星の悲鳴

ふるみ たより

第1話 助けて

痛い。

痛い、痛い、痛い、痛い。


苦しい、吐きそう、今にも呼吸が止まりそうだ。


体を蝕むガンは次々と転移し、その形や性質を変えてくる。


助けて、助けて。


私は、抵抗と共に呼びかけを続ける。


もうこのなかで生きているのは、意識があるのは私だけ。


嗚呼—――――私は一人だ。


孤独だ。


怖い、寂しい、泣きそうだ。


でも、あきらめない。

最後の一つになろうとも。


最後まで声をあげつづける。


 「助けて」


呼びかけをやめることは無い。


それは無理だし無茶だと思っていた。


でも―――無駄ではなかった。

ようやく―――これが報われた。

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星の悲鳴 ふるみ たより @hurumi

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