリーナ「なら、部屋まで送るわ。」

フリア「いいのですか?」

マリーナ「大事な妹だもの…。」

フリア「ありがとうございます。」

マリーナ「礼なんていいわ。早くいきましょう。」

 そう言って戻ろうとしたら母様に止められた

ミーナ「待って!」

マリーナ「どうしましたか?」

ミーナ「これ、使用人たちにも分けていいかしら?」

キュール「ああ、俺も思った。」

ミーナ「流石に2人でこれは…食べきれないわ。」

 と母様は顔を赤くした

マリーナ「いいですよ!」

 ちょうど、私の評判を上げる良いきっかけかも

キュール「これを食べたらみんなもう普通の食べ物では我慢できなくなるんじゃないか?」

 と父様は微笑んだ

マリーナ「では、使用人たちの普段の食べ物も少し変えましょうか。」

ミーナ「え?」

マリーナ「どうですか?いつも立派に働いてくれているではないですか。」

キュール「確かに。そんなことは考えたことがなかったな。」

ミーナ「そうしましょう!」

 どうやら2人は私の案に納得したようだ

マリーナ「では、3日後から変えましょう。これはみんなに内緒ね。ミミ。」

ミミ「はい。承知いたしました。」

 よし、そろそろ戻ろう

マリーナ「さ、戻りましょう。」

フリア・ミミ「はい。」

 マリーナ(ミミが私たち2人の分のプレゼントを持つのはなんだか悪い。)

 そう思って私は自分のプレゼントをミミの手から取った

ミミ「マリお嬢様?」

マリーナ「2人分のプレゼントを持つのは大変でしょう?」

フリア「マリお姉様は本当にお優しい方ですね。尊敬します。」

フリア(姉様がいちいちこういうことをするから私が酷い子みたいになるのよ!)

マリーナ「フリ。大丈夫?」

フリア「まだ頭が痛いです。」

マリーナ「かわいそうに。」

 そう私は思ってもいないことを言った

マリーナ「フリ、部屋に戻ったらすぐ入浴しなさい。」

フリア「どうしてですか?」

マリーナ「体調が悪いんだから、当たり前でしょう!」

フリア「はい。」

 フリアは仕方なさそうに返事をした

マリーナ「ミミ。あとでフリの入浴の手伝いをお願いできる?」

ミミ「できますよ!」

マリーナ「じゃあ、お願いするわ。」

ミミ「お任せください。」

マリーナ(良い姉を演じるのは順調ね。)



お久しぶりです!

中学生になったら意外と時間ない…。

これからもよろしくです!

次回もお楽しみに!☺︎

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