第5話 ニュースという麻薬
毎日、なにかニュースがなければ生きていけない。他人や他国の、特に不幸なニュースによって自分たちの平和を実感する人々。「他人の不幸なニュース」がなければ、安心して生きていけない現代人。
明治維新以来、「マスコミという麻薬の売人」によって、日本人は食ばかりでなく、心までをも「ニュース」という麻薬に侵されてしまった。
「宗教は麻薬」と言われますが、ブリューゲルの描いた中世キリスト教社会や、数十年前に私自身が見た天理教社会、或いは(これも実際に行って見た)アメリカのアーミッシュ社会のような、「自然・天然・天理」をベースにした社会であれば、そこでの食べ物や文化というものは、麻薬というよりも、酒・茶・コーヒーのような嗜好品の範疇に入るのではないか。
自分というものをしっかり把握した上での協調・協業という生活ができる大人の社会なのだから。
現代ロシアでも、「電子レンジは販売禁止」というロシアの法律に見られるように、彼らは自然を尊重し、ジャムやバターなども自家製という家がほとんどらしい。そういう食生活=彼らの人間性につながっているのだろう。
日本でも昔は、味噌や醤油、梅干し、干し柿など、自分の家で(天然素材を使って食料を)作るという習慣があった。そういう文化を捨て去ったところに、日本人の「自分の頭で考えない麻薬中毒人間化」という現象があるのだろう。
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