読まれることのない手紙 二通目

R129を右折する道、僕らの出会った母校

K高校の前を通るたび僕は君を思い出す

交差点待ちする君を偶然追い抜いたあの日・・・


バイクに乗った君に

信号待ちで声をかけられたとき

驚きで思わず僕はお辞儀をしてしまった


母校から別れるまで、初めてのランデブー

慣れたタンデムではなく、僕の後ろを一生懸命ついてくる君

ミラーをのぞきながら微笑んでいた僕


ふたりの道の終わりに、僕はわざと別の方向へ曲がってしまった

君は一瞬戸惑い、君の今の住処に走りだした

僕は心配になってすぐに追いかけた

 

・・・本当はずっと君に会いたかった

でも、もう僕たちは同じ道を走れないことを知っていたから

呼び止めることはできなかった


・・・あの母校へ続く道は、今は進入禁止になってしまった

通るたび僕は、「もう戻れないのだよ」と言われている気がする


to H from S

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