ゴミ捨て場の花達
黒蛾骸彦
第1話 小さいピンクの幸せ
白いドレスを着た友人の姿はとても美しかった、周りに飾られている花にとてもよく似合う。
「これあなたに」
渡された花はピンク色のバラ
「せっかく貰ったのにすぐ枯れちゃったな」
コップの中に水と花を入れて保存していたが、花びらは数枚落ちて茶色になりつつある。
「気に入ってたから残念」
少し気持ちが暗いまま仕事に行った。
「あれこんなとこに花屋さんあったんだ」
足を止めて見た花屋、店先には秋の花がたくさん並んでいた。
その中にひっそりと結婚式でもらった薔薇と同じのがあった、他の花に埋もれて隠れてしまっていた。
「あの花…」
でもこれから仕事があるからと思いその花屋を出た。
その後もあの花屋にあったピンクのバラが頭から離れなかった、あまり花には興味なかったがなぜかあの花だけは欲しいと思った。
「どうしたんだい?」
机をじっと見つめていたのを心配した先輩が話しかけに来た。
「実は前結婚式でもらった花が枯れてしまって、そしたら行きに似た花を見つけて」
「買うの?その花」
「いや、うーん、どっちなんでしょあまり花に興味ないし」
「でも、その花が気になってて頭から離れないのはその花に興味があるからじゃないか?」
他の人からみても私はあの花に興味を持っていたと知った。
そっから早く仕事を終わらせてあの花屋へ向かった、まだ店が空いていることを願ってまだあのバラが残っていることを願って見に行くとまだ店はやっていた。
「あのピンク色の薔薇ってありますか?」
あることを願って聞くと。
「一輪しかないんです」
「ならその薔薇ください」
それでもいいと思ってその一つのバラだけを買った、丁寧に紙に巻いてくれた店員さん自分に渡すのに少し豪華に見えた。
帰り道その薔薇を大事に持って家に帰った、飾ってあった薔薇はもお跡形もない。
中の水を捨てて買ったばかりの薔薇を刺した、前の薔薇よりも数は少ないけどそれでも私は少し幸せになれた。
ピンク色の薔薇の花言葉
幸福
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