第19話 推しは君のくれたお金で他の人とイチャイチャしてるよ
時々、ホストやキャバにお金を払ってる人をバカにして「キャバ嬢にお金を払ったって、ホストとか他の男に流れるだけなのに」という人がいるが、配信者の推しも、それは同じである。
あなたが必死で働いて投げたギフトを換金して、他の人と遊んでる。
「推しのために稼がなきゃ!」とあなたが必死で働く中、推しは他の男性配信者にキャーキャー言ってギフトを投げている。
「推しを広めなきゃ」とあなたが推しの動画を作ったりしてる間に、推しは他の女配信者と通話でイチャイチャしてる。
だいたいそんなものである。
『好意の返報性』なんて言葉を信じて、「私が推しのことをこんなに考えていれば、推しも私のことを考えてくれるはず」と思う人もいるが、そんなんだったら、キャバクラに通ってるおじさんは、もっとキャバ嬢に想われててもいいはずである。
しかし、実際には「あのおじさん、いつも来て、いつもお金を払っていれば、こっちがちょっとでも好意持つと思ってるのかなぁ。キモいし、痛い!」となっていて、1円も払わないどころかお金を吸い取っていく男に「私の担当カッコいい~」となっているのが現状である。
配信者も同じくギフトで心は買えない。
「私は10万も捧げたのに」と思っても、10万円分、推しが愛してくれるわけではない。
システムに半分以上取られていくから、とか、ギフトアイテムを挟んでいるからお金の重みが減るという面も、配信ではあるとは思う。
リアルのお金だったら、1万円急に渡されたら驚く人もいるだろう。
ただ、それを除いても、やっぱり推しの気持ちは、お金では買えないのだ。
あなたが推しのためにお金を稼ぐ間、他の配信者と……と書いたが、配信者でなく、なんならリスナーでも、お金を払ってくれないリスナーより、お金を払ってくれるリスナーのほうが好き……とも限らないのだ。
お金を払ってくれないリスナーでも雰囲気が好き、話し方が好きなどで、好む場合もある。逆に毎日通っていていくら貢いでくれても好きになれないリスナーもいる。
礼儀上、ありがとうとは言っているが、本音では相手をしたくないなんてことがあるあたりも、リアルのお店と似たところである。
スーパーやコンビニのレジでも、たくさん買ってくれても、あれこれ面倒な客が嫌なのと同じである。
毎日来るこの人より、週2くらいで来るすらっとしたお客さんが素敵、と思うように、来訪回数、使う額が必ずしも好意に繋がるとは限らないのだ。
配信アプリやSNSだと、推しの行動が簡単にわかってしまうことがある。
「私は推しのためにバイト二つ掛け持ちしてるのに、なんでその間に、他の女とイベントエリアデートしてるの!」とか「なにこれ。俺の応援には来ないのに他の男にはこんなにギフトを贈ってるの!?」となってしまうこともあるだろう。
タイトルはそんな時のために、心に留めておいて欲しい言葉だったりする。
ネット上で見えなくても、あなたが推しの配信を首を長くして待っている間、推しは誰かとリアルでイチャイチャしてるかもしれない。あなたが身を粉にして働いたお金を使って。
SNSに載った食べ物の写真も一人ではなく、誰か好みのタイプと行って、浮かれて載せた匂わせ写真かもしれない。なんならリスナーの一人と会ったかもしれない。
あなたの推しが会っているリスナーも、あなたが仲良くしていると思っていたリスナー仲間かもしれない。
浮かれている中の一部分にも、そういう気持ちを持っていて欲しいのだ。
そうしないと、本当にメンタルに来てしまうことがある。
「1位にさせなきゃ!」生活切り詰めて応援して、旅行に行くのもやめて推しに投げ続けて半年。「この配信アプリで彼氏が出来たんですけど、彼氏が配信はやめて言うからやめますー。今まで応援してくれてありがとう。SNSも消しますね!」と思い出ごと消されたリスナー。
「推しさんのトップオタは○ちゃんだよね!」周りから言われてその気になって、推しにも推しがイベント応援する相手にもバンバンギフト贈っていたけど、実は推しに自分の存在が好まれていなかったリスナー。
「返礼品は応援ランキング3位まで!」と聞いて、バイト増やしてお金を捧げ続けてたけど、配信者にとって「いつもスゴイ投げてくれる子いるからスコア○○までは余裕」という計算上の存在でしかないと知って、愕然としたリスナー。
そんなのは何度も見て来た。
もちろんそうではない、友好的な推しとリスナーの関係もある。
ただ、友好的に見えても……なオチもあるのだ。
自信のない人は、ぜひお金を使わないで遊んで欲しい。
仮に「かけた時間が無駄だった」になっても、お金をかけていないだけマシである。
『推しに時間やお金をかけたからといって、推しはあなたに好意を持ってくれるわけではない』
『推しは君のくれたお金で他の人とイチャイチャしてるよ』
そう心のどこかに持っておいて、推し活を楽しんでいただきたいと思っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます