第44話 

 温泉を鉱夫の村に作るためにはたくさんの必要になるものがあった。

 まずは、温泉が定期的に湧き出るように地質検査を行い。

 その後で、温度はどれくらいで、源泉はどこになるのか。


 温度の確認するアイテムや、温泉に入るために施設。

 掘ることはローレ一人でもできるが、それを安定させるためにはもっと人手が必要になる。


 それらを考慮して、ドワーフの宿で女将さんに相談してみると。


「ドワーフはそういう物を作ることが好きだから、資金さえ出せば協力してくれると思うわよ。私が声をかけてあげましょうか?」

「いいんですか?」

「ええ、お客さんにはたくさんのお肉を提供してもらっているから。そうね。うちだけでなく、職人さんたちにお酒と食事をつけてあげれば、絶対に受けてくれると思うわ。うちも、料理の提供で協力させてくれるなら、潤うからwin-winで良いのではないかしら?」

「よろしくお願いします!」


 俺は早速女将さんの人脈を頼って、ドワーフの職人さんたちに動いてもらうことになった。


 まず、最初に動いてくれたのは地質検査を行なってくれるドワーフだ。

 モグラのような見た目をした髭ズラのドワーフで、少しだけドロドロになっている姿で出会ったので、汚く見えてしまった。


「ワシは、モドロ。よろしゅうな」

「よろしくお願いします」

「それで? 温泉はどこじゃ?」

「ここから徒歩で三日ぐらいの場所なので、走竜を使いますがいいですか?」

「うむ。行こう」


 岩場が多いマグマの世界では、馬は走りにくいので、走竜が主となる乗り物になる。

 ドワーフの街でも走竜はたくさん見かけていた。

 岩場をものともしない走竜は、軽やかなに走りぬけて鉱夫の村近くで見つけた温泉へとモドロを連れていく。


「ふむ。これは凄いのう。かなりの深さじゃ」

「ゴーレムで掘ったんです」

「階段も作ってくれておるから、便利じゃのう」


 螺旋階段を下っていくと、温泉が湧き出ている場所にたどり着く。


「ふむ。確かに温泉じゃ。しかも、距離があるからか、程よい温度になっておるな」


 モドロさんのお墨付きをもらって、早速温泉発掘作業が始まった。


 主に穴を掘るのが、ローレ。

 そして、それを鉱夫の村を繋げる作業をドワーフたちの作業員。

 そして、鉱夫の村にできる温泉宿建設が始まっていく。


 俺はゴーレム式ベルトコンベアーを開発して、荷物の運搬。

 モッティを使った肉の調達。

 サンドゴーレム軍団による。ドワーフたちの護衛など。


 多岐に渡る仕事を一人で行うことになった。


 と言うのも温泉建築費用にお金をかけすぎたので、冒険者たちを雇う金がなかった。肉も食料として確保しながら、冒険者ギルドに売り払うために、ララさんに出張買取女を作ってもらったほどだ。


 ついでに鉱夫の村を発展させることも同時に行なっていた。

 せっかくドワーフたちが来るのだから、鉱山だけでなく温泉宿として、街と街を繋ぐ宿場にしてしまえばいいと考えたので、様々な手入れをしているとお金がに糸目がなくなって来たのだ。


「お兄ちゃん」

「うん? どうしたのカイナちゃん」

「色々とありがとうございます!」

「えっ? 急にどうしたの?」

「お兄ちゃんが研究所を作ってから、美味しいご飯が食べられて、モッティと遊べて私は退屈しない日になったから、たくさん勉強して、お兄ちゃんの役に立てるようになるからね」

「はは、うん。カイナちゃんが賢くなるとご両親も喜ぶと思うから頑張ってね」

「む〜、わかってない」

「何?」

「なんでもない!」


 なぜか怒らせてしまったようで、カイナちゃんが頬を膨らませて行ってしまった。


 とにかく数ヶ月かけて、温泉掘りと、温泉宿作り、さらに街の発展を考えた宿場作りで俺の財布と魔力は枯渇状態の日々を送りるようになった。


 だが、そのおかげで魔力の絶対量は増えて、しかも様々なゴーレムの応用もできるようになった。

 鉱山でもベルトコンベアーゴーレムは大活躍することになる。


 鉱山内を枯渇させてしまうのはいけないが、輸出量が増えれば鉱夫たちの給与も上がる。だが、たくさんの人がやってきて鉱山を荒らしてしまっては元も子もないので、宿場を作る際に鉱山の所有権を冒険者ギルドに申請した。


 世界を繋ぐ冒険者ギルドは、世界の常識を超えた審判役としてそんなことも承認してくれる。


 もちろん、鉱山の持ち主はこの鉱山を見つけた、鉱夫長、つまりカイナちゃんのお父さんだ。


 職場に鉱夫の所有権と様々な人材が必要になったこともあり、鉱夫長を筆頭に人材移民募集をした。難民の中でも精査はさせてももらはないといけないので、犯罪歴のある人やあまりにも歳を重ねた方々は遠慮してもらった。


 それでもまだ働ける人には、温泉宿の荷物持ちや、庭の手入れなどをしてもらうことにして、いよいよ宿場が完成する頃には、半年ほどの日々が過ぎていた。


「ここが本当に鉱夫たちの村だったところなのかしら?」

「ララさん。ご苦労様です」

「ええ、お疲れ様。あなたが一番働いているけどね」


 いよいよ完成だ。


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 あとがき


 どうも作者のイコです。


 更新が止まっていて、申し訳ありません。

 今後は、週一ペースで更新ができればと思っております。


 どうぞよろしくお願いします。

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