本作は、作者が下戸(と、作中で公表されている)であるのも踏まえてとても味わい深い考察に満ちている。
ビールと大衆文化は切っても切れない縁がある。古代メソポタミア文明の遺跡から出土した粘土板にすらビールの記述があるくらいだ。
さりながら、『とりあえず、生』の歴史は意外にも新しいことが明かされる。少なくとも古代メソポタミア文明においては確認されていない。当たり前か。
感染症が流行したり、アルコールそのものの消費が冷えこんだりと、近年はビールの楽しみを生体験で共有する機会が減っている。なかなかに寂しい。
まあ、とりあえず缶ビールでも飲んでから考えるか。
必読本作。