第7話

「あれ。」

「どうしました?」

「なんかお前、立派になってない?」

「私は貴方より立派です。」

「お前なあ。小さい時は可愛かったのになー。」

「やめてくださいよその言い方。」


なんというか、体高含めて角とか翼とかちょっと大きい。もしかしてレベル上がったとかなのだろうか。


「とりあえず、今日はここまで飛ぼう。」

「いやバスで行きましょうよ。」

「それがこの国、ATMから金が一万円までしか出てこないから乗ったら出先で小遣い程度の金しかのこらん。」

「なんですかそれ、ならば複数回りましょうよ。いいですからとりあえずバスの所まで行きましょう。」


そしてバスの所へ行くと、金額は置いといてうちのドラゴンが成長したからか大型貨物扱いとなり、乗れないと言われてしまう。


「あー、やっぱ立派になったんじゃん。」

「…。」

「なんでそんな元気ないの。」

「だって!バス停の従魔になんだありゃでっかって言われたんですよ!」

「まあ、なんか朝よりも更にちょっとでかいもんな。」

「ひどい!」

「ひどいのか?」


だがそのおかげか飛ぶ力はついたので飛んで向かった、のだが。


「うーん、国境まで一っ飛びは無理か。二っ飛びだな。」

「それじゃあ、今日は地図のここで…あれ。」

「どうした。」

「無くないです?町。」

「あれ?」


真っ赤な夕方に降り立つと町とは程遠い集落が。集落の外で野を歩く現地民が居たので聞いてみると、宿は無いとか。となると誰かに泊めてもらうか?


「この村、グッド?」

「バァッド。」


現地民はすげえ感情をこめて即答してくれた。となると。


「野宿か。」

「ええー!」

「ちなみになんか出てくるの?」


すると現地民はブラストマンモスとサーベルキメラが偶に出るけどたぶん平気と回答。


「ついに俺の剣が火を噴くか…。」

「吹きませんよ。そもそもあなたレベル15でその二体60代ですよ。」


改めて状況のまずさを感じつつ、現地民と別れてうちのドラゴンと見つめ合う。


「はあ、とりあえず持ってきたテント張って、なんか来たら上空に逃げますよ。」

「わかった…。」


なんか剣がデッドウエイトに見えてきた。とはいえ結局夜に何にもなく、無事朝は迎えられたのだけれども。


「寝た気がしねえ。」

「はい。」


お互い早朝に起きるが寝ぼけ眼である。一応大きくなったことで積載量が増えて食糧も潤沢にあるのだが、大きさのおかげで更に喰うようになった気もする。


「はあ、しょうがねえ食パンでも食うか。」

「ハムください。」

「ハムくれで一本ってのがドラゴンだよなあ。」

「いいじゃないですか、飛ぶの私ですよ。」

「というか俺よりいい物食ってる…。」

「いいじゃないですか飛ぶの私ですし、軽くなった方が飛びやすいですから。」

「お前の重量が増えても飛びやすさは変わらんのか。」


そんな感じで朝から尻尾ビンタを食らいつつ、パン食ったらパンの中から木の枝が出てきて、クオリティに問題あると文句を言いながらお互い食べ終り空を飛ぶ。

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