第28話 男の夢
俺はあの2人と2、3日一緒に暮らしてようやく気づいた、俺とあいつらは異性同士だって事に。
すっかり忘れていた。
男女同じ屋根の下何も起きないはずがないという事で俺は意図的にラッキースケベをしようと思う。
ラッキースケベをしてあいつらを頑張って異性として見れるようになるんだ。
異性として見てない訳じゃないんだがどうも同性の様に感じてしまう。
それを頑張ってなくすんだ。
「お風呂沸いたよー」
「誰が先に入る?」
お風呂…そう昔は男女混浴だったお風呂だ。
お風呂は必ずしも服を脱ぐという行為がある。
つまり服を脱いでるところをあっすいません間違えましたってするんだ。
「ちょっとトイレに行くわ」
「じゃあ私が先に入ろう。今日、雫はブラウニーを洗うんだろ?」
「ちょっと臭くなってきちゃってね―」
俺がトイレに入った理由それはお風呂を入る人を聞いていなかったと言うアリバイ工作だ。
お風呂に誰もいないと思ったところに入るんだ。
「じゃあ私はご飯買ってくるね」
「いってらっしゃい、じゃあお風呂に入ろうっと」
来た!これがチャンス、天は俺に味方してくれているんだ。
ゆっくりトイレから出る。
一応、能力で風呂場の脱衣所の電気を消しておこう。
「ん?なんだ急に電気が消えたぞ」
よし行くぞ!行くぞ!行くぞ!行くぞ、行くぞ…行く…
ふっ命拾いしたな星奏。
俺に良心がなければ入っていたところだ。
「あっ戻った。お風呂♪お風呂♪」
入らなくても良くなったため能力をきる。
悔しい、俺の理性が勝手に邪魔しやがる。
星奏はもうお風呂に入ってしまっただろう。
[人の生まれたままの姿を許可なしに見るなんて許されませんよ]
俺の中の天使が囁ささやく。
[このヘタレが!見たいんだろ?じゃあ見ろよ。お前にせっかく与えられたチャンスだろ?]
俺の中の悪魔が囁く。
どっちの手を取るべきなんだ。
[あなたがそんな事をすれば今までの生活はパーですよ。楽しく生きていけるかどうかも分からなくなります]
[一時の快楽を解消しようぜ、な?俺とお前が組めば無敵だ]
俺は…俺は…。
[バレなきゃセーフって事で]
[[はっ?]]
そうだよバレなきゃいいんだ。
俺の中の天使と悪魔の癖にそんな事も分からないなんて馬鹿だな。
「透明化!」
俺は前よりも進化させ足音だけでなく服のすれる音なども消した透明化を発動する。
何のために能力があるか?
そう聞かれたら俺は迷わず俺のためですと答える。
でも問題はどうやって脱衣所に入るかだな。
「ちょっと竜?シャンプーがきれたからドアの前に変えを置いておいてくれないか?」
天はやはり俺に味方している。
これで堂々と脱衣所に入れる。
「分かった」
俺は脱衣所に入りシャンプーの変えを風呂場のドアの前に置く。
そして脱衣所のドアを開けて閉める。
これで外に出たと思うだろう。
これで見えるぞ。
シャンプーの変えを取る時に星奏は1回風呂場から出るだろう。
その時に裸体が拝めるって訳さ。
風呂場のドアが開く。
ありがとう世界。俺はこの世界が大好きだー!
「ありがとうな竜」
一瞬見れたその裸体は俺が追い求めてた物よりもしょぼく見えた。
俺は静かに脱衣所のドアを開けて出て静かに閉める。
リビングでうつ伏せになりながら透明化をきる。
なんか違う。
見れたのは見れた星奏はスタイルが良い方だからエロいと思ったんだ。
でも俺の聖剣が全く反応をしめさない。
どうしても星奏を異性として見れないようだ。
おかしい、だって俺2人に少し興奮した事があるはず…
いや、あれは会ったばかりの頃だけだったか。ん?
