第3話
「ふふん。」
「ご機嫌ですね、お嬢様。」
一昨日、幼馴染の彼に超高級レベルアップ肉をプレゼントしてあげた。昔は元気で、子供の頃は結婚の約束もしていたのだけど、彼は高校からずっと元気が無かった。その理由が従魔がしょぼい事なのが最近わかったので、愛の告白と一緒にプレゼントしたのだ。
「デートの場所どうしましょうかしら!」
「いや、あの告白では嫌われてるでしょう。」
「そんな事はありませんわ!」
「いや、あの時顔がげんなりしてましたよ、彼。」
相変わらずうちの従魔の吸血鬼がうるさい。
「それに私が居るのですから、あんな男など構わずとも…。」
「あ!いましたわ!」
うちのSPからの報告通り、横には人よりちょっと大きめのドラゴンが居る。まあ、これならばうちの屋敷でも一緒に生活できますし、うちの従魔との相性問題だけですわ!
「ごきげんよう!あのちっさい肉でそんな大きくなるなんて、今まで何食べさせていたのかしら!」
「うえ…。」
「あ、その節はどうも。」
「はぁ…。」
うちの従魔はまた溜め息ついている。彼の従魔は意外と礼儀正しいわね、小さい頃はしゃべれなくて解らなかったし。彼自身もその素直さを見習ってもらいたいものだけど。
「あら、そんな色々買ってどうするのかしら?」
「え、ああ。ちょっとリフアカまで旅行行ってくる。」
「はあ?あんな危ない所行ってなにするんですの?」
「レベルダウンの食べ物買いに行くんですよ。この国で買うと三百万なんですけど、現地だと三十円なんですって。」
「まあ、三百万なんて。私のお願い聞いていただけたら買ってあげてもよくてよ?」
「え、いや、いいよ…。」
「でもなんでまたレベルダウンを?」
「いや、それがさあ。」
彼は進化途中ですごい美人な女の子になったから、その状況で留めたいとか言い出した。何を言ってるのかと思うも、見せてくれた動画では私よりちょーーっとだけ、美人の女性が映っていた。
「ふ、ふふ、ふーーーん。」
「と言う事で現地まで買いに行こうという話になったんです。」
なんかちょっと、恋敵みたいなのが増えてしまったように見えますわね。
「そんな従魔よりもわたくしのほうが!」
「ハハッ。とりあえず来週出発で急いでるから会うのは来月な。」
「それでは失礼します。」
そう言って彼らは離れて行ってしまいました。
「あ、マスター、地図見たいんでパソコンのパスワード教えてください。」
「え、やだよ。パソコン色々はいってるし。」
「ああ、新しいフォルダ(5)ですか?」
「え、お前!」
「いや、小さいときに散々見てますし…。」
「うおお…。」
何かを話しているようだけれど、仲よさそうなそのやり取りから内容は入ってこず。
「…。」
「お嬢様?」
「作戦会議ですわー!」
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