第2話 悲しみの六色
朝日が昇ると同時に庭に埋めた種の様子を見る、赤色の蕾や紫の蕾があと少しで花になりそうだ。
私は元々花に興味はなかったけど学校の好きな人が花が好きって言っていたから試してみた。
その子の好きな花はアネモネ、ここの庭に埋めたのもアネモネだ。
「今日もお話しするぞ」
玄関でつぶやき勇気を振り絞って家を出た、早く話をしたいからすこし小走りに学校に行く。
教室に入ると一番乗り、あと少しであの子が来ると思うとワクワクする。
「いつも早いね」
「うん、遅刻はしたくないからね」
「アネモネはどお?咲いた?」
「今二つが蕾でもう時期咲きそう」
優しい声でニコニコと笑う彼が私は好きだ、この調子で告白までいけたら嬉しい。
「放課後部活あるよね、そのあとさ空いてたら一緒に花のタネ買いに行かない?お母さんが植木鉢とか買ってくれたから」
「いいよ!見てみよ」
私からの提案に嫌な顔せずにオッケーしてくれたとても嬉しい、授業の時はどの花がいいかや何の話をしたいかをメモしていた。
放課後になり下駄箱で待っていた、部活が終わるまで読書などして時間を待っていた。後ろから声がして振り返ると約束をしていたあの子がいた。
「あ…」
声をかけようとしたが、手を繋いで歩いていた。
相手は学校で一番可愛いと言われている女の子だった、2人は付き合っていた。
今まで自分がしてきたことが悔しくって辛くなって私はそこから逃げ出してしまった、置いていって約束を破ったことなどが脳裏をよぎる気付けば家の前にいた。
庭にあった鉢植えをもって壊そうとしたが、私にそれはできなかった努力して育てた花を壊すことなんて私にはできなかった、言葉に表すことができない悲しみが来た。
アネモネの花言葉
儚い恋
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます