第14話 牧場作製
俺達は今、広げられている壁の中にいる。
「今日あったクエストに牧場を作るって言うのがあったから来てみればまた柵を立てないと行けないのかよ」
「この前に関してはお前が悪いがな」
「でも今回は私達以外に10人位はいるし大丈夫だよ」
皆、必死な顔をしてアスファルトが剥がされている場所に柵を立てている。
きっとあの事実に気付いてしまったのだろう。
「あの壁を立てている人達は?前にあったゾンビ教の牧師らしい人もいるんだが?」
「あいつらは犯罪を犯して隷属刑になったやつらだな。人手が足りないからな奴隷でもいないと少しキツイんだよ」
奴隷になったらあんな事をしないといけないとか犯罪が減ってもおかしくないのになんで犯罪が増えているのだろう?
「そんな事はいいから早く柵を立てるよ。私達だけだよ、まだ立って話しているの」
また柵を立てるのは嫌だがこの2人がいるなら大丈夫なはず。
「俺達は木材を切る係に選ばれた訳だが全然切れん。どうすればいいんだ?」
「戻す時に力を加えるといいって授業で習ったぞ」
授業とかちゃんと受けた事あんまりないな。
「本当だ。めっちゃ切れる」
「良かったね」
でも、この2人が切った量でもう充分なんだが。
2人とも早過ぎないか?
「次はあの人達と同じ様にするよ」
「これは前やったからだいぶ慣れているはず」
柵を釘で固定する作業を今やっている。
「そうか、でもお前遅いな」
「そうだね」
それはお前らが早すぎるだけだよ。
周りの奴らだってお前らの事をずっと見ているぞ。
「でも今回に関しては前より範囲がかなり違うから終わるのにも時間がかかるな」
牧場を作り始めて4時間というところか。
お昼の時間はもう過ぎいる。
ちょっとお腹がすいた。
日本人の特性か周りが頑張っていると自分もしないとって思いお昼ご飯を食べに行けない。
「あと30メートルという所か。もうひと踏ん張りだな」
これならゾンビを狩る方が良かった。
「これの報酬が50万もなきゃやってらんないよ」
牧場作り楽しいなぁ。
てか報酬50万って貴族の人は知ってるからでしょ俺達がいつも食べてる肉の正体を
「終わったな」
ちょっと疲れたがやっと囲み終わった。
「次は地面のアスファルトを剥がす作業だな」
「なんで柵を立てる場所だけしかアスファルトを剥がしてないんだよ」
「めんどくさいからじゃない?」
そんな理由なら貴族の奴らを殴ってやりたい、グーで。
「どうやって剥がすんだ?」
「魔法とかで剥がすんじゃない?まだここは町じゃないし」
どうやって剥がすのだろうそう悩んでいると。
「竜さん達お久しぶりっすね」
有輝がどこからともなくやって来た。
「お前違う町に行ったんじゃないのか?」
「緊急クエストって言う事で来たんすよ。ギルドのお偉いさんが急いで行ってくれって言われたんすよ。報酬100万で」
有輝、ちょっと分けてくれないかな?
俺達もAランク冒険者になれば報酬もっと良くなるかな。
「有輝は何するんだ?」
「この地面のアスファルトを壊すだけっすね」
それで100万?貴族の財源はどうなっているのだろう?
農家達以外からもお金もらっているだろ。
「じゃあいくっすよ」
アスファルトが有輝のパンチ1回で粉々になった。
こいつに勝てる奴って存在するのだろうか?
「それじゃあ僕はもう行くっすよ。別の町からもクエストを貰っているんで」
有輝、ちょっと羨ましい。
そろそろ本気でランク上げようかな。
「有輝、もう行っちゃったね」
「あいつは人気者だからな」
そう言うものか。
流石は現在ギルド最強の人。
「今日の新聞で見たんだけど今、凄い勢いの人が冒険者がいるってさ」
「なんて名前なんだ?」
「偽名なんだろうけどねFって人。2ヶ月位前に冒険者になったのにもうBランク冒険者なんだって」
早くね?。俺達はまだDランク冒険者なんだぞ。
「早く有輝が壊したアスファルトの残骸を運び出すぞ」
有輝が壊したアスファルトを運び出し終わったので今から動物を捕まえに行くことに。
「その前にご飯食べようぜ。お腹すきすぎて倒れそうだ」
「ご飯食べるの遅れちゃったな。今は午後3時と言ったところか」
早くご飯を食べに行こう。
お腹と背中がくっつきそうだ。
「おいお前ら何処へ行こうってんだ?」
柵を一緒に立てていた冒険者が急に話しかけてきた。
「ご飯を食べいこうと」
「そんな暇はない!」
まじか。こいつ頭おかしいんじゃねぇか?
