第14話 駿河湾沼津SA
駿河湾沼津SAのバイク駐車場にRZを停めたリナはヘルメットを脱ぐとバイクのヘルメットホルダーでロックするとSAの施設内へと入っていく。
施設内の2階に上がったリナは展望スペースまでやってきた。
ここからは沼津市街と駿河湾を一望できて、今日のように晴れた夜の日は街の夜景が凄く綺麗だ。
リナは自販機で買ったコーラを飲みながら沼津の街をボーっと眺めていた。
スマホを取り出したリナは夜景モードで写真を撮ると幼馴染の親友で元バイク部の仲間でもあった中野フランにLINEで写真だけを送った。
ついでに結には駿河湾沼津SAにいることをLINEすると、すぐに既読がついて了解のスタンプが送られてきた。
フランに写真を送ってから1分くらいするとLINEの通知音が鳴って返信が来た。
「!?…駿河湾沼津SA?」と返信が来たので「結にバイク借りて久々走った」と返すとフランもトークを開きっぱなしなのか間髪入れずに「いいじゃん!アタシも久々バイク乗りたいわ」と何の変哲もないやり取りが続いた。
しばらくすると東雲先生の車が駿河湾沼津SAに入ってくるのが見えた。
展望スペースにいると伝えていたのでリナはこの場で2人がやってくるのを待つことにした。
結から「車を泊めたのでそっちに行きます」とLINEが来たので了解のスタンプを送信したリナは、スマホの画面を閉じてポケットに入れた。
そして再び沼津市街の方を見渡した。
3分程経った頃に東雲先生と結がリナの元へやってきた。
バイクに乗る前と表情が変わっているリナを見た結が言った。
「先輩、表情が変わりましたね。私のRZに乗って吹っ切れた感じですか?」
「…うん!ありがとね、結。久々にバイクに乗って忘れていた大事なことを思い出したよ。私はやっぱりバイクに乗るのが好き!奈々未さんの1135Rに乗りたい!」
決心がついたリナを見て東雲先生は、なんだか嬉しそうだった。
リナは結に借りたジャケットとRZのキーを返しながら言った。
「もう満足したよ、ここからは東雲先生の車で帰るね」
「…わかりました、やっぱり先輩に私のバイクに乗ってもらって正解でした」
そしてリナはRZに乗りながらあることを考えていた。
今日、結のバイクに乗っていろんなバイクに乗ってみたいと思った。
そこで東雲先生にこう言った。
「先生、やっぱりイナズマを借りるのはやめます」
東雲先生は驚いた顔で言った。
「え!?じゃあバイクはどうするの?」
「……それは今は秘密にしておきます。もういい時間ですし帰りましょう」
リナ達は駿河湾沼津SAを後にした。
結とは高速を降りてそのまま別れて、東雲先生は家までリナを送ってくれた。
時刻は既に23時を過ぎていた。
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