第5話 悲しみを乗せて

おばあちゃんが亡くなった。

病気で入院していた、回復の希望があったのに悪化して亡くなってしまった。

「そろそろお坊さんくるわよ」

「うん」

おばあちゃんっ子だった私はこの悲しみを乗り越えるのは厳しいだろう。

お経を聴きながらおばあちゃんとの思い出を思い出していた。運動会で一位を取った時褒めてくれたことや、おばあちゃんの友達に自慢してた思い出が頭に出てくる恥ずかしかったけど嬉しかった。




棺桶の中に花を入れる、菊の花や百合をたくさん入れた。

「ばぁさんは色があった方が喜ぶ」

オレンジ色の花をおじいちゃんが持ってきた、少ない数だがよく目立っていた。キンセンカという花らしい、これはおばあちゃんが好きな花だったそうだ。

「俺も少しは花に興味がある」

と小声で言いながらおばあちゃんの顔の近くや手元においた。

私もおばあちゃんの胸付近においた、その姿は好きな花にまとわれており美しかった。

おばあちゃんは天国で微笑んで花を愛でているのだろう。






キンセンカの花言葉

 別れの悲しみ

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