第11章 タリム、ウド、ソドムの建設
11月に入って、第五師団は一路北部の街ウドを目指した。ウドはタリムとソドムの中間に存在する村なのでここに砦を作るのが一番なのである。10日程の行軍でウド入りするとまずは砦と上下水道を作り始めた。北部は基本的に森なので木材は豊富にある。
12月初めに砦が出来上がると、ゲンブルグは部隊を3つに分けた。タリム部隊とウド部隊、ソドム部隊の3部隊である。タリムは水が足りないので上下水道が一番の難関だろう。ウドは中心街としてこのまま商業都市とする。タリムは水についてはめぐまれているので市場の作成がおもになる。またウド近郊のポテには温泉が湧きだしておりそこの整備も行わなくてはならない。ゲンブルグも責任者として開発設計に口をだしていた。市場、鍛冶屋、宿屋、軍の詰め所など、ゲンブルグはウィーンを思い出してその通り配置していった。よってどの街も同じような街となっていった。
中でもウドはウィーンとそっくりの都市計画となった。これはゲンブルグが秋のうちから都市計画を練っていた賜物である。3つの街タリム、ウド、ソドムはベルエ川とゆう大河の支流近くにあり、タリム川、ウド川、ソドム川とその支流を呼んでいる。1月に入ると雪が降り始めたが、建設工事は休みなく続けられた。そんな時ポテの温泉は兵士たちの癒しとなった。ゲンブルグはいつもウドにいて、設計には口を出したが、工事には口をださなかった。ただ、個人用のサウナ室を頼んでつくってもらっていた。ゲンブルグが眠っている時は、クィーとジェーがサウナ室を使っていた。しかし、2人とも裸はみせなかった。
3月に入ると雪はやみ、日がさすことが多くなってきた。全体の70%近くは出来ていた。ゲンブルグは農民に帰宅許可を出し、少し早めに家に帰らせた。
ここまで造りこんでいれば、残る兵士たちで作業は十分である。
それより、ロザリア西部への戦略をたてなければならない。ロザリア西部は一面平地が海まで続くその海の向こうにピナート島というロザリア全土よりも大きい島がある。そこにもロザリア人が住んでいるが、ピナート島とロザリアは仲が悪いことで有名だそうだ。
ピナート島、ロバルドと気になる外国は増えてきたがまずは最初の目標であるロザリア平定である。ゲンブルグは考えた西部3王国と同盟してピナート島を攻略するのはどうだろうか、と。
すぐにゲンブルグは副官のヲォーデンに手紙を書かせクィーとジェーに翻訳させた。それをロザリア西部3王国に送るのだった。
3王国の返事は良好で、同盟を結ぶ用意があるということだった。
ゲンブルグはヲォーデンにウェスハリア帝国に戻って優秀な船大工をできるだけ多く連れてくるよう命じた。期限は10月末日。ヲォーデンは喜んで指示にしたがった。簡単な船なら工兵でもつくれるが、外洋を渡るには頑丈な船でなければならない。カエサルもブリテン島に渡る時に失敗している。先人の失敗を糧にできるのは嬉しいことだ。
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