第4話 うまみ調味料(アミノ酸)という麻薬
「お腹が空いた」といって、すぐに何かを食べるのは正直なのか?
そんな「正直者」が何人、何百万人もいたら、少量が足りなくなってしまうのでは ?
だが、自然な空腹感であれば、問題ない。需要と供給のバランスは保てる ?
かつての中国の皇帝や日本の天皇・貴族といった贅沢三昧の生活をする人たち、また、いろいろなものをたくさん食べる為に、食っては吐き、吐いては食いを繰り返したローマの貴族たち。
そんな「不自然な人間」ばかりでは、世の中がおかしくなるかもしれないが。
しかし現代の日本における問題は、天皇や貴族(一部の大金持ち)ばかりではない。国民全員が「不自然な食生活」をしていることによる、大量の食料消費という問題ではないだろうか。
日本であらゆる食品・食料に含まれるアミノ酸というのは、異様に空腹感を増長させる。
本当にお腹がへっているわけではないのに、不自然に食べたくなる。
あれだけ、カップ麺が身体に悪いと喧伝されながら、スーパーなどでは平気で何個も無意識にポンポンと買い物籠の中に投げ込む人がたくさんいる。もはや「アミノ酸という麻薬」中毒といえる。
本当に腹が減っているのではない。麺が食べたいのでもないし、脂っこいスープやミソ・醤油・塩や辛味という(天然の)味覚を求めているわけでもない。街路灯に群がる蛾のように、「アミノ酸という幻覚」に惹きつけられる人間たち。
日本では1,500種類のアミノ酸(化学調味料)や保存料・着色料が使用認可されているそうですが、ドイツでは50、アメリカでさえ130だという。私が食品関係者から聞いた話では、現在約3,000種類のアミノ酸が存在し、それを使えば世界中のどんな食品の味も再現できるのだという。
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