第2話学校
新学期が始まった。
姉が配信者と気づいたのは一応夏休みのことだった。
始業式が終わり、教室に行く。
爽の外見は眼鏡をかけていて、陰キャという感じのものだった。
「おい、爽。何やってるんだよ」
男数人と女二人ほどが近づいてくる。
「な、なにって...本読んでるだけだよ...」
と答えた。
「え~、ちょっと見して~。うわっ、なにこれ~キモ~」
女子たちに強引に本を取られて、読まれ、キモがられる。
ウザい。殺したい。なんで俺が? やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。
「今度俺たちで、遊びに行くんだけどお前ももちろん行くよな?」
「い、いや...その日は―――」
「行くんだよなぁ?」
「は、はいっ!」
もうどうでもいいや...
「あと、お前の彼女連れて来いよ」
「ぼ、僕...彼女いないよ...」
「え~、ウケルんだけど~」
「それじゃ」
「あ、ちょっと待ってよ」
これが、弱者と強者なのかと爽は痛感させられる。
そう、僕は『イジメ』というものを受けているらしい。
だから、学校は嫌いだ。嫌いだから、推しの配信者等を見てストレスを発散させる。
もう...学校...行きたくないや...
「ただいま」
開いたドアは...姉の部屋だ。
推しの配信者と一緒に入れるなんて天国だと考えたからだ。
「ちょっと、何入ってきてるの!? 弟君!」
「あははははは」
笑う。笑ったつもりだった。
「あれ? なんか元気ない?」
「え? いやそんなことないと思うけど...」
そして、姉がさらにじろじろと爽の体を見る。
「弟君さ、いじめとか...なんかあったんじゃない?」
イジメという言葉に爽が反応してしまう。
「いや...ないよ...」
顔を背けながら爽が言う。
「いや、言って。お姉ちゃんずっと引きこもって無責任だったけど、弟君の役に立ちたいから」
「.......」
正直、あまり心配はかけたくなかった。
しかし、今回の彼女作れ...というのは一人でできる自信がない。
「じゃ、じゃあ...彼女。作るの手伝ってくれない?」
「わかった。お姉ちゃんが彼女になってあげる」
「え?」
「弟君を良い男にしてあげる」
「ほ、ほんとにいいの?」
「うん! もちろん! こう見えて私...きれいにしてないだけで元は良いから」
確か髪などをもっとちゃんとしたらきれいになると思う。
顔も良いし、胸も大きい。
「じゃあ、弟君と二人でスーパーカップルになっていじめ子見返してやろ!」
そこで、僕たちは正式に付き合うことになった。
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