第6話 プレゼント

フリア「ハンカチ作り?冗談でしょう⁉︎マリお姉様にできるはずないです!」

マリーナ「それが、できてるのよ…!」

マリーナ(それも綺麗に。)

ミーナ「まぁ、それはよかった。婚約者へのプレゼントだものね。」

フリア「婚約者…?」

マリーナ「ええ。エイデン皇太子様にお渡しするの。」

フリア「ふん。そんなもの簡単に作れるではないですか!」

キュール「本当か?」

フリア「ええ。布を切って刺繍するだけですもの。」

マリーナ「難しいのは刺繍よ。」

フリア「あ、マリお姉様は刺繍で戸惑っているのですね⁉︎」

マリーナ「そうなの!すっごく難しくて、困ってるわ!」

フリア(やっぱりこいつにもできないことはある!)

ミーナ「なら、少し見せてちょうだい。」

マリーナ「いいですよ。」

 私はミミにハンカチを持ってくるように頼んだ

ミーナ「楽しみだわ。娘が作っているハンカチを見るの。」

マリーナ「大したものではありませんよ?」

ミーナ「いい?プレゼントには愛情がこもっていればなんでもいいの。」

キュール「そうだぞ。」

フリア(どうして2人は私をおいてマリお姉様ばかりっ…!)

マリーナ「でも、せっかくだから上手に作りたいです。」

ミーナ「なら頑張るだけよ。」

マリーナ「そうですね。がんばります!」

 そう私が微笑んだ

 その時…

 一瞬だった

 熱い何かが私にかかった

マリーナ「あつっ!」

 私が発した言葉はその一言

 目の前には3つの顔がある

ミーナ「マリ!大丈夫⁉︎」

 心配してくれている母の顔

キュール「火傷かっ⁉︎医者を呼べっ‼︎」

 と大声で医者を呼ぶ父の顔

 そしてもう一つの顔は

フリア「まぁ、大変!ごめんなさい!手が滑ってしまって…!」

 と泣いているフリアの顔

マリーナ「父様…。医者は後でいいです。このくらい。」

キュール「本当に大丈夫なのか?」

マリーナ(きっとフリアがわざと私にお茶をかけたのね。)

 私はミミを呼んで

マリーナ「エイデン皇太子様にお渡しするハンカチを私の部屋にお願い。」

 と告げて母様に

マリーナ「少し冷やしてきます。」

 と言った

マリーナ(はぁ〜。派手にやったなぁ、フリアも。)

 

 数分後…。

 

私は冷水をもらって部屋で冷やしていた

ミーナ「マリ?部屋に入っていい?」

 母様だ

マリーナ「どうぞ。」

 当然、母様は部屋に入れる

 今世では何もされていないから

 私が復讐に集中してるのはフリア1人だけ

 他はどうでもいい

マリーナ「どうですか?私の部屋。毎日掃除しているんですよ。」

ミーナ「綺麗にされてるわ。」

 そう言った後に、母様が

ミーナ「あ。」

 と言って見つめたものは3歳の誕生日で父様と母様がくれた赤いルビーだった

ミーナ「大切にしてくれているのね。」

マリーナ「ええ。」

 赤いルビーは小さな箱にハンカチを敷いておいている

 定期的に磨いているからいつでも輝いている

ミーナ「この箱の中は?」

マリーナ「ダメです!その中身はまだ秘密ですよ。」

ミーナ「ダメなの?残念。」

マリーナ「いずれ分かりますよ。」

 そう笑って誤魔化した

 この箱の中には母様たちに渡すハンカチが入っている

ミーナ「ねぇ、さっきのことでフリのこと嫌いになったりしてないわよね?」

マリーナ「大丈夫です。私が大切な妹のことを嫌いになるはずないでしょう。」

ミーナ「そう?なら良かったわ。」

マリーナ「どうしたんですか?」

ミーナ「いや。私ね、本当はあの子がわざとお茶をあなたにかけた気がするの。」

マリーナ「きっと気のせいです。だって母様も父様もそんなことしないでしょう?」

ミーナ「しないけど、関係ある?」

マリーナ「遺伝です。それにフリはそんな悪い子ではありません。」

 私がそういうと母様も納得したように

ミーナ「そうね。そんな子じゃないものね。」

 と呟いた

マリーナ(本当はわざとだろうけど、ここでは優しい姉という顔を見せとこう。)

マリーナ「そうだ。また今度家族4人で庭園に集まりませんか?」

ミーナ「いいけど、どうして?」

マリーナ「久しぶりに家族みんなでお茶会しましょう。ね?母様。」

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