第2話 帰郷②
この世に人種や宗教は数あれど、理想郷を持たない民族はいない。
我が国では約束の地。
他国では桃源郷、極楽浄土、あるいはユートピア、エデンなど。
語られる環境や名前に違いはあっても、概ね民族の願望を現していると言って良い。
曰く、そこは飢えも苦しみも、奴隷も身分もなく生きていける場所。
曰く、そこは偉大なる精霊王の眠る地であり、辿り着いた者には安寧が約束される。
曰く、そこは宝飾咲き乱れる黄金の都で、望む限りの財を得ることが出来る。
曰く、そこは戦いで死した勇者のみが訪れることが出来る、神々の里である。
曰く、曰く、曰く。
欲望であれ、悲願であれ、逃避であれ、人の願いが叶う場所として語られるが、具体的な場所が不明となっている場合が大多数だ。
けれど、我が国では不思議とそうではない。
約束の地カノア。
三つの難関を潜り抜けた先にあるとされる理想郷。
我らがいずれ辿り着くべき場所とされ、そこへ至る冒険譚などは幼い頃から何度も耳にした。
辿り着いたとも、辿り着かなかったとも語られるが、戻って来た者は居ない。
理想的過ぎて戻りたくないのかは分からない。
問題は、具体的な場所が判明している、少なくともそう語られている場所があることだ。
「改めて口にすると笑ってしまいそう。王陛下も無茶を言うわ」
「確かに、この命令を笑い飛ばして無いものと扱うのは難しいですね。一方で、慈悲でもある」
いつまでも門前で話してはいられないので、勝手口から屋敷内へ入り、今は使用人用の休憩室で団らん中だ。
貴人をこのような場所で、とは思ったが、メェヌとはいつもここで過ごしているそうなので反対するのは控えた。
逃げた使用人らがこぞって盗み出したことを考えれば、応接室や談話室など、貴族向けの部屋がどうなっているかは想像に容易い。
「そうなの?」
「誰が聞いても不可能と分かるからです。子どもの頃の事ですから、なんとも言えませんが、似たような命令を受けた人は過去に居たんじゃないでしょうか。実質的な追放、ある意味穏当な形で相手を排除する方便ですよ」
「前任者が居るのかしら。その辺りは何も聞いてないわね」
「勅書はありますか? 後で確認させていただければ」
「えぇ、鍵付きの戸棚に入れてあるわ」
お嬢様の後ろでじとーっとにらみ続けているメェヌを意識の端へ留めながら、簡単に状況を整理していく。
まず、ファトゥム家の持っていた貴族位、これははく奪されている。
法廷へ出る事は叶わなかったが、こういうのは本人不在でも平気で進行し、一方的に罪を着せてくる。
無人の被告席へ向けて判決を言い渡す裁判官の姿は滑稽だが、政治はとにかく形式をやり通さなければ決定を下せない。
次に財産だ。
これも没収済みとなっている。
細かい所は省くが、現状残っているのはこの港湾都市の支配権のみ。
派遣されてきた代官が港の管理や、都市内の税収などを取り仕切っており、既に有名無実化しているという。
全て法廷の結果を受けた王の名の元で言い渡されたことなので、これは仕方ない。
家臣団もおらず、都市の管理運営など出来る筈もなかったのだから、引き継ぎ終了までの支援と思ってもいいくらいだ。
という訳で、金も無く、地位も無く、使用人は僅か二人で、今や当主となられたエラお嬢様も、ほんの半年ほど前までは最低限の教育を受けていたに過ぎない。
むしろ半年もよく持たせたと感心する。
「その辺りは、メェヌと一緒に頑張ったの。カーリが戻ってきてくれるっていうから、今残ってる総督としての地位だけはって、色々と言い訳を考えて、引き伸ばしたのよ」
「今のお嬢様は、たった半年で赤痢とコレラと天然痘を患ったことになっています」
それはよく生き残ったものだ。
