第7話 お茶会

マリーナ「久しぶりに家族みんなでお茶会しましょう。ね?母様。」

ミーナ「いいわね。しましょう。」

マリーナ「でしょう?そうと決まったら、日にちを決めましょう!」

ミーナ「ええ。でもどうして急にお茶会を?」

マリーナ「ただ、最近家族全員で何かするってことが減ってきてる気がするので。」

ミーナ「そうね。」

ミーナ(この子は大人びているから気づかなかったけど、本当は少し寂しいのね。)

マリーナ(私の計画はお茶会の時でしか効果がない。)

ミーナ「また、キュールにも予定を聞いておくわ。」

マリーナ「私もフリに聞いておきます。」

ミーナ「じゃあ、あなたも大丈夫そうだし。」

マリーナ「はい。おやすみなさい。」

ミーナ「おやすみ。」

 母様が出て行こうと扉を開けるとそこには1人の使用人が立っていた

 ミミだ

ミミ「奥様!申し訳ありません。マリお嬢様はもう眠りにつきましたか?」

ミーナ「まだ起きているわよ。」

ミミ「ありがとうございます!」

 そう言ってミミが部屋に入ってきた

マリーナ「ミミ。どうしたの?」

ミミ「申し訳ありません!」

 そう言いながらミミが頭を下げてきた

ミミ「私がいない間に大変なことになったと聞きました!大丈夫ですか?」

 すごく心配そうに私を見るミミの目は涙ぐんでいる

マリーナ(やっぱりミミは優しいな…。)

マリーナ「大丈夫よ。心配しないで。」

ミミ「本当ですか?」

マリーナ「ええ。」

ミミ「よかったです。」

マリーナ「それより、明日もハンカチ作りで早起きをするから早く寝ましょう。」

ミミ「そうですね。マリお嬢様もお疲れですし。おやすみなさい。」

マリーナ「おやすみ。」

 ミミが部屋を出ると私はベッドに顔を沈めた

マリーナ(はぁ…。まさかお茶をかけてくるなんて…。)

 フリアは私にお茶をかけてニヤついていた

 本当にだめな娘に育ったものだ

マリーナ(あんな風に育ったのはなぜかしら?)

 まぁいい

マリーナ(寝よ…。)

 私は少しイラついた気持ちで眠りについた


 数日後…。


キュール「おお!いい匂いが漂っているな!」

ミーナ「どれも美味しそう!」

フリア「父様、母様。大袈裟ですよ。」

 3人が庭園に入ってきた

 そう、今日はお茶会の日

キュール「そうか?」

マリーナ「ええ。大したものではございません。」

ミーナ「でも、すごくいい匂いよ?何を使ったの?」

マリーナ「食べたらわかります。さっ、どうぞ座って。」

 3人は椅子に座った

マリーナ「今日はたくさん召し上がってください。」

 私たち4人は手を合わせて

マリーナ・フリア・ミーナ・キュール「いただきます。」

 と言って食べ物に手をつけた

ミーナ「ん〜!」

キュール「うまいな!」

ミーナ「ええ!甘くて最高♪」

 父様と母様は美味しそうに食べてくれていてこっちも心が温まった

マリーナ「何を使っているのかわかりましたか?」

ミーナ「はちみつね!」

マリーナ「その通りです!」

 だけど、フリアは違った

 チヤホヤされている私を見て睨んできている

フリア「はちみつなんてどこで手に入れたのですか?」

マリーナ「エイデン皇太子様から頂いたのよ。」

フリア「人からの贈り物を、違う人に分けるだなんて…。いいんですか?」

マリーナ「ええ、大丈夫よ。」

フリア「どうしてですか?」

マリーナ「エイデン皇太子様からのお手紙に『ご家族の皆様もぜひ』って。」

ミーナ「あら、エイデン皇太子も優しいわね。」

キュール「ああ。マリの婚約者はエイデン皇太子で正解だったな。」

マリーナ「それだけではないのですよ。」

 私はミミを呼んで

マリーナ「3人に持ってきて。」

 と言った

ミミ「はい。」

母様たちは、なんだろう?という顔をしてこちらを見ている

マリーナ「実は、3人にも他のプレゼントを入れてくれていたのですよ。」

キュール「本当か?」

マリーナ「はい。本当に優しい方ですね。エイデン皇太子様は。」

ミーナ「何かしら?楽しみだわ!」

キュール「そうだな。」

 流石にこの時はフリアも目を輝かせていた

ミミ「どうぞ。フリお嬢様はこちらです。」

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