第4話 残り十三人

 残すところ十三人...面接室は緊張感が漂っていた。そのとき、6人の男女がこそこそと話を始めた。


 瑠香「グループで参加の方はまとめてどうぞ」

(あれ絶対、入社前にグループライン作っている奴らだ...絶対陽キャだよ)


 しかし、彼らより先に一人の男が手を挙げた。その男はフレンチクルーラーのような派手な髪の毛の男だった。


「7番の七瀬ななひかりです」


 瑠香「どうぞ」

(うわーパリピ?絶対あの配信者にインスパイアされてるじゃん)


 光「この缶の上にあるみかん。この価値を倍にします」


 光は懐から名刺を出してみかんの上にのせた。


 瑠香「なるほど」

(これ...創業者の名刺...この子もしかして創業者一族の...落とせねえええ。逆圧迫面接じゃん)


 光「もし不服なら、こちらを」


 光はさらにもう一枚名刺をのせた。


 瑠香「けっこう。ではあちらのドアから退室してください。結果は後日連絡します」(うわああああ孫○○社長の名刺じゃん。なんなんこの子。特権階級じゃん。こんな会社入らなくてよくない)


 光はニコッと笑って応接室を出た。

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