第18話 迷子

リナが乗る東海道新幹線こだま号は無事に東京駅に到着すると一斉に乗客達が降りていく。

リナも人混みに紛れて降りると流石は東京駅といった感じでみんな改札の方へゾロゾロと歩いていく。


「うわぁ…不安だなぁ…」


リナは急に不安になった。

それもそのはず、リナは極度の方向音痴で自分の家にすら帰れなくなることがあるくらいだ。

そんな人が東京の玄関口とも言える東京駅を1人で行動できる訳がない。

とりあえず今日は東京を観光しようと思っていたのでリナは東京駅を無事に出られること(脱出の方が正しいかも…)を祈って周りの人についていくことにした。

両親からは迷ったら駅員さんか周囲の東京都民らしき人に聞きなさいと言われたが、人を見ただけで都民とわかったら苦労はしない。

リナは人々の流れに乗って新幹線の改札を抜けたのはいいがそこから訳がわからなくなってしまった。


「東京駅デカすぎるよぉ……どっちだろう?」


正直なところ東京駅内の施設で1日遊べてしまうと言っても過言ではない規模なので、リナにとってはこれだけでお腹がいっぱい。

リナの父の孝太は「丸の内の改札に出れば間違いない」と言っていたが、上野東京ラインや中央線などの乗り換えの案内標識ばかりでリナはちんぷんかんぷんだった。

迷ったらとりあえず山手線に乗れば大丈夫と覚えたリナは、エスカレーターに人が特に集まっているのを見かけて直感でリナもそこが山手線だろうと思い込んで人の波に乗ってみることにした。

果たしてこれが吉と出るか…凶と…いや大凶となるか…

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