第36話 素材合成 3(砂+骨+肉)
アイはとりあえず型番はできて、性能チェックもできた。
モッティは木の魔法が使えて、小柄でスピード重視の可愛い美少女にAIゴーレムで生成することができた。モフモフで、柔らかい部分も残せている。
対して、アイは高身長美人タイプで、パワーと頑丈さを注視して、鉄を自在に操れる魔法を意識している。
今は、二体の解析度を俺があげきれていないから、二つを使いながら、プログラミングで足らないところを追加していく構成を組む必要があるな。
「ふぅ、結構大変だな」
ゴーレム使いになった時。
サンドゴーレムをひたすら召喚しては魔物と戦わせていた。
最初は、ゴブリンやスライムにも歯がたたなくて、サンドゴーレムと思考錯誤して、魔物を倒したものだ。
レベル10になるまで苦労した時のことを思えば、今はどうして欲しいのか、プログラミングとして組み込むことで、AIゴーレムの機能が反映してくれる。
あの頃のことを思えば、簡単に気持ちが通じ合えるようになったと思うが、やっぱり簡単になんでも叶うわけでもないと思い知らされるな。
「お兄ちゃん。今日もここにいたの? ご飯持ってきたよ」
「ありがとう。カイナちゃん」
鉱夫の街にいる子供はカイナちゃんが一番幼い。
子供が産まれれば、お姉さんになるが。他の子達はもう働ける年齢なので、カイナちゃんの遊び相手がいない。
だからこうして俺の元にきて料理の運搬と、女のことしてのアドバイスをもらっている。
「今日も美味いね」
「ララさんがきてくれて、たくさんの野菜を置いていってくれたんだ。お父さんたちもミノタウロスの腸をハムにしたから、今日はハムとレタスのサンドイッチと、ごぼうサラダだよ」
新鮮な野菜をララさんが届けてくれたのはありがたい。
「それはありがたいね。お肉ばっかりだと栄養が偏っちゃうからね」
「そうなの?」
「ああ、ご飯は好き嫌いしないで食べないとね」
「うーん、でも玉ねぎは苦いから嫌い」
「それはあるかも」
「お兄ちゃんも? ふふ、よかった」
カイナちゃんとは随分と仲良くなれたと思う。
俺としてもご飯を持ってきてくれるから、一番話す機会が多い。
モッティの運動性能と、知識上昇にカイナちゃんとの会話は必要だと思っているので、モッティの成長にカイナちゃんとの遊びは大切だ。
「今日は何を作るの?」
「う〜ん、マグマの世界では、砂も岩もあるからね。どっちでもゴーレムにできるんだけど。ロックゴーレムはスケルトンゴーレムボディも考えてないし、イメージもまだないから、サンドゴーレムかな?」
球体のサンドスケルトンゴーレムを出現させる。
だが、これを女の子として形を整えるためにはどうすればいいのか? うーん、今の俺がイメージできる女の子はカイナちゃんだ。
カイナちゃんのような女の子から、そのお母さんぐらいの年齢にまで変化をできるというのもサンドゴーレムならできそうだな。
「サンドゴーレムのお姉ちゃんを作るの?」
「そうなんだけど、サンドゴーレムは自由度が高いことが売りなんだよね。スケルトンゴーレムも球体で核を守る性質しか持たせていない。マッスルゴーレムをどこまで合わせるのか悩んでいるんだ」
サンドゴーレム、スケルトンゴーレム、マッスルゴーレムの方程式はあっても、正解が見えてこない。
「カイナちゃんは、どんな子ができたら嬉しい?」
「砂のお姉ちゃん? うーん、大きくなったり、私と同じぐらい小さくなったりして遊んでくれたら嬉しいかな?」
「やっぱりそうだよね」
現在のサンドスケルトンでも、カイナちゃんがいうことはできてしまう。
イメージを作ることが一番難しい。
「とりあえず作ってみようか?」
スケルトンゴーレムも変化ができるようにプログラミングを組んで、軟体動物の筋肉をイメージしてマッスルゴーレムを作り出す。
ただ、軟体動物のタコやイカの形では立つことができないので、その辺は変化をつけて足の部分がスケルトンゴーレムの本体部分にしてみる。
軟体動物と同じ筋肉構造を作った上で、サンドゴーレムを合成することで、外面をサンドゴーレムの美少女を作り出す。
「うわ〜、可愛い」
出来上がったサンドゴーレムは、10歳ぐらいのカイナちゃんと同い年ぐらいの女の子。砂に見えないように肌らしく見えるようにAIゴーレムで再現もしたけど、カイナちゃんには可愛く見えたようだ。
結局は全て砂なので、髪の毛らしき物もイメージした。
金髪風の砂髪に、可愛い女の子にはなったが、見た目に反して、維持する魔力コストが高い。
性能はサンドスケルトンゴーレムの時よりも自立型になっているので、上がっているが、見た目と能力に反して魔力消費が激しすぎる。
「ふぅ、きつい」
見た目や課題も多いな。
ただ、砂で髪の毛に見える見た目が作れることがわかったから、アイアンゴーレムのアイにも、鉄で作った髪を作ってあげてもいいと思う。
彼女だけ髪がないのは可哀想だからね。
二度とブサイクと言われうないために、綺麗にしてあげたい。
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