「はーいいお湯だった。竜もさっさと入れよ」
「うん…分かった」
星奏が不思議そうに俺を見る。
「フー、なんで全く、反応しなかったんだろな」
湯船に浸かりながら呟く。
「おかしいよな。俺の聖剣が反応しないなんて。もしかして病気か?そういう病気があると聞いた事はある。もしかしたら…いや、ないか」
多分、ない…はず。
もしそうだったら俺もうお婿に行けない。
「はっ!分かったぞ。俺の好みじゃない…か…ら…それでも興奮しないのはおかしいよな」
本当に異性として見れなくなったのだろうか?
理由がさっぱり分からない。
「やばい、のぼせそう。出よ」
風呂場から出てタオルを取り体を拭く。
「ただいまー、買っきたよ」
「おかえりー、早く手を洗いな」
「うん」
本当になんで俺、興奮しなかったんだ。
「脱衣所の洗面台方がー近い!」
雫が思いっきり脱衣所のドアを開ける。
「…なに俺の聖剣を見てんだよ」
「…ちょっと星奏、竜が私のデリンジャー位の大きさの物を聖剣っ言ってるよ」
あっ分かった。
俺がこいつらを異性として見れない理由。
こんな事を平気で言ってくるからだ。
「あっ本当だ。デリンジャーみたいだ。雫、本当にこれを聖剣って言ってたのか?」
「そうそうこれを聖剣って言ってたんだよ」
「やめろー!」
俺もう本当にお婿にいけないと思う。
意図的にラッキースケベを起こそうとしても理性が邪魔して失敗。
いざ見てみれば何かが違って興奮しなくて失敗。
体を拭いてるところに逆ラッキースケベをされデリンジャーとバカにされる。
「おいデリンジャー、醤油取ってくれ」
「デリンジャー、ティッシュ取って」
泣きそう。
ここぞとばかりにデリンジャーとバカにされる。
「デリンジャー、皿洗って」
「デリンジャー、ふきん取って」
「あの…デリンジャーって言うのやめてくれませんか?」
「「デリンジャー」」
心が完全に壊れた気がする。
「お前らそういう所があるから彼氏の1人もできないんじゃないか?」
「彼女がいない竜にいわれても。私は一生星奏と生きていくから」
「それなら私も雫と一緒に一生生きていこうかな」
なるほど、百合展開になるのか。
それはそれで…あっ興奮してきた。
なるほど、分かったぞあいつらに興奮しない本当の理由。
あいつら同士の絡みの方がエロいからだ。
「お前らの好きな人のタイプは?」
「星奏みたいな人」
「雫みたいな人」
なるほど、これはこれは、おやおや最高ですな。
2人がお互いを見合い顔を赤らめる。
「お付き合いになられて何年目ですか?」
「「そういのじゃないから!」」
2人揃って否定するか。
こりゃあれだ、ご馳走だ。
「いやー良いもん見れたな。オラもう後悔なんてないだよ」
「急に口調を変えるな!」
この世界に生まれてこれて良かったな。
オラにもうやり残した事は…。
「星奏、まずいよ竜が、竜が…竜が倒れてるよ」
「これはまずいな。早く治さないと最悪…」
「最悪?」
「鼻血を大量に出してからショック死と心臓発作での死と失血死が同時に竜の体を襲い。息絶えます」
そんな、私達が少し仲がいいだけでこうなるなんて。
これが高校も行かずにニートをこじらせた童帝。
「どうすればいいの?」
「定期的に私達が仲が良さそうにしてるのを竜に見せればいいだけ」
なるほど、つまりいつも通りだね。
じゃあとりあえず。
「星奏ーまた胸がでかくなったんじゃない?」
「ちょっとやめろよー」
「太ももがめちゃくちゃ柔らかいし膝枕してよー」
「しょうがないなー」
これでどうだ?
「はっ!成分、確保しました。活動を再開できます。再起動を開始…うぅ頭が痛い」
「あっ戻ったんだね、竜」
「やっぱりそういう関係か」
「違わい」
戻ってくれて何よりだよ。
「とりあえず、カメラ買ってくるわ」
「おい待て、絶対に行かさんぞ」
「嫌だ!俺は…俺は…女の子同士が仲良くしている場面が大好きなんだ。1枚でいいから撮らせてっていってぇ」
星奏がとても強く竜の頭にチョップを入れる。
「あれ…俺は一体、確か荷解きをしていたんだが…ん?」
ここ2、3日間の記憶が無くなったようだけどこれでひと安心だね。
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