第16話 雑談に人が来ないのは、あなたが雑談する気がないから

 話に入る前に最初に言っておくと、これを見て「私、話すの苦手だから……」思った人、あなたは雑談する気がない人ではない。

 苦手だと気にしている時点で、人と話そうとしている。

 それに、訥々と話す人や話すのが遅いからと、その人を嫌う人は少ない。

 むしろ、素朴な人柄や慣れないなりに頑張る姿に癒される人もいる。

 これから話す人はそういうのとは別の人である。


 例えば、自分が雑談枠を開くとしよう。

 そこで「歌枠の人で、雑談だと人が集まらないって人いるよねー。そういうの見ない?」と自分が話を振ったとする。

 「わかるわかる。歌枠の人で雑談苦手で、“ん-何話そうか”で止まっちゃう人いるよねー」とコメントしてくれた人がいたとしよう。

 そこで自分が「え、そんなの極一部だよ。自分は君と違って配信サイトってもの長いから~」言うとする。

 そしたら、もう雑談は終わりである。

 人がコメントしてくれたものを拾わないどころか否定する。

 さらにはお前より俺のほうが物を知ってるんだから言う。

 それなら、枠主と話す必要はない。


 こういう話し方をする人が『雑談をする気がない人』である。

 このタイプの厄介なのが、相手の話を拾う気もないなら、勝手に一人で喋ってればいいのに、それをしないことである。

「勝手に一人で話してるから、ラジオ感覚で聞いてて」という枠主もいるし、それは一つのスタイルとして良いと思う。

 ながらで聞いてる時はコメント反応しないで済むのが楽だし。

 『雑談をする気がない人』は相手の話は聞かないくせに「俺と話そうよ」してきて、さらには「雑談と枠タイに書くと人が来ない」と被害者ぶるのが厄介なのだ。


 ここで最初の話に戻る。

 話すのがうまくない人でもいいのだ。

「みなさん…パン…好きですか? 私、朝…いつもパンで…」

 そういう子に「クロワッサン好き」「今日の朝はカレーパンだった」コメントしたとして「私も…クロワッサン好きです。特にチョコクロ…」「朝からカレーパンすごい…ガッツリ食べるんだね」くらい話をぼそぼそ返すとする。

 それでもこれは雑談が成立しているのである。

 話すのがぼそぼそでも遅くても、その枠主はちゃんと雑談をしている。


 人のコメントに「でも」「だけど」「そういうのはさ」という入り方をする枠主は雑談に向いてない。

 そういう人は「だよねー」「わかる」「それな」みたいな返事をする枠主を、頭が悪いとか揶揄するが、共感がバカで反論が賢いと思ってるなら、バカのほうがずっとマシである。


 人の話を否定するのになぜ一方的に話すわけではなく、「雑談に人が来て欲しい」言うのか。

 それは対話型を装って、称賛されたからである。

「○○さん、すごい」「いろんなことを知ってる!」「私なんてまだまだ○○さんみたいにいろいろ知らないから尊敬します」

 こんな言葉を待っているのだ。


 それが透けて見える人間からは人が去る。

 だから、雑談するよと枠に書くと人が来ない。

 「雑談の枠タイだと人が来ない俺は被害者」ではないのだ。

 あなたの話し方が人を傷つけ、話す気をなくさせるから、人が来ない。

 

 配信なんて「閉じて次」が秒で出来るのだ。

 わざわざ話を聞いてコメントしても、否定して、俺のほうが上とマウント取る人と話すなんて時間の無駄はしない。

 まぁ、こんなことは「雑談枠タイだと人が来ない」被害者ぶってる人には届かないと思うので、読んでいる方は「雑談だと人が来ない」愚痴る枠主に当たったら、離脱準備をしておくのをオススメしておく。


  

 

 

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