街中で指差されて噂話していたのも、案外揶揄というより伝染病抱えたお嬢様が歩き回っていることに驚いただけかも知れない。
「面白かったわね。一度だけ盗みに入った人が居たんだけど、シーツを被ったまま病名を告げたら慌てて逃げていったわ」
「港は伝染病の上陸地点になり易いですし、敏感になるものです」
下手をしたら屋敷ごと火を点けられていた危険もあったので、今後は使わないよう強く言い含めておくことにした。
ともあれ今は別の話だ。
「手持ちとしては王の勅書と、総督の地位。屋敷も総督の館という扱いになっているから、残っている家財も引き渡すべきものとなりますか」
「ごめんなさい、たったこれだけなんて」
「いえ。値千金ですよ、エラお嬢様、メェヌ」
名を呼ばれ、メェヌが不快そうに眉を寄せた。
エラお嬢様は藤色の瞳を瞬かせ、何を言い出すんだろうと期待の色を浮かべている。なんだか、いたずらでもしている様な気分だ。
「どうするの、カーリ?」
立ち上がった私へお嬢様が問い掛けてくる。
「まずは港へ」
間に合うだろうか、と焦りを感じつつも、あくまで優雅に向き直り、応じる。
「何はともあれ資金繰りです。一先ず、使えるものは何でも使って金を得て来ましょう」
※ ※ ※
ひとっ走り行って、すぐさま戻って来た私は、そのまま執務室へと閉じこもった。
ここ半年、更には六年間、可能ならばもっと前。
とにかく情報が欲しかった。
ただの総督としての記録に国情云々など記載されていないが、今欲しいのは総督だからこそ得られる情報。
盗みを働いた使用人達も、ここを荒らすほど馬鹿では無かったらしい。
貴族が握る情報は、時として容易く庶民を殺す。単純な話、知られたからには生かしておけない、という奴だ。
だが今の私は、総督たるファトゥム家当主の許可を得て自由に閲覧が可能だ。
総督位の移譲という仕事も残っている為、書類整理は正当な理由付けにもなる。
陽が落ちて、戸棚から蝋燭を取り出し、読み耽る。
お嬢様が顔を出したのは、昼過ぎになってからだった。
「…………カーリ?」
「あぁお嬢様、ちょうど良かった」
「どうかしたの?」
私は執務机の上に出来た書類の山を指差した。
「この書類、写させていただいてもよろしいですか?」
昨日までは無かった山に目を丸くするお嬢様。
そこらの棚をひっくり返して、片っ端から記録やら目録やらを探しましたからね。
「ええと、それは表へ出して大丈夫なものなのかしら? ごめんなさい、私こういったことは習ってなくて」
「仕方ありませんよ。これは本来、家を継ぐ長男が覚えるべき仕事ですから。因みにここからここまでは問題ありません。ただ、ここからここは怪しくて、この端の数枚は完全に犯罪です。特に最後の一枚は知っただけで一般人なら処刑されます」
この人は何を言っているのかしら、なんて思っているのがよく分かる困惑顔のお嬢様。
昼下がりの光を浴びて、灰色の髪が薄く透けて見える。
そういえば今日はドレスではないんだな。
品の良い町娘じみた服装で、なんだか印象が凄く変わる。
うん。
「……おほん。お嬢様、情報は金になります。これからこの港湾都市は激動の時を迎えるんです。新たな総督がどんな人物で、どういう法を布くかも分かりません。この情報だけで判断は出来ませんが、少なくとも新総督もこの情報を基に判断を下します。最悪、手足となる家臣は目を通しますから、決して無関係では無いでしょう」
「だから、この書類を写して、欲しがる人に売って回る、ということ?」
「はい。幸いにもこれら書類は次の領主に引き渡すべきものではありますが、所有権はそれが完了するまでエラお嬢様のものです。ですので、今説明した範囲の情報を売って資金にしたいのですが」
