第12章 ロザリアでの生活(3年目)

 ウドの街は北部の中心都市へと変わっていった。ゲンブルグもウドには思い入れがあった。気候がウィーンに似ているのである。クィーとジェーもウドが気に入ったようである。とゆうかサウナが気に入ったようである。ウド近郊の温泉ポテには夜に行っているらしい。やはり、人に裸を見られたくないようだ。

 ゲンブルグも昼、ポテには行っている。忙しい執務の間にやり繰りをしているようだ。ポテは人気なので、タリム、ウド、ソドムの工事を10日間づつのローテーションにした。ウドに滞在している間はポテに行ける。そうしているうちに観光地としてポテが発展してしまった。宿屋が乱立し、市場が立っている。ウドの市場にもひけをとらない大きさだ。

 5月にはロザリア西部3王国と正式に同盟を結んだ。盟主はゲンブルグである。ロザリー王国のダリウス3世とグリー王国のセルジア1世、レペップ王国のレペップ3世とピナート島攻略について話し合った。ピナート島は農村集落が多く、街は少ない、王はいるが権力基盤が弱くまとまった軍隊は無いと言っていい。忙農期の4月から9月はまともな軍隊も作れない。言葉はロザリア語であるがなまりがある。

 ゲンブルグは4月から9月にピナート島を攻めるべきだと考えた。ロザリア西部3王もそのことに賛成した。そのためロザリア西部3軍は常備軍と3月に募兵する軍隊で構成することと決まった。同盟のことは秘密にし、ウェスハリア第5軍とロザリア西部3王国との戦いが始まる、と9月まで噂を流すことで合意した。ベルエ川の下流を借りて大型帆船を作ることにも同意を得た。船大工もウェスハリアに派遣したヲォーデンの働きによりだいぶ集まって来ている。

 よって、6月からベルエ川の下流で船作りが始まった。外洋を航海する船である、しっかり作らねばならない。ゲンブルグは海戦になることも考え三段櫂船とした。これなら帆を広げなくとも櫂で船を漕げる。構造はそれだけ複雑となるが、敵が戦うことも考えねばならない。そのときに大砲がないこの時代、敵の船に乗り込んで戦うのが一般であるこのとき船に兵がたくさん乗っていたほうがいい。

 1回に250人運べるとして、4回で千人、40回で1万人、280回で7万人、最大で280隻作ればいい。ピナート島にはそんなにたくさんの船を係留できる港はないから港も作らねばならない。その他にも駐留都市、橋、道などピナート島に作るべき施設は多い。

 6,7,8の3か月で60隻の船が完成した。なおも続々と作成中である。

 そして、10月末日沢山の船大工を引き連れてヲォーデンが帰ってきた。ゲンブルグはヲォーデンに謝意を示し大いに喜んだ。そして第七師団の農民もすべて帰ってきた。

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