第一章

第1話

お市が自害してからおよそ400年後の京都府

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織田市華おりだいちかは、今日から中学生だ。

「中学校って、どんなところだろう…」

市華は、1週間前に愛知県西部尾張国から引越してきた。彼女は生まれも育ちも愛知県で、県外どころか、愛知県東部三河国にさえ行ったことがない。


そんな彼女は、小学校では「学校一の美少女」と言われ、その彼女を取材しに来るテレビ(全国放送)も多い。なんなら、とあるテレビ番組は5、6回は取材しに来ている。


美人な理由は、市華の魂自体が美しいから。魂は、転生を繰り返すと共にだんだん汚れていき、その魂が汚れれば汚れる程見た目も美しくなくなる。完全に汚染された魂は、記憶や経験を新しくできた魂に引き継ぎ、汚い魂は地獄の妖怪や怪物に食べられる。ちなみに、およそ25回の転生で完全に汚染される。

しかし、市華の魂は、転生がお市で1332回目、市華で1333回目。それでも、全く汚れない。だから、美人なのだ。


しかし、市華は生まれつき目が悪い。なので、眼鏡は必須なのだ。それに、何故か美人オーラが消えるので、外出する時は必ずこれを着ける。


そして、4月の始業式。新しい学校に入学する事になる。


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学校に行くと、さっそく井上直子いのうえなおこという女の子に話しかけられた。

「見慣れない子だね。名前は?」

「…織田…市……華…です…」

「はずがしがらないで。どっから来たの?」

「尾わr…愛知県から来ました。」

「へぇ…」

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