第4話 阻止
フリア「私、マリお姉様の部屋と交代したいです。」
その言葉を発した後にフリアは私の顔を見た
キュール「そんなこと言ってもなぁ…。姉から部屋を奪うのは。」
ミーナ「それに、マリの意見もあるだろうし…。」
そう言って母様は私に視線を移した
マリーナ「私は…フリに今の部屋を渡すつもりはありません。」
フリア「どうしてですか…!」
マリーナ「だって、私の部屋は広いもの。」
フリア「だから私は欲しいと言っているんです!」
マリーナ「あなた、自分がだらしないと思っていないの…?」
私はフリアを睨んだ
フリア「なっ…‼︎私がだらしない⁉︎」
マリーナ「そうよ。あなたは1日でやるべきことに2日もかけている。」
フリア「そっ、それとこれとは別です!」
マリーナ「私は正直、今のあなたに私の部屋はまだ早いと思うわ。」
マリーナ(ああ。フリアが焦ってる…!)
フリア「どうしてですか⁉︎」
マリーナ「私の部屋は広い。だから掃除が大変なのよ。」
フリア「そっ…掃除?なら簡単ですわ!掃除くらい。」
マリーナ「掃除くらい…?あなた勉強も真面目に出来ないくせに。」
フリア「勉強と掃除は別です!」
マリーナ「言っておくけど、掃除は勉強の後よ。」
フリア「は…?」
マリーナ「それも私が出したものをその日に全部終わらせてからよ。」
フリア「その日に⁉︎」
マリーナ「ええ。そうよ。」
フリア「どうしてマリお姉様は私に意地悪ばかり!」
フリアは大きな声を上げながら食卓を叩いた
ミーナ「フリ!」
フリア「なんですか⁉︎」
ミーナ「いくらなんでも、物に当たるのはやめなさい!」
フリア「…!」
マリーナ「わかったわ。」
フリア「では…!」
マリーナ「あなたが1年間、今から約束することを続けることができたら。」
フリア「できたら⁉︎」
マリーナ「あなたに部屋を譲るわ。」
フリア「なんでもします!」
マリーナ「1日中に今までの2倍の量の課題を終わらせること。」
フリア「2倍⁉︎」
マリーナ「ええ。」
フリア「…で?それだけですか?」
マリーナ(それだけ…ね。どこまでできるのかしら、この子。)
マリーナ「そして、自分の身の回りのことを全て自分ですること。」
フリア「全てですか⁉︎」
マリーナ「ええ。」
身の回りのことくらい自分でやらなきゃいけない
フリア(いつもの2倍と身の回りのことは自分で⁉︎)
マリーナ「さ、どうする?やる?やらない?」
フリア「やるに決まってるじゃないですか…!」
フリア(ここで引き下がったら負けと一緒!)
マリーナ「じゃあ、早速明日から1年間、頑張ってね。」
フリア(絶対に勝ってやる‼︎)
マリーナ(絶対に渡さない!)
食後…
ミーナ「マリ。すごいわね。」
マリーナ「何がですか?」
ミーナ「フリにやる気を出させていたじゃない。」
マリーナ「まぁ。そうですね。」
私は姉としてのことをしただけ
マリーナ「あ、母様。」
ミーナ「何?」
マリーナ「私、エイデン皇太子様にプレゼントをしようかと。」
ミーナ「まぁ…‼︎」
私の一言に母様は興奮した
マリーナ「で、何かいいものはありますか?」
ミーナ「う〜ん。私があなたくらいの時はキュールにハンカチをあげたわ。」
マリーナ「なるほど…。ハンカチですか。では、ハンカチを作ってみます!」
ミーナ「ハンカチを作る?」
マリーナ「はい。」
ミーナ「じゃあ、誰かを雇おうか?」
マリーナ「あ、いえ。ハンカチを作るのは2人で大丈夫です。」
ミーナ「2人…?」
マリーナ「はい。ミミと一緒に作ります。」
ミーナ「あの使用人さん?随分と仲がいいのね。」
マリーナ「生まれた時から、ずっと一緒ですので。」
そしてこれからもずっと一緒だろう
私がミミを殺させないからだ
マリーナ「ミミは裁縫なども得意らしいので。」
ミーナ「そう。なら安心ね。」
マリーナ「はい。では、そろそろ寝る時間ですので。」
ミーナ「そうね、おやすみ。マリ。」
母様は私の額にそっとキスをした
マリーナ「おやすみなさい。」
私も母様に頬にキスを返して部屋に戻った
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