第26話 鉱山攻略 3

 モヒカン隊長の話によれば、彼らは犯罪者で強制収容施設に送られていたそうだ。

 しかし、ある時収容施設に英雄が現れた。

 英雄は、強制収容施設にやってきた当初は大した力を持っていなかった。


 だが、強制収容施設でレベルを上げていくことで、収容所ランキングを駆け上がって行った。


 だがそれでボスになれるほど強制収容所は甘くはない。


 黄泉のハゲ丸。

 魔眼の蜘蛛の助

 キング犯罪王


 三人の強者たちが派閥を作って争っていたそうだ。

 キングに犯罪王って被ってないだろうか?


 そんな彼は力をつけて、派閥を持たないまま別の手段を行使した。

 看守長を味方につけたのだ。

 強制収容施設の全てを熟知している看守長を味方につけることで、それぞれのは派閥のボスと対決できる環境を作り出して、成り上がっていったのだ。


 ボスへと成り上がった彼は強制収容施設の者たちを引き連れて脱走をした。


 モヒカンスタイルは、脱走者とバレためであり、顔に化粧を施して連帯感を持った。


 しかし、人の世は世知辛く。


 100名近くの団員を食べさせるためには、物資が足りない。

 強制収容施設に入れば、雨風が凌げて不味くても食事は食べられた。

 不満が溜まる犯罪者たちのために、ボスがとった行動は村を襲うということだった。

  

 ただ村を襲うだけでは今後が続かないと判断したボスは、全員で扉を潜って鉱山の村を手に入れることを考えた。

 鉱山に行けば武器が手に入り、今後鉱山を元手に資金を作る思惑があったようだ。

 

 だが、そこで問題が生じた。


 鉱山には魔物が出るため、鉱夫たちを護衛していた冒険者を殺して村を襲ったため鉱夫を守る護衛をするものがいなくなってしまったのだ。

 強制収容施設から逃げてきた者たちに護衛をさせた際に鉱夫たちをほったらかしで逃げ出したのだ。


 仕方なく自分と幹部たちで鉱夫たちの護衛をしながら鉄を集めることにした。

 

 だが、今度は荒くれ者たちが、村の女性に手を出したのだ。


 これには鉱夫たちが怒りを表して仕事をしないと言い出した。

 手を出した荒くれ者たちを処刑して怒りを収めるように動いたが、溝が埋まることはなかった。


 ストライキを起こしているのが現状ということだ。


「カイナはここの鉱夫長を務める者の娘なんだ。そして、私はララ、冒険者として彼女を守るように言われた。ボスは鉱夫長に命令を聞かせるためにカイナを探しているんだ」


 女性はララという冒険者、鉱夫たちを守る冒険者仲間の一人だった。

 だが、あの襲われた日に他の冒険者と鉱夫長の願いを聞いてカイナと共に隠れながら逃げた。


 だが、広範囲に広げられた荒くれ者たちの包囲網によって結局、この場から逃げられなくなった。

 それから数日は手持ちの食料と、食べ物をくすねてなんとか生き延びた。


 何度か、冒険者がやってきたが、荒くれ者たちによって倒されてしまったいう。


「だから、あんたが来た時も頭の荒くれ者の一人が私たちを引きずり出そうと芝居をしていると思ったんだ」

「なるほど。そういうことだったんですね」


 ララさんの警戒心も当たり前だと思う。

 

「だけど、どうやってここまで辿り着いたんだい? ここまで辿り着く前に人影があると警戒されるはずだけど」


 多分、サンドに乗ってきたから人だと思われなかったのかもしれないな。


「もしかしたら、脱出する方法を俺は持っているかもしれません」

「そうなの?」

「はい。ただ、倒した荒くれ者たちを倒してから時間が経ってしまっているので、そろそろ第二陣が来るかもしれません。普段は、どこに隠れているんですか?」

「場所は教えられないけど、まだ見られていないなら逃げられる」

「わかりました。それでは隠れていてもらえますか? 荒くれ者たちに対処できるのか試してみます」

「無理しないでね!」


 俺は三日分の食料と水を二人分渡して隠れているように促す。


 カイナちゃんは最初から最後までララさんに身を寄せていたが、お腹いっぱいご飯を食べられて眠くなったようだ。

 

 二人を見送って、俺自身もどこかに身を隠すことを考える。

 魔力を使い続けていれば、こっちの方が消耗して負けてしまう。


「古民家の中で隠れられそうなのは」


 俺はサンドに身を隠してもらうことを思って天井へ移動して身を隠す。


 サンドにベッドになってもらって目を閉じる。サンドは俺がしんどくないようにフワフワな砂になってくれて包み込んでくれる。それが暖かくて眠りやすかった。


「ここもいないか?」

「ウォッ! モヒじゃねぇか?!」


 どうやら第二陣が来たようだ。

 いびきでバレるわけにはいかないからね。サンドに包まれて様子を見るとしようか。


「くそっ、あの女にこんなことができたのか?」

「いや、絶対誰かいるはずだ。探せ、絶対に見つけるんだ」


 どうやら俺の存在に気づいているようだが、バレてはいないようだ。


 今日はこのまま動かないので、じっとしたまま過ごすことにしよう。


 一晩明けても探しているようだが見つけられることなく過ごすことができた。

 魔力も充実していくのを感じる。


 そろそろ動くことしましょうか? 俺はモッティを召喚した。

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