これからどう考えても無理難題へ取り組まねばならないのだから、金はいくらあっても足りなくなる。
情報の売買などは序の口。
一番大口を求められそうだから最初に取り組むが、他にもあらゆる手を用いて金を、人を引き込んでいくつもりだ。
「そう、ね」
エラお嬢様が書類の山を眺め、私が最初に示した所に目を留める。
「カーリ」
「はい」
「頑張ってくれた貴方には申し訳無いのだけど、罪になることはしたくないわ。ファトゥム家は裏切り者の家系、そう呼ばれることは仕方ないとしても、これ以上罪を重ねたくはないの。だから――――」
トン、と罪にならない範囲までの所に手を置いた。
「ここまでは、許可します。というか、写すだけなら私も手伝うわ」
「いえ……それなら写しは取らずに話を聞かせるだけにしましょう。公文書を複製して売り払うことは罪に問われる場合がありますので」
裁判権を持つ貴族であれば自由気ままにやっていることなのだが、生憎とファトゥム家は没落して司法を手放している。
しれっと言った私をジト目のお嬢様が見詰めてくるが、その方針は今し方聞いた事なので許して頂きたい。
しばらくそうしているとお嬢様が吹き出して、口元を隠しながら笑う。
仕方ない人、なんて言いつつ、視線が書類の山へ向いた。
「――――ところで、知ると処刑される書類には何が書いてあったの?」
「先代国王陛下が男相手に浮気した証拠です」
「それは…………大変ね」
家が没落しては脅しにも使えない。
一般人などは簡単に口封じ出来てしまう世の中だ。
あるだけで困る品だが、流石に引き渡す訳にもいかないので、世界の果てまで持っていくしかないだろう。
なにせ、証拠の存在を王が知っていたなら、燃やして捨てました、では納得されないのだから。
「アレは私が肌身離さず持ち歩いておきます。代替わりしたとはいえ、王族としては知られたくないでしょうから。提出を求められたなら、すぐに引き渡せばいい。全く……血判付きの結婚承認書なんてどれだけ頭が沸いたら作ろうと思えるんでしょうね」
「あら、それはちょっと可愛らしいじゃない」
「そうですか?」
楽しそうに紙をめくったエラお嬢様が、ちらりと私を見て、手元に視線を戻す。
灰のように白い肌が、薄っすらと朱色を帯びていて。
「忘れたの? 私達も昔、結婚式ごっこをしたじゃない」
「それは……どうかご容赦を」
急激に顔が熱くなるのを感じながら、誤魔化すように未整理の書類を手に取る。
くすくすと笑うエラお嬢様が『そうね』と言って、手近な椅子へ腰掛けた。膝に両手を重ねつつ、まだ少し赤い顔で、書類整理を続ける私を見てくる。
「…………集中出来ないのですが」
「えー? 主人に仕事ぶりを見せるのが嫌なの?」
「本当に、許して下さい」
熱さで茹だりそうになっていたら、外からメェヌの声が来た。
「お嬢様っ、まだ掛かりますか?」
「あっ、いけない」
すっかり何かを忘れていたらしい我らが主は、すぐさま下僕監視を終えて立ち上がってくれた。
メェヌの声からして、それなりに急ぎの要件らしいが。
「ごめんなさい、カーリ。さっきからカーリ宛ての荷物が沢山届いて大変なの。手伝ってもらっていいかしら?」
カーリぃいい! と、ようやく妹分の声に含まれる怒りを知って、それを知っていた人物へ目を向ける。
「さっ、急ぎましょう。メェヌが待ってるわっ」
「口添えして頂いてもよろしいですよね」
「わ、分かってるわっ」
結局二人で怒られて、私はメェヌの逞しさと成長ぶりに涙した。
お嬢様は、終始笑っていた。
※ ※ ※
「で、これはなんなの」
広間に積み上がった木箱を背に、かつての妹分ことメェヌ=トーが仁王立ちしている。
執務室で雑談していた為に殆どの対応は終わっていた。
