031 ガイドマップがあれば【爆釣】できちゃうかも!?

「おぉーすげえ。ここが魚市場か」

「お魚いっぱいだにゃー」

「ビチャビチャですね」


 翌日、早朝。

 昨日は魚ベットと魚枕のある良い宿で眠った。

 

 クチコミの評判通り部屋も広くて静かだった。

 値段はそれなりにしたが、その分の恩恵はあった。

 

 もちろん水は使い放題で、風呂も入れた。

 湯舟は大きくなかったが、久しぶりに温かい湯は本当に気持ちよかった。


 船の予約は昼からなので、それまで時間を潰そうと観光に。


 これもまた、旅での醍醐味だ。


「ぴちゃぴちゃってなんだ……?」

「地面がです」


 なるほど、そいうことか。

 アクアの言葉なんかたまにえっちぃんだよな。


 ま、何も思ってないが。


「さあさあ、このオルトリアパッツァ新鮮だよー!」


 すると、マジでデカすぎる魚を大勢の前で販売しているオッサンがいた。

 何というか、本マグロみたいな感じだ。

 いやそれよりもデカいが。


「1金貨だ!」

「いや、2金貨!」

「俺は3金貨だ!」


 随分と景気もいいらしい。


【ヴィルディ魚市場】

 4.4★★★★☆(5541)


 釣り好き冒険者

 ★★★★★

 毎朝の釣りが楽しい

 この世界では貴重


 釣り大好き王都民

 ★★★★★

 わざわざヴェルディに来てるのは釣りの為

 奥さんにバレないようにしないとなあ


 B級冒険者

 ★★★★★

 暇つぶしに釣りしてみたらめちゃくちゃ釣れた

 そのまま食べることもできる



 クチコミを見て驚いた。

 口が、あんぐりと開く。


「タビトさん、どうしたのですか?」

「たまにあることだにゃ――」

「釣りができるって! 釣りだぞ! 釣り!」

「えぇ、いきなりどうしたの!?」

「げ、元気ですね」

「俺は三度の飯より釣りが好きなんだ」


 今のは嘘だが、でも割と好きだった。

 旅をしている途中でもたまにしてたし、日本でもよくしていた。


 それがまさか異世界で出来るなんて……。


 そして俺の頭に、おそらく電球がピコンを光る。


 もしかして、ガイドブックが釣りにも反応するんじゃないかと。


 ……試したい。

 

 それもできればみんなでワイワイしたい。

 しかし二人は楽しんでくれるだろうか。


 彼女たちは女の子、もしかしたら餌の芋虫(あるかわからない)に怯えるかもしれない。


「釣りって倒せばいいの?」

「多分そうじゃないでしょうか。魔力も十分なので、問題ないです」

「私もいけるよー! で、どこにいるの?」


 前言撤回、絶対怯えないな。


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