第37話 乂阿戦記1 終章 これは始まりの物語の終わりの闘い-1

翌日早朝6時半頃闘技場観客席では基地の非番の戦闘員が集まっていた。


そこに現れたドアダ首領ガープは模擬戦のおおまかなルールについて説明をした。


「今回の戦いは12対12の総力戦とする。両軍共に大将を1名選出して行うものとする。なお両チームの代表となる大将は左胸にこの大将バッチをつけその他の者は兵隊バッチをつける。


バッチを破壊された者は戦闘不能扱いとしてフィールドから退場すること。


勝負の決着は大将バッチが破壊された時点でそのチームの敗北とする。制限時間は一時間。大将が双方残っていた場合は生き残りの多い方が勝者チームとする。なお大将バッチは何かしらの事情でインターバルが発生したとき申請すれば大将の交代を認めるものとする。召喚獣やロボも使ってもいいが人間並みの知性がある召喚獣や10メートル以上の大きさの兵器は禁止とする。封獣機とかを全開で起動させられたらこの闘技場がぶっ壊れてしまうからな。まあ、それ以外はなんでもありじゃ!今回は神域級戦士が数名出場するのでワシと乂家当主とジャガ族族長とスパルタクスが激突の力を中和する。なので双方遠慮することなく全力で戦ってほしい」


説明が終わり観客からは歓声が上がる。


どうやらこの戦いはかなり人気のようだ。


「それでは試合を始めるぞい!!選手入場!!」


銅羅の音が鳴り響く。


まず最初に雷音達のチームが入場する。


それを見た兵士達の声援と拍手が会場を包む。


敵地でなぜ歓声がと思ったが神羅ことユキルがいるからと気づく。


そういやドアダ7将軍で首領の孫なんだっけ?


何を思ったか神羅、絵里洲、エドナ、雷華、白水晶、鵺、ミリルは一斉に魔法少女に変身し歌と踊りを披露した。


鵺は照れ臭いのだろう、だいぶ無理してるのがわかる。


だって動きが少しぎこちないし耳が真っ赤だ。


すまない鵺…ウチの神羅の酔狂に突きあわせて!


ちなみに7人の魔法少女達のパフォーマンスはめっちゃくちゃウケてる。


一部観客が歌に合わせオタ芸を披露するくらいだ。


いや確かにみんな可愛いけどさぁ


大丈夫かよこの組織?


「ぬう!歌と踊りを披露するとは聞いておらんぞ!神羅め!なぜ私を誘わなかった!?」


あれ?羅刹姉ちゃんがメッチャ怒ってる?


誘われたら一緒にやるつもりだったの!?


ちなみに俺と漢児アニキと獅鳳とオームが入場したらめっちゃブーイングをくらった。


漢児アニキはドアダと敵対するヒーローアーレスタロスだしな。


けどアナウンスで漢児と獅鳳が首領一族の身内だと放送されると連中手のひら返した様に歓声をあげ漢児達を称えた。


…………コイツ等手の平ドリルかよ!


続いて俺達の対戦相手となるチームが入場してくる。


まず7将軍筆頭ナイトホテップが入場してくる。


すると観客は一斉に起立しドアダの軍歌を歌いナイトホテップを讃えた。


恐ろしいまでのカリスマ性だ!


続いて銀仮面こと俺の兄乂羅漢、因縁の相手邪神ナイアルラトホテップが入って来る。


今度は観客が一斉にナイアルラトホテップの名を叫び讃える。


ナイアルラトホテップは三人のグラマラスなサキュバスを引き連れている。


三人ともめちゃ美人で派手でエロい衣装を着ている!


それぞれピンク、オレンジ、ライトブルーのメタルバンド衣装だ!


ナイアルラトホテップ自身もグラマラスな美女の姿に紫のメタルバンド衣服をまとっている。


ナイアルラトホテップの姿を見た瞬間、俺は思わず歯ぎしりする。


ナイアルラトホテップは妖艶な笑みを浮かべ俺を挑発する。


そして神羅達に対抗してか美女4人も歌と踊りを披露する。


神羅達とは違うデスメタルなヤツだ。


正直神羅達の時より会場は盛り上がっている。


やはり男はデカい胸と肌色を選ぶものなのか?


会場は大盛り上がりだ!!


神羅は悔しいそうにグギギと歯ぎしりしている。


あーーーもうっ!!あのエロ魔神めっ!!


だが続いて入場して来た6人を見て俺は体が凍りついた。


赤い甲冑のサムライ、青いプレートアーマーの騎士、黄色いカンフー服の拳士、黒いニンジャ、緑の軍服を着たスナイパーと黄緑の軍服を着た観測手


ナイアがニヤニヤ嫌らしい笑みを浮かべる。


「やあ雷音君、懐かしい顔ぶれだろ?君が殺したラキシス君の事覚えてるかい?そのラキシスの部下だった6人だよ?


僕が殺して改造した残りの6人さ!まあ彼等は既に死んでるから魂のない人形だけの存在だけどね?戦闘兵器としては超強いよ?」


6人は無言で俺に殺気を向けてくる。


「なあ?この試合って間違って相手を殺してしまったら失格になるんだっけ?」


俺は殺気を放ちナイアを睨む。


「別に殺しても失格にはならん。だが安い挑発には乗るな。私も部下をあんな姿にされハラワタが煮え繰りかえっている。だがヤツの挑発に易々と乗るのはもっと業腹だ……」


羅刹が弟を落ち着かせる。


だが羅刹当人も冷たい殺気をナイアに向けていた。




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