第5話 ハンカチ作り
フリアとの約束から1週間が経った
フリアは今は勢いで間違いだらけだが、きちんと約束した分を1日でやっている
それが普通だ
さて、私はというと今、お馴染みのミミの部屋に向かっている
ハンカチを作るから教えてもらうのだ
ノックをして
マリーナ「ミミ。マリーナよ。入っていい?」
と聞く
ミミ「どうぞ!」
と聞こえたので入る
ミミ「少しごちゃごちゃしていますが。」
マリーナ「いいえ。素敵よ。」
ミミの部屋は綺麗だ
お世辞なんかじゃない
本当に綺麗
マリーナ「で、どこで作るの?」
ミミ「それはマリお嬢様のお部屋でしましょう。」
マリーナ「わかったわ。」
ミミ「さ、どの布がいいか選んでください。」
そう言った後に、ミミが何かの布をとった
誰か大切な人に渡すのだろう
マリーナ「この6枚がいいかしら。」
ミミ「6枚もお作りになるのですか?」
マリーナ「ええ。」
ミミ「誰にですか?」
マリーナ「内緒よ。」
そう言って微笑んだ私は6枚の布を取った
ミミ「では、行きましょうか。」
マリーナ「ええ。」
私たちは部屋を出た
その時にフリアの大声が聞こえた
フリア「マリお姉様‼︎」
マリーナ(だいぶ怒っているわね。)
マリーナ「どうしたの?大声をあげて。」
フリア「どうして私を男と2人きりにしておいていくのですか⁉︎」
マリーナ「その人は先生よ。あなたに勉強を教えてくれているでしょう?」
フリア「でも!」
マリーナ「でもじゃない!私はいつまでもあなたのお守りをするつもりはないの!」
フリア「ひどい…。マリお姉様は私が嫌いなんだわ…。」
と泣き出した
だけど無視をしてミミと自分の部屋に入った
ミミ「よかったのですか?無視して来て。」
マリーナ「大丈夫よ。だってあの子と話しても意味ないもの。」
ミミは泣いている子に弱い
マリーナ(そこがミミの弱点なんだよな〜。)
数時間後…。
ミミ「マリお嬢様は本当に覚えが早いですね!」
マリーナ「そんなことないわ。きっとミミの教えが上手なおかげよ!」
ミミ「いいえ!12歳でこんなにできる子はほとんどいません!」
マリーナ「そうなの?」
ミミ「はい!すごいことです!」
マリーナ(だって中身28歳だもの…。)
私は心の中で笑った
そう、私は16歳で死んでもう1度同じように生まれてきて今12歳だから実質28歳
マリーナ(28歳か〜。今世でそこまで生きたいな〜。)
ミミ「さ、お嬢様。今日はこのくらいにしましょう。もう4時です。」
マリーナ「そうね。みて。ここまで進んだわ。」
ミミ「まぁ、すごい!やっぱりマリお嬢様は才能の塊ですね!」
マリーナ「そこまでではないわ!」
今私がやっているのはエイデンに渡すハンカチの刺繍だ
エイデンのハンカチにはバラの刺繍を縫っているのだが、結構難しい
ミミがいたからできた
マリーナ(やっぱりミミ最高!)
ミミ「お嬢様、お茶です。」
マリーナ「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの。」
ミミ「やっぱり綺麗ですね!」
と言いながら私が縫っている途中のバラの刺繍を見る
マリーナ「あなたの言うことを聞いたらこうなったのよ。」
ミミ「それだけではこうなりません。」
マリーナ「なんだか照れるわ。」
私たちは笑い合った
絶対にミミは殺させない
前回は私といつも一緒だったという理由で一緒に殺された
だけど、今回は絶対に殺させない
何があっても私が守る
絶対に
使用人「マリーナお嬢様。お食事の時間です。」
マリーナ「先に召し上がってと伝えて。片付けと掃除をしてからいくわ。」
使用人「かしこまりました。」
ミミ「きちんと整頓してからいくのも、いいことです!」
マリーナ「ありがとう。」
そうして片付けと掃除を済ませてから食卓に行くとフリアに睨まれた
フリア「マリお姉様。遅れるなんて、お行儀が悪いですよ。」
マリーナ「私はあなたと違ってやることを済ませてから来てるの。」
ミーナ「なんで遅れたの?」
マリーナ「ハンカチ作りをしていたので。」
マリーナ(どう、フリア?あなたにはハンカチ作りなんてできないでしょう?)
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