初段、黒帯、ゴール地点
地獄少年
初段、黒帯、ゴール地点
突然ですが、私は空手初段です。
四半世紀以上昔に取得した段位ですので、もう初段の実力なんてありません。今は腰痛で苦しむポンコツのおっさんです。
【初段】
いい響きですよね。空手道・柔道・剣道・合気道など、武道の世界では一定の実力を認められた存在。
他にも、書道や将棋、太鼓の達人などでも段位は存在します。
黒帯は空手・柔道など一部の武道のみですが、どちらにせよ何かしらの「道」を歩み始めた者にとって「初段」は憧れの目標、すなわちゴール地点です。
でもね、初段を取得した人は分かると思います。
「初段」って、その道のスタートラインに立ったに過ぎないのです。それまでの「級」はプロローグ、チュートリアル期間とでも言いましょうか。
初心者にとって「初段」は甘美な響きで憧れの存在です。初段をとって、黒帯を締めて、鼻高々に自慢してやると何度も妄想するものです。
でも、初段を取ると分かります。有段者の中ではペーペーの下っ端でしかないことを。2.3年練習すれば初段なんて誰でも取得できるということを。
私が初段を取得した時の率直な感想は、「一万円で黒帯買ったな」でした。一万円は昇段試験の受験料ですが、免状と黒帯を買った感覚しかありませんでした。(もしかしたら、昇段試験の受験料と黒帯は別料金だったかも。記憶が曖昧でスミマセン)
ずっと掲げてきたゴール地点が、実はスタート地点だった。とても残念に聞こえるかもしれません。でも、ポジティブに考えればそこで世界が広がったとも言えます。
その道を歩む者として次の大きな目標は「四段」でしょうか。
将棋の世界では四段からプロ棋士と呼ばれるそうですし、武道の世界では四段から指導者になれます。
余談ですが。高校時代、私はテニス部でした。その時のテニス部の監督は剣道四段、柔道四段の持ち主。もちろんテニスもバカ上手い。インターハイで優勝した選手を指導する立場でもあったようです。当時はなんとも思っていませんでしたが、今考えるととんでもないお方に指導してもらってたんだなと震える思いです。まさに運動神経の塊。肩書きは「田舎の県立高校の体育教師」なんですけどね。(注:私のテニスの実力は底辺でした)
話を戻します。四段になればまた新たなスタート地点に立ったと実感し、世界が大きく広がるのでしょうね。指導者として、その道を極める者として上には上がいくらでも居ますから。
私は初段で止まってますので、これらの話は妄想に過ぎませんが、概ね間違ってはいないと思います。
「ゴール地点」だと思っていた場所が、実は新たな「スタート地点」だった。
これ、武道だけの話じゃないです。何にでも当てはまります。仕事も同じですよね。
昇進して役職を与えられた直後に態度が急変して天狗になる人をこれまで何人も見てきましたが、管理職に昇進したからといって偉くなったわけじゃないですよね。係長初心者、部長初心者の自覚があれば部下にイキってる暇なんて無いはずなんですが。
そうやって「ゴール地点」と「新たなスタート地点」を何度も繰り返し経験しているうちに誰も辿り着けない高みへ到達する。まさに「道」ですね。そうやって年老いていくのが人生かもしれません(ちょっと大袈裟かw)
何が言いたいかというとですね。
「書籍化」を目指すアマチュア作家の皆さん。「書籍化」はゴールであり、新たなスタート地点ということです。
書籍化してイキってる人を某SNSでよく見かけますが、大丈夫かなと心配になりますw
プロ作家として有名作家、レジェンド作家と同じ土俵に立ったという自覚があれば、底辺アマチュア作家を相手にマウント取ってる暇なんてないはずですから。
【ゴール地点とスタート地点は表裏一体】
以上、底辺アマチュア作家の戯言でしたw
昔の映画でこんなラストシーンがありましたね。
「俺たち、もう終わっちゃったのかなあ?」
「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ!」
初段、黒帯、ゴール地点 地獄少年 @Jigoku_Shonen
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