あの肉から早く離れたいって言う気持ちは分かるがそんなに急ぐものか?
「おら!来い」
(問題を起こしたらめんどくさい事になりそうだし着いて行くか)
(そうだな)
(嫌だよ)
雫、ここは我慢してくれ。
俺達だって早くご飯を食べたい。
「東京って牧場あったのか?」
「近くの県にあるからそこから連れて来ればいいだけだ。そんな無駄口をたたいている暇があるならさっさと歩け」
まぁまぁ遠くね。
歩きだけだったら疲れそうだ。
「雫、お前の能力でなんとかならないか?」
「ブラウニーが私達を運べると思う?」
確かに。
「近くに動物園ってあったか?」
「あったはずだがどうするつもりだ?」
「雫の眷族を増やす」
なんとか冒険者達の目を抜けて動物園にまで来れたが。
「凄いな。弱肉強食の世界になっているぞ」
動物園は殺し合いの場所になっていた。
ライオンがシマウマを追いかけたりしている。
「仕方ないだろ。あいつらだって生き残るのに必死なんだよ」
しかもちょっとだけだがゾンビもいる。
「よし雫、頼んだぞ。肉食動物が襲ってきたら守ってやるから」
「うん分かったよ」
そう言いちょっとした高台に雫が登る。
「よく聞いて皆!」
雫がそう言うと戦っていた動物も隠れていた動物も皆雫を見る。
「私の下に着く気があるならば私の傍に来なさい!」
こんなので動物達は来てくれるのだろか?
と思っていたら3匹の動物が来てくれた。
百獣の王と呼ばれているライオンが。
そしてライオン達がふせをする。
「この子達をどうするの?」
「とりあえず眷族にしてくれないか?」
「別にいいけど。名前どうするの?」
名前か。
クロやブラウニーは絶対に色に関係して決めているのだろうが今回は3匹だから決めにくいな。
「雫、決めてくれ」
「えぇ、じゃあサンとゾナとソレイで」
全部太陽って意味じゃねぇか。
雫が命名するとライオン達が光り始めた。
「これで眷族になったけど」
「じゃあこいつらに乗って牧場まで行くぞ。ブラウニーに頼んで牧場の場所を特定してくれ」
こうすれば早く連れてこられそうだ。
牧場に案外早く行く事が出来た。
ライオン達が思ったより早かった。
雫によるとまだ冒険者達は牧場を見つけられていないようだ。
「雫、やってくれ」
「本当は無理矢理言う事を聞かすのは嫌だけどお腹すいたしもうすぐで日が沈み始めそうだし」
そう言って牧場の動物達に近づいた。
「私達に着いて来なさい!」
そう言うと動物達の目付きが変わった。
「これで大丈夫。早く帰ろ」
「そうだな」
ライオンに乗って帰ればすぐに町に着くだろう。
「そういえばなんでこの子達を眷族にしたの?」
「遠くに行く時に使えるかなって」
「お前、動物までこき使う気なのか?」
その通りだ。こき使って何が悪い。
「お前絶対地獄行きだな」
「地獄がなんだ。俺は閻魔様だってこき使える自信がある」
2人が何言ってんだみたいな目をしている。
「動物に乗る時にお尻に敷くやつを作ってくれないか?お尻が痛い」
「作り方なんて知る訳無いだろ」
学校で習っとけよ。
学校はそんな事も教えないのか今の時代必須だろ。
「じゃあ帰るか」
「あっ冒険者達じゃん」
帰っている途中俺達を無理矢理牧場に連れこようとした冒険者達がいた。
「おいお前達!何処にいたんだ、探したんだぞ。それにそのライオンはなんだ」
冒険者達は剣を構えながら言ってくる。
「牧場に行って動物達を連れて来たんだよ。それにこいつらは俺達のペットみたいなもんだ。お前達が何もしなかったらこいつらだって何もしない」
それを聞くと安堵したかのような顔をし剣を鞘に戻す。
「動物達を連れて来れたのか?それならいい」
「そうかじゃあな」
「「「「「「えっ?」」」」」」
冒険者達全員が驚く。
「何驚いているんだよ?」
「俺達もそいつらに乗せさせて…」
「1人用に決まってるだろ。じゃあな」
冒険者達がこの世の終わりみたいな顔をしている。
ここまで来るのに人の足で2時間以上はかかるからかもしれないが。
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