第2話 第一の男
CEOの難題に応接室は騒然とした。候補者は15人。いずれもこれまでの面接を突破した猛者だった。
日本最難関の東東大学主席入学の
大神:(フッ、これが第15次面接か、今まで東東大学主席が誰一人として受からなかった試験。俺が最初に合格してやる。表面的には『このペンを私に1万円で売ってください』というようなプレゼン系の面接に思える...が!)
瑠香「さあ、だれからでも構いませんよ」
(うわああ、会場白けてるよ。やっぱりやめたほうがよかったかな...このペンを私に一万円で系にすればよかった)
天照大神はスッと手を上げた。
天照大神「エントリー番号1番天照大神です。私からお願いします」
瑠香「はい。では目の前の椅子にどうぞ」
天照大神は自信満々に礼をして椅子に座った。その所作は日本最難関の東東大学主席に相応しいものだった。
天照大神「このアルミ缶の上にあるミカンですが...本当にアルミ缶でしょうか」
天照大神の鋭い目つきと威厳のある声が応接室に響いた。
瑠香(うわああ。コイツあれだ。常識を疑え系だ。たぶんコイツ。すべての前提を疑う懐疑主義者。上司にしたらメンドクサイ系のアレだ)
瑠香はスッと目をエントリーと資料に向けた。
瑠香「天照大神さんですか」
(うわ、筆記試験トップだよ。しかも日本最難関の東東大学主席入学って書いてる。うぜえ。でも性格分析は微妙だな。まあ、学歴だけでオッケーな人材だ...でも数年後独立しそう)
天照大神「アルミ缶はアルミニウムやアルミニウム合金を主な材料として製造された缶です。主にサイダーやビールなどの炭酸飲料の容器として用いられて、一般的なアルミ缶は業界用語では「DI缶」と呼ばれるものです」
瑠香「ふむ」(うわあああ、ウンチク語り出した。これあれだよ。知識をひけらかして納得させるパターンだ。これ語らせると定時まで語りそう...)
天照大神「そして、見たところこれは...」
瑠香「けっこう。さすがですね。あちらから退出して頂いて、結果は後日連絡します」(とりあえず、おだてて終わらせよう)
天照大神は一通りの礼を済ませて、自信満々に応接室を出て行った。
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