読まれることのない手紙 三通目

ひどい別れだった

深夜の駐車場、僕の車の前で立ち尽くす君

「もどりたい」

哀願するような君の言葉が僕の胸に突き刺さっていた

「くるな!」

こちらにこようとする君に

僕が言えるのはこの言葉しかなかった


・・・僕にできる精一杯のことだった

こちら側にこられたら、もう自分を保てない

抱きしめたいという気持ちを押さえることができないと思った

君が僕の名を呼ぶたび、身を切られる思いがした

痛くて、苦しくて、せつなくて・・・


なぜこんな思いをしてまで僕は別れを選ぶのだろう?

何度も、何度も、自問自答を繰り返した


ただ、君を苦しめたくなかった

僕といたら、きっと・・・

君はどんどん笑顔を失っていくと、

あのときの僕は思っていたんだ


to H from S

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