第11話 姫のごとく

私は昔から姫に憧れを抱いていた、気品があり優雅でそして愛くるしさを持つ姫に。

そんな子供ぽい夢なんて大人になれば忘れると思ったけど大人になったら優雅な人になりたいという思いに拍車がかかった。

「桜が描いてある着物とかないかな」

「またかい、ロリータとか姫って感じじゃん何でそこまでして和風にとりついてんのさ、そしてなぜ桜?」

「ロリータはプリンセスって感じじゃん!姫は日本ぽいでしょ?それに桜も日本ぽいし」

「着物が何万すると思ってんのさ、安くても30万いくかもしれないよ?桜なんて豪華な着物にしかないイメージじゃん?」

「その時はその時…」

「まず自分が何になりないのかなにが着たいのかよく考えて悩みまくって結果をだしな」

正論パンチは姫にきついです…

言われてるのはごもっとも着物を買うにも高いし作ろうにも専門でもないし知識もない。

うーん、どうしようかな





「これいいんじゃない?」

正論パンチを喰らってから半年、季節は夏になった。

夏ということは夏祭りがあるそこで着れるものは!

「浴衣だ!安いのもあるしレンタルできるし軽いし可愛いのたくさんあるし!最高なのでは?!」

ネットやチラシには水色や黄色の定番カラーがあるがレンタルや専門のお店には桜が描いてある浴衣もある、すこしギャルのがあるけどもおしとやかなものもある。

「よし夏祭りに行こ!」

ネットで即購入したあと友達に夏祭りの誘いをして予定を決めて浴衣を待つことにした。数日後届いた浴衣を着てみるとお淑やかさがあり華やかで私好みだった。




近くの公園の夏祭り

「お、お姫様がきたな」

「浴衣似合ってるよー」

「この日のために買ったんだ!」

友達から褒められて嬉しいし楽しい。そのあとは普通にお祭りを楽しんだ、金魚すくいをしたりりんご飴食べたりして楽しんだ。

「あの…」

同じような桜の着物を着た女の子に話しかけられた。

「どうしたのお嬢さん?」

「一緒に写真撮ってほしい…」

どうやら写真だったようで後ろからお母様らしき人がきて確認をしにきた、もちろん私は了承した。

女の子に合わせて屈んで一緒に撮った、女の子は照れながらも嬉しいにしていた。

「ありがとうお姉さん!」

「いいえー」

「さっき見つけてお姫様がいた!って言ってたんです」

「うん!お姉さんお姫様みたい!優しくって綺麗で!あと…」

私は嬉しくって心の中でやったー!と叫んでいた、私もお姫様みたいになれたんだと夢が叶って嬉しかった。もっともっと優しいくって綺麗なお姫様になってみせる。





桜の花言葉

優美な女性、純潔

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