訳も分からず運び込まれる物品を、どうにか受け取りつつ捌いてくれた彼女の成長ぶりに、兄貴分としては涙の一つも流そうものだが。
「顔!」
「さて、ご質問の件ですが。これは、本日異国より届いた物。つまり私が乗っていた帆船が運んで来た交易品ですね」
「それがどうしてこの家に来るのっ」
やれやれそんな事も分からないのか。
成長したとは言っても、メェヌはまだまだメェヌだな。
「顔!」
「商人相手だ、金を積まねば買える筈もない。私宛てとしたのは、総督位の引き渡しに際して奪われない様、個人の持ち物とする為です」
さて、いつまでもメェヌを愛でていたのでは話が進まない。
私は木箱と共にやって来た品書きを手に取り、内容物の確認を始めることにした。幸いにも気の利く交易商はくぎ抜きを一つ、抜き身で置いて行ってくれている。
「これは……」
中身を覗き込んだお嬢様が首を傾げている。
モノは理解できるが意味が分からない。
良い反応です。
「今日はごちそうなのかしら?」
「そうしても良いのですが、これはあくまでおまけです」
一つ目は外れだった。異国からの野菜などが篭められており、実は食用としての状態は良くない。
「あぁありました。これです」
三つ目に開けた木箱を覗いて、お嬢様とメェヌが揃って固まった。
別段、中身に惹かれている訳ではないだろう。
どうして、という疑問の方が大きそうだ。
「……カーリ?」
「遂に犯罪を……。どこからこんなお金持ってきたんですかっ」
木箱の中身は大量の金貨、銀貨の山だ。
幾つも袋詰めされていて、それでも溢れた数枚が隙間を埋めている。
「お嬢様はともかくお前はなんだメェヌ。この私が、ファトゥム家の名を背負って犯罪などする訳ないだろう」
やるならもっと上手くやる。
そして運び込む場所は匿名性の高さを優先するな、うん。
「これは船の交易品を売り払った金だ。正当な権利だ」
「なんでお兄ちゃんがそのお金を受け取るのっ、やっぱり盗んできたんだ……」
「お前の俺への信頼が低いことは分かったが、そもそも運び込まれたことを忘れてるな」
そして混乱しているからか、お兄ちゃん呼びが出ているぞ。
「簡単に言えば借金です。船に残っていた交易品を、さる友人の名前で買い取って、それを元々売る予定だった相手に少し値を下げて売ったのです。欲しいのは現金でしたから」
「ご友人の名前というのは、勝手に使ってしまって怒られないかしら」
「うーん、まあ、向こうで掛けられた迷惑に比べれば大丈夫でしょう。むしろ私に借金を負わせることが出来たと、ほくそ笑みながら借用書を受けとることと思われます」
「その方は……ご学友なのよね?」
「そうですよ?」
まあ留学中は色々とありましたので。
「そっか……道を作る為の資金なのね」
「はい。これだけではなく、まだまだ送られてくる筈です。あちらの品は質も良く、とても高く売れると聞いていますので」
それだけに借金額も膨大となったのだが、そこはまあ開き直るしかない。
全てはお嬢様の為。私自身の為。
行った先で日銭を稼ぎながら三人で鍬を振るなんて非現実的な方法を取るつもりはありませんからね。
「…………お金を返すのは、私も協力するわ。名義はカーリでも、これはファトゥム家が背負うべきものでしょう?」
おっと。
「その辺りは追々。実現性を脇へやれば、道づくりに付随する金策も多くありますので、稼げるようになってから考えましょう」
案外気が付かれるものだとお嬢様から目を逸らす。
あまり気苦労を掛けたくないので、返済に関しては一人でやるつもりだったのだが。
折角なのでと木箱を開けて中身を見分していたら、表の方から新たな人の声が掛かった。
「この声、代官さんのものね」
「今度はなにやったんですか」
二人揃って私を見るので、この家での信頼度も高まって来たことに満足して頷いた。
