第16話 清楚な見た目のお嬢様はドMであり、理想のご主人様を蔑みながら育てたい

…そんなに、緊張しないでください。難しいことをシていただきたい訳ではありません。


私の被虐欲求を、将来的に満たして欲しいのです。貴方の情欲が刺激される範囲で構いませんので…。


ですから、今すぐにハードなプレイをなさらなくとも構いません。望まれるのでしたら、悦んで身体を差し出しますが…。


…貴方にお願いした理由は、二つ。


まず、私に欲情していただける、ということ。


自分で言うのもなんですが、私はかなりモテます。黙っていてもアプローチされるので、男性には困っていません。これは、事実です。


多少の経験もあります。…それでも、今まで一度も満たされたことはありません。


秘めた願望を打ち明けたこともありました。ですが、男性上位のプレイは特殊であり、特に私を責めていただく状況で欲情できる方は、余りにも稀有な存在…。


端的に申し上げます。


私が、媚びる。懇願する。


対して叱りつけ…。例えば、尻を叩き罵声を投げかける。


そして、私は謝罪する。へり下りながら火照り、更なる行為を待ち望む。


そんな姿を目にして、貴方は欲情…。


……おっきくすることは、できますか?


……。


…ふふ♡よかった♡貴方にお声がけして、やはり正解でした♡


あの、できればなのですが…。最終的には…。


…ブーメランパンツを履き、おっきくなった状態を維持して…♡王様の仮面をつけて…私を叱責して欲しいのです…♡


あ、可能ならで構いませんよ?どうか、引かないでください。


はしたない趣味で申し訳ありません。お付き合いいただけると、嬉しいです。…ふふ♡


……次の、理由です。貴方が、一般的な男性であるということ。


貴方は、顔、身体、家柄、どれをとっても平凡ですね。


…けなしている訳ではありません。むしろ、私にとってはそれが、ご主人様として理想的です。


私の被虐欲求は、本気で叶えようと思えば実現することができます。プロの方に、お願いすればいいのです。


ただ、私の願望は、そういった行為では満たされないでしょう…。


つまり、貴方のような平凡な男性にこそ、どこにでもいるごく普通の男性にこそ、私は辱められたいのです。


…私の被虐欲求として、私が見下している男性に責めていただくことがあります。


拒み、しかし屈服する。


今まで築き上げたものが、下賤な男に壊される。


その瞬間こそ…♡


…いつか、見下されている怒りを溢れさせて、私の身体をめちゃくちゃにしてください♡


……堅苦しいご挨拶になってしまいましたね。申し訳ありません。


要するに、とても、簡単なご相談なんですよ…?♡


【耳元】

…貴方は、私の身体を、ご自由に使ってくださればいいんです♡


今はまだ加虐に至らず、私が満足することはないでしょうが…。


ゆっくりと、私が育てて差し上げます♡貴方が、私のご主人様になってくださるまで♡


……さぁ♡今すぐ、私を押し倒してごらんなさい?♡


【近距離】

んっ…♡


…ほら♡貴方は、私を自由にできるのですよ?♡どのような目で、私を見下ろすのですか?♡


侮蔑?♡

嘲笑?♡


それとも…♡


ただ穴として、無感情に見つめてくださいますか…?♡


……。


……あらあら。


お可愛い、ご主人様ですねぇ。


そんな目では、私の被虐欲求は、全く満たされません。


ただ欲情しているだけではありませんか。私を見下すこともできず、それどころか情欲を満たしてくれる女性として、貴方が媚びてしまっているのではないですか?


本当に、情け無い…。


貴方の方が、私の犬の様ではありませんか…。


……ふふ♡


チュッ♡


いいのですよ♡貴方を、私が、これから立派なご主人様に育ててあげるのですから♡


今は、私にたっぷりと可愛がられなさい。みすぼらしく、甘えなさい。


……だけど、この辱めを忘れてはダメよ?


私から受ける屈辱を、覚えて?丁寧に、心と身体に刻んであげるから…。


…そのまま、屈服してもいいのよ?捨てることなく、可愛がってあげるからね?♡


だけど、私への反抗心を育てることができたのなら…。


蔑まれながら折れることなく、一緒に育めたのなら…。


その時は…♡


【耳元】

(囁き)

私は♡貴方の奴隷です♡

貴方を待ち望み疼き続けた身体に♡育てた全てをぶつけてください♡


……ふふ♡


これから、よろしくね?♡ご主人様♡

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