第43話 夏休み明けの登校
☆☆☆新学期
夏休みは終わり二学期が始まった。残暑の中真子と一緒に学校へ向かう。恋人として初めての登校である。
「登校中も先輩が隣にいるの凄く嬉しいです……えへへ~」
「俺も最高に嬉しい……こんなかわいい彼女と一緒に登校できるとか最高だ……」
「せんぱぁい……」「真子……」
そして俺達はもはやバカップルと言っても過言じゃない。だって、真子が可愛すぎるし……
「はぁ……でも、どうして、先輩と私クラス一緒じゃないんでしょうか。私学校でもずっと先輩の傍に居たいです……」
「授業も一緒だったら勉強に手付かなくなるから……それに学年が違うからこそ『先輩』って呼んでくれるんだし……俺さ、真子に『先輩』って呼ばれるの凄い好きだから」
「そ、そうだったんですね……じゃあ、いっぱい言います……せんぱい……せんぱい~~せんぱい~せんぱいせんぱいせんぱ~い!」
なんだこの子可愛すぎか?
「せ~んぱい~好きです。先輩先輩先輩~~~」
天使すぎるだろ……もうどうしたらいいんだ……
イチャイチャしていると学校へ着く、やがて学年を分ける階段に着いた。
「せんぱい……やっぱり離れたくないです……」
「俺も同じ……その、昼休みも一緒にご飯食べよう。だから……」
周囲を確認する。ちょうど人の流れが切れたので……キスをした。
「会えない時間は……これで我慢してほしい」
「せんぱぁい……!」
「またね……真子」
「はい、また昼休みに……ひひひ……」
真子もにやけている……俺もだけど。いいな学校で恋人と昼休み過ごすのも……幸せだ。
☆☆☆教室にて
自分の教室に入る。チャイムまでは時間があるし真子にLEMON飛ばそうかな。
「おや、どうしたんだい武野。普段よりも口角が20%ほど上がっているね、これは……何かいいことでもあったのかい?」
データマスター事川上だ。
「いや、別に何でもないぞ」
正直恋人のことは黙っておこう。こいつのデータ養分にされたくないし……
「ふむ……珍しいものもあるようだ。僕は夏休み中新たなデータを模索するために特訓重ねたんだ。まず宿題は一日で終わらせてから……」
川上のどうでもいい夏休みの話を聞き流しながら、真子ことを考える。
「くそぉぉ! また騙されたよぉぉ!」
そこでいつも絶望的な顔だったが更に落ちた鈴木が教室へ……
「どうしたんだ鈴木」
「SNSで出会った女の子がサクラだった……くそ、いくら貢いだというんだ。ゆーこちゃん……俺のこと好きって言ったのに! 畜生! 畜生ぅ!」
「あーそうかそうか元気出せ。ネットに出会いを求めるなよ。クラスとかにフリーの女子いるだろうに」
俺自身。真子とは中学の頃にネットで出会ってるんだけどな……よくよく考えたら本当に奇跡だと思う。
「それが無理だからSNS使ってんだろう。簡単にヤれそうな女子見つけたと思ったのにぃ!」
最低だなこいつ……
「まあ、行動に移したこと自体は良いんじゃないか? 向ける場所を学校の女子にすればいいだけだし」
「なぁ~武野ナンパに付き合えよ~文化祭あるだろう~そこで可愛い彼女ゲットしようぜ~~~」
そう、九月後半の土日には文化祭があるのだ。他校からも生徒がくるので、活力に満ちた男子達はナンパをしたりしないとか……
と言っても、真子との文化祭デートがあるのでナンパとは無縁だ。
「ナンパなら川上との方が良いんじゃないか?」
「いや、川上といたら俺変な扱いされるじゃん。武野の方がTHE・普通だからいいんだよ」
「俺は断るよ。ナンパなんかしたくないし」
「武野も彼女欲しくないのかよぉぉ!」
目を反らす……だってもういるもん。
「……あ、お前なんでいま目を反らした?」
「い、いや、別に……そうだ。川上。鈴木がナンパの確立について――」
「――もうその手には引っかからないぞ……武野お前まさか……彼女出来ただろ……!? くそぉぉ! 作る時は一緒って言ったのに! 約束を破ったのか!」
「いや約束してないだろ……いいだろ彼女出来たって……っは!」
そこで俺が鈴木の口車に乗せられたと気付いた。それ、肯定してるのも同然だ。
「おいいいいいいいいい! やっぱり武野彼女出来てるじゃねぇか! くそぉぉ!」
「なるほど……そういうことだっただね。バイトマスターに彼女が出来たから先ほどはあの表情を浮かべていたのか……」
そこで、川上も入ってくる。
「はっはっは! でも、どうせ武野のことだから彼女そんなに可愛くないだろ――」
「――俺のことは良い。彼女のこと悪く言ったら殺すぞ……」
殺意を込めて言う。
「す、すいません……」
「とりあえず俺と彼女のことは何も聞くな! いいな!」
てか、真子のこと聞かれたくないし……多分真子も同じ気持ちだろう。恥ずかしがり屋だし、友達とかにもあまり喋らないはずだ。
〇〇〇暴露系プロゲーマー
「それでそれで、先輩がその時に……好きって言ってくれて……夏祭りの時も手を恋人繋ぎしてくれてえ……優しすぎで……いつも優しい言葉をかけてくれて……」
肌が少し焼けた佐奈川さん恐らく夏をエンジョイしていたのだろう。それは私も同じで最高の夏をエンジョイできた。
教室で先輩との恋愛トークに花を咲かせていた。先輩とのエピソードは口が軽くなり無限に語れる。
「それで、私が凄く落ち込んだ時にも先輩が優しく慰めてくれて……ひひひ……名前で呼んでくれて……そしてファーストキスも……その日は472回もキスして……凄く良かった……先輩。キスで私のこと凄く求めてくれたのが嬉しくて……ひひひ……」
「「「「……(私達何聞かされてるんだろう……)」」」」
「それと私。飼われたい欲求があって、先輩も私飼いたいらしくて……ネコミミをつけてあ、それは先輩が提案してくれて――」
「「「「ネコミミ!?」」」」
「――ちょ! ちょっと待って柴橋さん! それ本当に言って大丈夫なやつなの!? 先輩さんとのイチャイチャそこまで言って平気!?」
何故か顔を真っ赤にしている佐奈川さんが話を止める。
「え、だって、みんな私と先輩の話聞きたいって……話はまだまだあるわけで……私匂いフェチみたいで先輩の……」
「し、柴橋さん! 先輩さんのイメージとか気にしない? 柴橋さんが語ることによって先輩さんの性癖が暴露されることになるんだよ!」
「先輩は私のおへそが好きって言ってて……それに『先輩』って呼ばれるのが凄く好きらしくて……」
「ストップストップ! このままじゃ先輩さんが……先輩さんが! 猫プレイ先輩とか呼ばれちゃうからぁぁ! 後今度会った時変なこと頭に過るからぁ!」
女子達は若干引き気味だった……一体どうしてなんだろうか……? 先輩素敵なのに……
結局先輩とのイチャイチャ話は柴橋さんに止められ、授業が始まった。
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