第2話

俺の名は三月 勇斗。大学のダンジョン研究学科で助手として研究の手伝いを行っている。


『ついに完成したから実践してもらいたいんだけど』

『はい、わかりました。すぐに向かいます』


今日は博士に呼ばれて研究室に向かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おお、来たか三月くん。」


この人は御手洗 明奈博士。ダンジョン研究学科の工学専門の博士でダンジョン探索に必要な緊急脱出装置を開発した有名な博士だ。


「お疲れ様です博士。んでこれが完成した人体強化モジュールですか?」


研究室の机の上にはまるで仮◯ライダーの変身ベルトのような装置が置かれていた。彼女は天才として名高い人なのだが仮◯ライダーが好きで、ある時から仮◯ライダー

を作るんだ!といったっきり研究室から出なくなってしまっていた。


「博士...これ...変身ベルトですか?」

「いかにも!架空の戦士を現実世界で再現するために時間はかかったがようやく完成したのだよ!これを名付けて『超戦士ベルト』と名付けた!」


ネーミングセンスがダサい。まぁそれも博士の特徴なんだが。脱出装置だって自分が名を変えたものだ。元々は『逃走装置』というなんとも嘲笑っているというかなんというか。


「博士、名前は自身で決めないでください。この前みたいなことになっても知らないですよ」


博士は前に『タコ殴り』と名付けた機械を学会に提出して笑いものになっていたのだ。それ以来学会に提出する際は自分を通して行うようにしている。


「うぐ、わっわかっているわ!あんな冷たい視線を受けたくはない...けど名付けはしたいんだよ!」

「機械に名をつけるぐらいならいいですけどそのままの名前で提出しないでくださいね」

「はい...」


なんか子犬のような感じがするもののちゃんと叱ってやらないと何をするかわかったもんじゃない。


「んで今回はこれを試してみろってことですか?」

「そうそう!このベルトを使ってダンジョンで使ってほしいのだよ!」

「・・・」


子供の頃はよくヒーローになりたいとは思っていたが、まさかやるとは思っていなかった。


「わかりました。でも1度試しに使わせてください。」

「わかった!そしたら...このベルトを締めてくれ!」


ベルトを締めてみる。すると自分にしっくり来るぐらいの大きさに変化した。これで戦うときにずれ落ちることはないだろう。あまり重いわけでもない。ジャンプした感じあまり障害にもなっていない。


「んで、これを...」


そう言って渡されたものは手に収まるぐらいの大きさの赤を基調とした片手剣だった。


「それか変身するためのキーだ。ダンジョンから出てきた剣を下に作った。それを右の上部の穴に差し込んでくれ。」


博士の指示に従い、操作する。赤い剣を差し込むと...


『紅剣 フランベルジュ』


「うぉっと!」

「ははは、それでその差したところの下のボタンををしたら剣の部分を横から押して横に倒してくれ。そうすれば変身するはずだ。」

「わかりました。」

「あっそうそう、横に倒す前に変身って言ってね。」

「...」


『セイバーモード』

「変身ッ!」


ガチャ!


『♫〜』


どんどんと自分の体がメタリックなフォルムに変化する。そこに剣の色が加わって剣と一体化した感じがする。


「おおー!実験は大成功だ!」


興奮して、飛び上がっている博士。


「なんですがこれ!力が湧き上がって来ている気がします!」

「それはもととなる武器を核として力を一体化させているのさ!」


その後身体能力の確認のため、軽くジャンプしてみたり走ってみたりしたがものすごく強化されている。


「とりあえず、そのまま訓練場に行こうか」


博士に連れられ訓練場に向かうのだった...

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