※ ※ ※
見事に整えられた髭の小男が勝手口の前で男数人を連れて立っていた。
彼は最初、女二人しかいないだろう屋敷から私が出てきたことに驚いた様子だった。
いや、それだけじゃないか。
最近まで伝染病を患っていた事になっているんだ、警戒するのは当然か。
「何者だキサマ……」
「名はカーリと申します、代官様。立場は……」
そういえば忘れていた。
「お嬢様、お願いがあるのですが」
振り返り、後ろから付いてきていたお嬢様へ声を掛ける。
日差しが眩しいのか、目を細めて眉を寄せる様がちょっと愛らしい。
「なんですか?」
「家令の地位を下さいませんか?」
「えぇ、いいわよ。どうぞ」
にっこり笑って認めてくれる。
有難い。
「では早速拝命致しまして――――私はカーリ、ファトゥム家の家令である。代官が何様か」
急に態度が変わったので訝しんでくるが、爵位無き家とはいえ未だ総督位を持つ元貴族の家令ともなれば、主人の名代としてそこらの者に謙るなどありえない。
因みに家令とは貴族に仕える家臣団の筆頭、とでも思ってもらえばいい。
実際に家名を背負った交渉事などでも表に出る為、下僕としての振舞いだけでは成立しない地位だ。
その辺り、場繋ぎの代官では忖度も出来ないらしく、若造が、などと吐き捨ててきた。
「港で好き勝手やっているのは貴様だろう。誰の許しを得て市を開いておる」
「あぁ、蚤の市のことか。あれはいつもやっていることだろう? 許可を出すのは総督の持つ権利だ。税の徴収その他都市の運営は移譲されているが、港は未だこちらのものである」
「王陛下より直々に都市の移譲を滞りなく行える様、運営その他を引き継げと言い渡されておる。船の交易品の売買はそれこそ港湾都市にとっての大事。管轄は私にあると思うのだが?」
なるほど。
「そういえば代官様にはご挨拶がまだでしたね。私は先日こちらに着いたばかりですので、つい目先の事ばかりに気が向いてしまいまして。申し訳無い、これはほんの心付けです」
先ほど届いたばかりだが、金貨の入った小袋を一つ握らせてやる。
それなりの額になるが、蚤の市での収入を考えれば十分に黒字となる範囲だ。
「それでご相談なのですが、そもそも蚤の市は非公式な、民間で行われる闇市のようなもの。都市の正式な運営ではなく、古くから土地の所有者による特別な計らいによって行われて来たものです。近くこの地を去る身として、最後に民を労ってやりたいのですが、どうかお目こぼしを願えないでしょうか」
「そ、そうか。ふんっ、礼儀を弁えているのなら、相応に扱ってやる事も出来るな。よしお前らっ、引き上げるぞ!」
あっさり去って行く代官御一行。
メェヌが舌を出して、べーっ、とやっているが、はしたないのでやめなさい。
これで出立まで代官も寄ってこないだろう。
蚤の市は非公式に行われるもの。
つまり引き継ぐべき税収とは別枠だ。
彼は総督が変わっても残る可能性があるし、今後こっそり開いて金を稼ぐには丁度良い方法だと知れた訳だな。
あくまで民が物を持ち寄って開かれる市なのだが、交易船の停泊する港では商人らも集まる極めて金の動く場所となる。つまり、出店に際してそれなりな金額を請求するだけで結構な儲けとなるのだ。
総督位という地位だけ生み出せる金、まさしくお嬢様とメェヌが守ってくれた値千金の収入だ。
なので私は二人を讃えるべく振り返ったのだが。
「……やっぱり異国ですっかり穢れたのです」
「駄目よ、そんなこと言っては。カーリは大変だったの。昨日も話したじゃない。優しくしてあげましょう?」
どうして揃って私を憐れんでいるのです?
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