第2話 第一歩

 初めて読んだweb小説は転生ものだった。ライトノベルと呼ばれる小説で、一話一話が隙間時間に読むことを前提として短く書かれていて、その作品を読み出してからは会社の休み時間が楽しみになった。


「いつかはオレもあんな作品を⋯⋯、なんて夢を見て登録してはみたが1,000文字ってこんなに辛いのか!?」


 ある程度のあらすじを書いてからタイトルを決めて本文を書き始める。しかし、書き出してすぐに文字数の壁、そして物語の表現の壁が同時に襲いかかってきた。


「死んだだけのシーンを書くだけでこんなに時間がかかってしまった⋯⋯。とりあえず更新っと」


 初めてのサイトへの投稿、書いた文字数は390文字、それがオレの⋯⋯、スタートラインから踏み出した第一歩だった。その夜はどんなコメントが貰えるのかワクワクしながら眠りについた。

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