第20話 「楽しい時期」にオフ会はしないほうがいい

 配信であれ、アプリであれ、始めた頃は楽しい。

 その頃はまだいろいろ悪い点が見えず、みんないい人と思ったりする。


 学校や会社の人は毎日会っていても、その人のことを深く知ってると思わないし、信用しないのに、ネットだと「いつも会ってるし!」と信用してしまう。

 この時に、オフ会をするのはとても危険である。


 恋愛に例えると、一番、恋が盛り上がってる時期で、熱を上げていて、相手の悪いところさえ個性だとか、その尖った部分を自分なら支えてあげられるとか酔っちゃってる、正常な判断が出来ない時期なのだ。


 まだ悪い面が見えてない時期にオフ会をして、LINEや顔を晒してしまい、後から後悔してる人を何人見たことか。

 後になって「あの時はあんな人だと思ってなかったからさぁ」と言っても、もうすでに相手には個人情報がある程度、握られている。


「写真とか撮ってないから大丈夫」なんてのは甘い。勝手に写真を撮られていて、晒された人もいる。

 自分のことだけではなく、会社や家族についてネットに載せられた人もいる。

 一番痛いのは子どものことを載せられることだとも聞いた。

 オフ会後につけれていて、家がバラされた人もいる。


「俺はそんな人間とは付き合ってないから大丈夫」「私はリス専だから」と思わないほうがいい。


 もらい事故はいくらでもあるのだ。

 勝手に嫉妬されたり、付き合ってる思い込まれて違うと答えて逆恨みされたり、配信者同士でもリスナー同士でも恨まれたり。

 

 何もしてなくても道を歩いてて、いきなり車が歩道に突っ込んで来て重傷を負うように、同じことがネットの人間関係でもあるのだ。

 なにせコンサートのチケットが当たっただけでも、ゲームのガチャで☆5が出たのを載せただけでも「当たらなかった人の気持ちを考えないんですか!?」とキレて攻撃して来る人もいるのだ。

 

 仲が良いから、良い人だからなど思い込むのも危険である。

 あなたと仲が良いからこそ、後で、そこで仲がこじれたら怖いのだ。

 何なら仲がたいして良くない人のほうが安全まである。


 仲が良いからと信じて話してしまった情報が、後にどこまで影響するかわからない。

 特に昔と違って、今は簡単に動画も音声も撮れてしまう。


 今後、Vライバーとして活動する、あるいは、現実の活動に何か繋げる予定があるという人は特に気を付けたほうがいい。

 ネット上での身内ネタの悪ふざけでさえ、誰が見ていて、どういう形で拡散されて、炎上するかわからない時代だ。

 オフ会をしたことを「現実で会おうと強いられて、こんな目に遭った」という半分作り話で、うまくネタにすることなんて簡単だ。

 

 現実の人だって別に何を知っているわけではないが、少なくとも会社の人は履歴書を出して就職しており、学校や地域なら地縁もある。

 だが、ネット上の人はすべて嘘のプロフィールでも何もわかりようがない。

 オフ会どころかLINEやディスコードでも交換してしまって、面倒になることがある。そのため、個人的接触を避けるため「SNS、アプリどちらもDMは禁止」という人もいるくらいだ。

 用心には用心を重ねたほうがいい。

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